籐のトランクのベルトの錠が、とりあえず作ったアルミの釘を改造した物で開いたことは既に伝えた。
それでは、もう少し丁寧に鍵を作ろうと考えた。
鉄の平板を利用した。
適当な長さに切り取りマジックで完成予定の絵を描く。
マジックの線に沿って削る。
Y爺さんがやってきた。
ベルトの鍵を見せると「おお。こりゃあめずらしいなぁ」と驚いていた。
「これの鍵を作ろうと思ってね」
と言って作りかけの鉄の棒を見せた。
「こりゃぁ3ミリくらいあるで両側を削って作るだなぁ」と言う。
計ってみたら3ミリちょうどだった。
「芸が細かいね」と言って出て行った。
厚さを整えると鍵穴に鉄の板が入るようになる。
形を整えては鍵穴に差し込むことを繰り返す。
とうとう鍵穴にスッポリ入り錠の下から見ても上から見てもピッタリになった。
後は鍵を回してみて加減する。
いちおう完成して回してみると回った。
少しぎこちない動きだが回るようになり鍵に引っかかる部分を感じた。
多少力を込めて回してみた。
「カシュン」という音と共に鍵が開いた。
バネの力が加わって開く感じがした。
続いて今度は閉めてみた。
だが一向に動かない。
動かないのは鍵の当たっている部分だ。
重くて鍵が曲がってしまいそうだ。
「よし。止めた」
このまま錠が開いた状態を維持しようと決めた。
後日鍵を作る店を訪ねてみた。
錠付きベルトを持っていって受け付け嬢に渡した。
「これの鍵は作っていただけるでしょうか」と言うと
「ちょっとお待ちください」と言って奥に入っていった。
ついたての奥に鍵を作る職人がいるようだ。
一見して「無理でしょ。作れないです」と答えた。
もう受け付け嬢から答えを聞かなくても分かった。
「職人の質が落ちたね」と妻がポツリと言った。
それでは、もう少し丁寧に鍵を作ろうと考えた。
鉄の平板を利用した。
適当な長さに切り取りマジックで完成予定の絵を描く。
マジックの線に沿って削る。
Y爺さんがやってきた。
ベルトの鍵を見せると「おお。こりゃあめずらしいなぁ」と驚いていた。
「これの鍵を作ろうと思ってね」
と言って作りかけの鉄の棒を見せた。
「こりゃぁ3ミリくらいあるで両側を削って作るだなぁ」と言う。
計ってみたら3ミリちょうどだった。
「芸が細かいね」と言って出て行った。
厚さを整えると鍵穴に鉄の板が入るようになる。
形を整えては鍵穴に差し込むことを繰り返す。
とうとう鍵穴にスッポリ入り錠の下から見ても上から見てもピッタリになった。
後は鍵を回してみて加減する。
いちおう完成して回してみると回った。
少しぎこちない動きだが回るようになり鍵に引っかかる部分を感じた。
多少力を込めて回してみた。
「カシュン」という音と共に鍵が開いた。
バネの力が加わって開く感じがした。
続いて今度は閉めてみた。
だが一向に動かない。
動かないのは鍵の当たっている部分だ。
重くて鍵が曲がってしまいそうだ。
「よし。止めた」
このまま錠が開いた状態を維持しようと決めた。
後日鍵を作る店を訪ねてみた。
錠付きベルトを持っていって受け付け嬢に渡した。
「これの鍵は作っていただけるでしょうか」と言うと
「ちょっとお待ちください」と言って奥に入っていった。
ついたての奥に鍵を作る職人がいるようだ。
一見して「無理でしょ。作れないです」と答えた。
もう受け付け嬢から答えを聞かなくても分かった。
「職人の質が落ちたね」と妻がポツリと言った。