家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

春野と子供たち

2015-12-30 09:40:09 | Weblog
春野に姉の孫たちを連れて行った。

中2と小4の男の子だ。

まずは家の中で薪ストーブの火着け。

次第に大きくなる炎の勢い。

継ぎ足す薪の大きさとタイミングを測る。

二人共嬉しそうだ。

火が安定したところで外に出る。

兼帯というノコギリとナタのセットを腰に着けさせた。

さっそく先日倒したコナラの邪魔な部分をノコギリとハサミを使って切り落とさせた。

火に続いて刃物だから男のDNAが揺り動かされるに決まっている。

枝を切り落として通りやすくなった道を確認して自信がみなぎり始める。

案内する私が途中で冬苺を見せた。

「これを摘んでジャムを作った」

と言いながら一粒口に入れた。

だが男の子達は真似しない。

ヒヤッとする山道を歩かせたあとミツバチの箱にたどり着く。

箱の裏側の一部を取り外すために電ドルを取りに私だけ下りた。

ドリルを持って上がると彼らがいない。

お兄ちゃんから大きな声で連絡が来た。

「弟がおしっこが漏れそうだから一度家に戻る」と。

彼らは道端のイチゴの実を食べもしないし立ちションもしない。

午前の予定を終えて家に戻るとタブレットやスマホで遊び始める。

その姿は水を得た魚のようだ。

午後から道下の林に連れて行った。

もう待ちきれずナタを使い始める。

ナタは刀と似ていて切れ味の良さは爽快でもある。

サヤから抜くのもカッコ良いようだ。

もう歓喜して木に打ち付ける。

散々やらせたあと正月用のセンリョウや梅を切る。

ついでに高枝切りノコギリで松の枝を切らせた。

これまたナギナタみたいだと言って使いたがる。

弟には長過ぎるし重過ぎるがそれでもやってみる。

最終的にはお兄ちゃんが手助けして終了した。

予定の全てを終えて帰路に着くと車の中で二人の寝息が響き渡った。

ハンドウインチでコナラを引っ張る

2015-12-27 10:51:45 | Weblog
シイタケのホダ木として切り倒したコナラが邪魔でワイヤーメッシュのフェンスが一部開け放した形になっている。

