家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

鍵作り

2013-05-29 08:00:41 | Weblog
籐のトランクのベルトの錠が、とりあえず作ったアルミの釘を改造した物で開いたことは既に伝えた。

それでは、もう少し丁寧に鍵を作ろうと考えた。

鉄の平板を利用した。

適当な長さに切り取りマジックで完成予定の絵を描く。

マジックの線に沿って削る。

Y爺さんがやってきた。

ベルトの鍵を見せると「おお。こりゃあめずらしいなぁ」と驚いていた。

「これの鍵を作ろうと思ってね」

と言って作りかけの鉄の棒を見せた。

「こりゃぁ3ミリくらいあるで両側を削って作るだなぁ」と言う。

計ってみたら3ミリちょうどだった。

「芸が細かいね」と言って出て行った。

厚さを整えると鍵穴に鉄の板が入るようになる。

形を整えては鍵穴に差し込むことを繰り返す。

とうとう鍵穴にスッポリ入り錠の下から見ても上から見てもピッタリになった。

後は鍵を回してみて加減する。

いちおう完成して回してみると回った。

少しぎこちない動きだが回るようになり鍵に引っかかる部分を感じた。

多少力を込めて回してみた。

「カシュン」という音と共に鍵が開いた。

バネの力が加わって開く感じがした。

続いて今度は閉めてみた。

だが一向に動かない。

動かないのは鍵の当たっている部分だ。

重くて鍵が曲がってしまいそうだ。

「よし。止めた」

このまま錠が開いた状態を維持しようと決めた。

後日鍵を作る店を訪ねてみた。

錠付きベルトを持っていって受け付け嬢に渡した。

「これの鍵は作っていただけるでしょうか」と言うと

「ちょっとお待ちください」と言って奥に入っていった。

ついたての奥に鍵を作る職人がいるようだ。

一見して「無理でしょ。作れないです」と答えた。

もう受け付け嬢から答えを聞かなくても分かった。

「職人の質が落ちたね」と妻がポツリと言った。

松本に行ってきた

2013-05-28 07:19:20 | Weblog
「クラフトフェアまつもと」に行ってきた。

今回は、いつもと違う道を使ってみた。

三遠南信自動車道を使うのだ。

まずは浜松側の新東名高速道路の浜松いなさジャンクションから入る。

右に回ったり左に回ったりの山道が、ほぼ直線的に北上できる。

あっという間に愛知県の山奥に入り込んだ感覚だ。

一般道である国道151号線は朝が早いせいもあって空いていた。

すいすいと走り天竜川の上流の天竜峡へ到達した。

そこからは長野県側の三遠南信自動車道を使う。

飯田山本ICと直結した道路で、そのまま中央自動車道に入った。

いままでの道順よりも1時間くらい早いという思いがした。

しかし帰路は、そうはいかなかった。

老人の運転する軽自動車に先導されて50キロ制限を40キロ未満でズルズルと長時間走行するはめに。

あがたの森で行われるクラフトフェアまつもとは今回も盛況であった。

適度にお洒落した老若男女が、お目当ての物を、そして作家との対話を求めてうろつき回る。

私は会場の熱気や人込みにやられ乳母車に乗せられた子供がむずかるのと同じように辟易した。

それなのに連れられている犬は文句も言わず林立する足の間を器用に縫って歩く。

「おまえはえらいね」と尊敬した。

翌朝は仲間たちと創業から340年という飴屋を見に行った。

すると、その通りはRock Crafts Streetという看板を出して、やはり複数の作家の手仕事をいろいろな店で展示しているのだった。

私は公園にテントを張って店を出すよりは、こちらの方の雰囲気が好きだ。

聞けばRock という名前は元々この町の名前の六九町にちなんで付けたらしい。

古い人たちは違和感なく「ロック」と呼び「六九」を思い出し、若い人たちは「ロック」を、そのままカタカナで覚え最近は「Rock 」としてアピールする。

