年末恒例の餅つき会に参加した。
昨夜のワインがまだ体内に充分すぎるほど残っていた。
昨年は腰痛でキネを持てなかったが今年は脳をヤラれてしばらくは薪ストーブにあたって世間話をして自分というエンジンのかかるのを待った。
つまり二日酔いという一度で二日美味しい事態だ。
晴れていた空もいつしか雨に変わった。
だが餅つきが開始される頃には私の体調も良くなりついでに雨も上がった。
キネを持って臼と向かい合う。
キネを振り上げて自重を利用して臼の中に落とす。
再び振り上げようとするとキネ自体の重さにモチの粘りが加わり余計に重くなる。
自重に今度は振り下ろす力を加える。
「ボッタン」と大きな音と共に地響きが伝わる。
相方は臼の中の物体に愛情と水分を注ぎながら手で次にキネを落とす部分を「ここだ」とペチリとまるで尻を叩くかのように示す。
米粒は粒同士の融合を繰り返し粒の主張を止めて、やがて大きなヒトツのモチとなる。
もち米を蒸かす人 薪を割る人 食器を準備する班 豆を炒る人 それぞれが楽しそうだ。
自分のやりたいことをしているが団体行動としても成り立っている。
モチが大根おろしと併せると美味しくなるように人もまた同じく、それぞれの持ち味をつなぎ合わせると、より良くなると感じた。
毎年この日に集まってくる仲間に「あけましておめでとう」と挨拶した。
まだ早いのではなく今年分の遅い年始の挨拶なのだ。