今年の年末に、このコナラを枝払いして玉切りする予定だった。

だがY爺さんの現況判断で「もう少しこのまま寝かそう」ということで、このまま年を越すことになった。

で、取り外したフェンスを元通りにしておきたくなった。

そのためには倒れているコナラを上側に少し移動させる必要がある。

自分ひとりで作業するにはハンドウインチでやるしかない。

倒れているコナラと立っているコナラをロープで結ぶ。

その間にハンドウインチを入れて引き寄せる。

言うは簡単だが現実は大変だった。

ハンドウインチで引っ張ることができる距離は、たった40センチほど。

倒れたコナラは別の倒れたコナラの枝を乗り越えなくてはいけない。

倒れたコナラに結びつけたロープに輪っかを作り、そこにハンドウインチのフックを掛ける。

ハンドウインチに巻かれたワイヤーは最大に伸ばされている。

ハンドウインチのレバーを引き上げては戻す。

レバーに連動した歯車は引き上げる側には作動するが戻すときには空回りして「カチカチ」という音を立てる。

何度か繰り返すとワイヤーは元のハンドウインチに巻き取られていく。

これ以上は巻取れないところでハンドウインチのレバーを引くのをやめる。

コナラはほんの少しだけ移動する。

次にハンドウインチのワイヤーを外し再びロープに輪っかを作り、そこにフックを掛けて引っ張る。

少し高い位置に設置したハンドウインチと引っ張られるコナラを何度も行き来する。

約40センチの移動でも10回繰り返せば4メーターの移動ができる。

コナラは別のコナラの枝を乗り越えて上に進む。

倒れたコナラの先端は、とうとうフェンスの内側に入り切った。

やっとワイヤーメッシュのフェンスを取り付けてグルリと一周のフェンスが元通りになった。

作業が終わってみると汗びっしょりになり午後の日差しが早めに陰ってしまうため背中が少し寒い。

大急ぎで部屋に戻って着替えする。

身体の汗が吸い取れた満足と仕事を終えた万足の両方が感じられた。





土砂崩れ後開通

2015-12-22 08:20:55 | Weblog
今年4月に春野の我が家の前から通行止めになった。

我が家から、その道を下に行った所に土砂崩れが起きたのだ。

あれから約8ヶ月が経過した。

崩れた山はまだまだ少しずつ崩れ続けている。

山の斜面が落ち着かないから、その下の道路が手につかない。

だがこの道を利用する住民は不便極まりない。

そこで暫定的な処置を施されることとなった。

今道路上に散乱している土や岩を取り除き道路上を車が走れるようにする。

幸い道路の表面は全く傷んでおらず土砂を除けば即走行可能だ。

だがまだ落下してきそうな土や岩や杉の木がある。

それらを道路の手前で受け止める柵が設置された。

大きなコンクリート製の塊が、まずは置かれた。

そこに鉄骨がはめ込まれ、その鉄骨に丸太を差し込む。

計算上「この程度の物で十分だ」ということになったのだろう。

私が自宅に帰ろうとしていたら通行止めの標識などをガラガラと片付けていた。

家に鍵をかけて歩き始めた私に「もう通れますからね」と作業人が言う。

「じゃあ通ってみるかな」というと「ちょっと待ってくださいよ。下のゲートはまだ開けてないもんで」という。

「いいですよ。走ってみたいだけだから」と伝えた。

私はカメラを用意してゆっくり車を発進させた。

久しぶりに見る景色だ。

作業していた別の人に「オレが一般人で最初だね」というと笑顔で「そうですね」と言った。

何枚か写真を撮ったあとさらに下りていった。

下のゲートが取り除かれた直後だ。

坂下に住む人が歩いていた。

彼は「ゲートが取られたもんで見に来た」と言った。

私は「オレ最初に通った」と少し自慢げに言って通り抜けた。

あっという間に通り抜けられる道だが8ヶ月間回り道して通っていた。

坂下にある隣の家が一番遠かった。

やっと元通りになったことで元の便利さを感じた。

ただもうすぐ我が家から上に登る道が通行止めとなる。

上にあるスーパー林道が凍るからだ。

豪雨に因る土砂崩れが終わると次は寒気による閉鎖。

自然には逆らえない。






水溶液4種

2015-12-19 11:12:26 | Weblog

ホームセンターに寄ったら、この時節を反映したものを売っていた。

掃除グッズの中の面白そうな物でセスキ炭酸ソーダという物質だ。

油汚れを簡単に落とすそうだ。

お試し用として準備された皿に書かれた文字に吹きかけてみる。

マジックで書かれた文字が霧状の液体を浴びた一瞬で浮かび上がり壊れて皿の中央に溶けて流れた。

「これはいい」と直感した。

同じ売り場に別の水溶液もあった。

クエン酸だ。

こちらは酸性の多目的水溶液として使う。

主に台所に有用らしい。

二つとも水溶液ではなく粉で購入した。

実はもう一種類売っていた。

重曹だ。

これは以前より沐浴剤として利用しているため袋詰めを山ほど持っているので購入しない。

さて自宅で3種類試してみた。

台所とトイレ。

「キレイになる」

持続して利用すれば清潔でキレイなまま維持できそうだ。

「イイモノ買ったぞ」

先日NHKのTV番組「ためしてがってん」を見て作った物がある。