あがたの森公園を見た後に中町商店街で買い物し、そして「Rock 」でも何かを買わせようという魂胆は見事に大当たりしている。

「それでいいじゃん」と思った。

良い物を展示して買いたくなった人に買ってもらう。

良い作家は、あがたの森公園に入りきらないほどいるのだし。

こんな市と市民の動きを是非私の住む地域でもやってもらいたいものだと感じた。

籐のトランク

2013-05-21 07:10:19 | Weblog
森町の古着市という名の骨董市で程度の良い籐製のトランクを見つけた。

少し朱色がかった茶色で色あせはない。

トランクの角の保護用の皮に少し使用感がある。

皮の取っ手も新品のようだ。

恐る恐る値段を聞いてみた。

「5000円です」と言う。

安いな、と直感したが平静を装い

「ちょっと中を開けて見せてもらえます?」

と聞くと

「実は開かないのです」と言う。

このトランクにはベルトが巻かれていて、そのベルトには錠がついている。

その錠の鍵がないため開かないのだと。

「この鍵が付いていれば1万円で売りたいのだけど・・・」と妻らしい女性が付け足した。

「キーロックセンターに行けば作ってくれますよ」とご主人が横から言った。

鍵があれば1万円で無いから5000円なら鍵は5000円かかるのかな、と考えた。

「じゃあ、この中のお宝も付いているの?」と笑顔で聞くと

「中はカラです」と答えた。

どうして中が空なことを知っているのだろうと思いながら結局4500円で買った。

さて自宅に戻り錠をよく見る。

なんだか簡単に開きそうな気がした。

とりあえず鍵穴に入るL字型のものを作り、それで試そうと思った。

加工がし易いようにアルミ製の釘をL字型に曲げてヤスリで厚さを整えた。

錠の隙間に入った釘を回すと引っかかるところで止まった。

少し力を入れて回してみた。

「カシン」と一発で開いた。

ベルトを外すとトランクが開き中が見えた。

やはりカラであった。

しかし中も新品に近い状態だ。

錠を開け閉めしているうちに釘で作った鍵が曲がってしまい使い物にならなくなってしまった。

今度は、ちゃんと使える鍵を作ろう。

鍵が出来たら、このトランクをモーガンに乗せて走ろう。

ヤシャブシ拾い

2013-05-20 07:06:11 | Weblog
道路沿いにヤシャブシの林があることは知っていた。

車を止める場所がなくて見に行くことをためらっていた。

たまたま道路沿いにある会社の進入路が空いていた。

会社も休みらしい。

少し駐車させてもらって見に行った。

道路から少し林に寄ったところに実が落ちている。

道路の横の側溝の中にも落ちている。

ヤシャブシの実は小さな松ボックリの感じでこげ茶色をしている。

これを使って染物をすると良い色に染まるらしい。

落ちている実を拾ってはビニール袋に入れた。

拾い歩きをしていると妻がキイチゴを見つけた。

「あら美味しそうね」と言うや口に入れた。

「うん。美味しい」と言って私に差し出した。

私は、その時乾いた側溝の中に入って歩いていた。

妻は手を下に伸ばして私の口まで持ってきてくれた。

そのまま口に入れて甘さと酸味を感じてモグモグとやっていたところに車が通った。

その車から見た私の行動はと言うと。

側溝の中を歩き道路の隅に落ちている犬の糞を袋に詰め、こともあろうにそれを口に入れて食べている。

そう見えたに違いないが、どう見えようと構ったことではない。

続いて拾った。

拾い尽くすと今度は林の中に入り直接木から採った。

いかにも虫や蛇の好みそうな場所だったが袋が一杯になるまでは採り続けた。

帰宅して籠に入れてみる。

「何かイイ感じ」

染める時にもまた報告する予定にしている。



探し物と見つけた物

2013-05-16 07:02:38 | Weblog
1階も2階も引越しのように散らかっていた。

1階は私の机を中心とした片付けもの。

2階は妻が探し物をしていた。