ノロウイルスを99.9%ほぼ完全に破壊するという液体だ。

柿渋と、その10倍の消毒用アルコールだ。

柿渋は妻の染物用として常時置いてある。

消毒用のエタノールもある。

すぐに作った。

さてこの4種類の水溶液でこの年末は清潔で快適な生活を保証されたようなものだ。

ただし自分で噴霧して作業をこまめに続ける必要があることは言うまでもない。








最新のメルセデス

2015-12-18 07:45:29 | Weblog
最新型のメルセデスに乗せてもらった。

デモカーではなく友人が購入したのだ。

もともと彼はメルセデスのSクラスという大きな型に乗っていた。

今回は、それのハイブリッドだ。

乗り心地が良いのは前の車も同じ。

だいたい前の車の時に「最高だな」と感じたのに、それ以上の車があるなんて考えられなかった。

今回は、やはりさらにすごいことになっていた。

カーブを曲がるとシートが「グーッ」と私の体をサポートしてくれる。

室内全体がきれいな色で包まれていて、その色はワンタッチで変えられるし色によって雰囲気が変わることで運転する気持ちも変わるんだろうなと考えさせられた。

彼は品のある落ち着いた青にしてあった。

車を止めてから運転席に座らせてもらった。

フロントガラスに運転者だけが分かるように文字が浮かんでいた。

「これならわざわざ眼をカーナビに移さなくてもいいよな」

私はカーナビの他タブレットPCで地図を出して参考にしている。

それらは便利なのだが、いかんせん眼を前方から話す瞬間が、どうしてもある。

私が見たときには止まっていたので時速表示は「0」方位は「北」「地図にない道路です」と出ていた。

この大きさの、この重さの車だが電池で走れば燃料代が安くできる。

でもこの車を買うことのできる人は燃費のことなど問題ではないであろう。

排気ガスを抑えるということを第一に考えているのかもしれない。

私には問題は価格だと大いに感じられた。

少し前に蒲郡に行ったときJR駅から歩ける距離で海に至近の建売住宅が1900万円で売られていた。

このメルセデスの価格は、それ以上なのだ。

一家で暮らせる土地付き住宅より高い車という思いになってしまう。

車の中を汚さないように足に力を入れて小さくなっていた。

下ろしてもらったとき正直ホッとした。





フユイチゴ取り

2015-12-16 07:38:42 | Weblog
妻が急に「フユイチゴを取ってジャムにする」と言い出した。

私は午前中に自分の仕事を片付けて午後から手伝うことにした。

最近きれいにしている辺りに妻を案内した。

家と沢の間の杉林と雑木林の辺りだ。

そこには獣道があり、それを利用して私の道にしているのだ。

獣は急斜面でも難なく下りたり上がったり。

私は彼らの造った道のうち無難に通れるところを選んだ。

余分な植物は取り払い余分な枝も切り取る。

するとずいぶん歩きやすくなる。

何度もそれを繰り返していると自分の道ができてくる。

きつい斜面が在るときには掴まって下りられる枝を残す。

スパイクのついた私の地下足袋とは違い妻はスニーカー。

それでも危なげなく歩けるようになった。

沢まで継ったので道の長さは完了。

あとはもっと歩きやすくする。

フユイチゴは群生しているからヒトトコロに座り込んで集める。

ツルには熟した実と、まだ熟していない実が混在している。

熟した実はコロッと取れるが未熟な実は取れてこない。

熟した実は、あまりにも簡単に取れるので勢い余って地面に落ちて行方不明になることがある。

落ちた実はしつこく探さず次の実を取る。

右手の親指と人差し指が真っ赤になった。

1時間ほど取ってやめた。

実が小さいので手間の割には取れた量は少ない。

こうして食べられる物が生えていることを考えると、やたらと草刈しないほうがいいのかな、とも思う。

でも見た目がスッキリしていないと「荒らしてる」という感じがあり、やはり刈るのだろうな。

翌日妻がジャムにしてくれたので厚切りトーストに乗せて食べてみた。

酸味が素朴で美味しい。

コリコリと粒を感じるが、これがイチゴの種なのだろう。

食べていて邪魔ではない。

何より自分の家の敷地内で取れたものを食べるということがゼイタクに感じられた。

ボサボサの林に感謝だ。





枯葉集め

2015-12-09 08:14:36 | Weblog
秋から初冬になるにつれて枯葉がたくさん落ちてくるようになった。

枯葉は最終的には袋に入れて欲しい人にあげる。

春野の同じ集落で2軒ほど予約を受けている。

最後の袋詰めの工程は二人でやったほうが効率がよい。

まずは一人で枯葉集めをする。

エンジンブロアーを使って吹き集める。

エンジンブロアーはエンジンが掛かっていれば、もうすでに空気を吐き出している。

だからエンジンの掛かったエンジンブロアーを持ち歩くだけで枯葉がアッチコッチ舞い回る。

集めるには少しコツが要るようだ。

移動するときには吹き出し口を上に向けるか、まったく関係ない方に向けておく必要がある。

でもイザ吹き出し始めると、どうしても一部は別の方向に吹き飛ばされてしまう。

まあ大ざっぱにかき集める機械だから。

元藤棚の在った下がレンガの敷地になっているので、そこに集めることにした。

エンジンブロアーのトリガーを引くとエンジンの回転数が上がり空気が強く吐き出される。

すると枯葉は近くから遠くに吹き飛ぶ。

ブアーッと飛び上がり、パラパラッと落ちてくる。

それを繰り返しながら徐々に決めた場所に集める。

あまり強くアクセルを引くとエンジンの吸い込みでズボンが吸い寄せられることがある。

さて妻の手助けを得て袋詰する。

ここは原始的にホウキと大きめのチリトリを使う。

集めておいた枯葉に雨が当たったものだから上辺と違い中程は濡れている。

柿の葉は大きくケヤキの葉は小さい。

黄色から茶色、赤いものもある。

これが栄養となって次の植物が育つと思うと無駄なものはないなと感じる。

90リットルの袋に10つまり900リットルの枯葉が集まった。

これは近所の予約を受けた家に車で配達した。

これが我が家の第一段階。

このあと一番多くの枯葉を落とすコナラの落葉が始まる。

ハラハラと空から降ってくる様は良いものだ。

だが集めても集めても降ってくるので少し滅入る。

コナラを切り倒した 2

2015-12-02 08:18:52 | Weblog
Y爺さんがやってきた。

少し世間話をしたあとシイタケのホダ木用に切る予定の話をした。

コナラ林は傾斜もあり家の上でもあるため切るのが難しい。

Y爺さんが現地を見て「これとこれを切って、そこへこれを倒せばいい」と答えをくれた。

「これは道路まで出てしまわない?」

「ええん。大丈夫だ。せいぜいこの下のあたりまでだぇ」

「チェーンソーを見せてみな」というので物置に行った。

刃を指先で触ってみて「ヤスリあるか?」と言う。

目立て用のヤスリを渡すとすぐに目立てを始めた。

ヤスリでコスった際に出る金属の粉が陽の光に輝いて落ちていく。

「じゃあやってみるか」

今から切るようだ。

「ロープは?」と聞くと「いいらぁ」と言う。

ここを切れという合図のもとにチェーンソーを私が作動させる。

思った方向にコナラは倒れる。

2本切ったあと「どう、やってみすか」と言って私からチェーンソーを受け取る。

やはり自分でやりたくなったようだ。

というより見ていられないというのが本音か。

Y爺さんは腰の入れ方が違う。

安定していて力強い。

太くて四方に枝の張ったコナラはさすがに小さな枝を払っておいても少しズレて倒れた。

幹が切れると同時に斜面の傾きと枝の張り方とのバランスなのか「クラッ」と向きを変えて落ちていった。

「ここが腐ってる」とY爺さんが言う。

切り口のあたりを見たら確かに一部腐っていた。

道路まで出てしまわないか心配したコナラは、やはり充分に我が家の範囲内に納まっていた。

見ただけで木の高さが分かり、その長さがどの程度地上で広がるのかまで分かってしまうようだ。

「これで葉をつけたままにしておいて今月末に次の作業に取りかかりゃいいよ」と教えてくれた。

あっという間に作業を終えて帰っていった。

フラッと来てササッと作業してスイッと帰る。

私は圧倒的な実力差を感じて驚き、感激し、そして感謝した。

コナラを切り倒した

2015-12-01 10:34:03 | Weblog
花とか野菜とか獣に食べられたくない植物を植えるためにワイヤーメッシュで柵らしきものを作った。

今までも在るにはあったのだが、その範囲をかなり拡張した。

なぜ拡張が必要になったかというと日当たりが悪いのだ。

土は肥沃なのだが日照条件が悪くて私の植えた植物がうまく育たない。

で、コナラを切ることにした。

どうせ切るなら切ったコナラをシイタケのホダ木にしようと目論んでこの時期に切ることになった。

一人で切るのは難しいので妻に助っ人を頼んだ。

コナラの、なるべく上の位置にロープを結び思わぬ方向にコナラが倒れていかないようにする。

妻は離れた位置に陣取り、どう転んでも自分に被害が及ばない位置を確認してロープを持つ。

私がチェーンソーで切り口を作り倒す方向を決める。

「じゃあ切るよ」妻に掛け声を掛ける。

「いいよ」妻は身構える。

メリメリという音を立てて幹は切れて静かに倒れていく。

若干思った位置よりもズレてコナラは倒れた。

ズレた分せっかく張り巡らせた柵に乗ってしまったが柵を痛めることはなかった。

2本目は思った位置にドンピシャで倒れた。

最後の1本。

チェーンソーが大きな音を立てて回転する。

切れ味の悪いのは目立てが下手だからだ。

だが大して太くもないコナラなので構わず進めた。

そのうちにチェーンソーの刃がコナラに噛まれて止まってしまった。

妻を見ると尻餅をついている。

エンジンを止めて助けに行った。

「そちら側に倒れるところだったから危なかったよ」と言う。

切っている私の側にコナラが倒れ掛かったから慌てて引っ張ったというのだ。

妻は大声で私に危険を伝えたのだがチェーンソーのけたたましいエンジン音で何も聞こえず作業を続けた私。

妻を助けに行ったつもりの私だったが助かったのは私だった。

チェーンソーの刃が噛まれた段階で異変に気がつかなくてはいけなかった。

結局二人で思い切りロープを引っ張って倒すには倒したが、当然思った方向とはズレがあった。

噛まれていたチェーンソーも勢いよく吹っ飛んだ。