途中で昼食という休憩が入り午後もそれぞれに分かれて作業を続けた。

机の上は、いろいろな物が山積みになっている。

机といえども書きものをする隙間は全くなかった。

まずは物達をどける。

その際今後不必要だと思われるものは思い切ってゴミ箱に入れる。

一旦捨て始めると捨てようと思う物が一気に増える。

覚悟が決まると迷いが無くなるのだろう。

CDはCD入れに収め本は本棚に並べて本来の置き場に戻す。

植えなかった何かの種がゴロゴロ出てきた。

ゴミ箱はゴミ収集車の中のように雑多な物で溢れかえった。

ナットが出てきた。

ナットは黒いビニールを被せてある。

「これは・・・・・」

何故ここに在るのかは理解できなかったが、もしかしてモーガンの部品なのでは、という小さな希望に似た何かが心に生まれた。

机の上のホコリを掃除機で吸い取り雑巾掛けをして終了した。

ワクワクして車庫に行きモーガンに先ほどのナットを着けてみた。

「ピッタリだ」

2007年11月28日の日記にピボットスイベルレバーを取り付けたと書いてあるから、その時には在ったのだ。

2012年1月21日の日記にはナットが無いことに気付いたと書いてある。

その間に見つけて何のナットか思い出せず机の上に放置したのであろう。

間に合わせで取り付けてあったナットを外し本来のナットを取り付けた。

車の中に落ちていないし拾っても捨てるはずはないしと思っていた。

思いがけず嬉しい片付けの効果であった。

さて2階に上がっていくと妻は頭を抱えていた。

「無いの」と言う。

妻はその日は、あきらめた。

「見つけた」とメールが届いた時のは2日後だった。

タンスの裏側に落ちていたのだと。

忘却システムが異常に強くなった気がする。

全てを忘れるようになるまでもう少し。


ガソリン補給とメーター

2013-05-15 07:25:28 | Weblog
車のガソリン補給はフュエルメーターとトリップメーターの距離数を見て決めている。

主にフュエルメーターを見て、この先の走行距離を考慮に入れて決める。

モーガンの場合そのフュエルメーターが全く当てにならない。

満タンにしてもフュエルメーターの針は中央より少しF寄りを示すだけだ。

だから主にトリップメーターを参考にして補給することになる。

5リッター入れのガソリン携行缶を購入した。

20リッター入れは既に持っている。

しかし、いかんせん20リッター入れは大きすぎる。

モーガンは荷物を入れておく場所が少ない。

その中で20リッター缶を持ち歩くことは邪魔としか言いようがない。

5リッター入れのガソリン携行缶を購入したのを機に、いったいどの程度ガソリン量とフュエルメーターの関係が正しく反映されているか試してみた。

トリップメーターの距離数と、そのときのフュエルメーターの針の示す位置関係を見る。

とりあえず現在の走行距離数は284Mだ。

マイルメーターなのでキロ換算しないとピンとこない。

284Mは1.6倍して454.4Kmと確認する。

今年になってモーガンのリッター当たりの走行距離は平均12.54Kmだ。

35リッターは入ると思われるので438.9Kmは走ることが出来る。

ところが現在の距離数が、既にそれを上回っている。

それでは目安として300M(480Km)走ることにした。

残り16M(25.6Km)を走る。

いつガス欠で止まるか分からないから、どの道を利用するかは慎重に選んだ。

300Mを超えてからガソリンスタンドに入った。

フュエルメーターの針は、まだ少し残っていることを示す位置だった。

ガソリンは35.5リッター入った。

5M(484Km)走行だからリッター当たりの走行距離は13.63Kmだ。

こんな実験的なことをしても、大した意味は持たないがフュエルメーターの針に対して少し信頼できるようになった。

満タンにしたときには当てにならない針も「なくなりそう」というときには参考になる気がした。

今後は300Mのあたりで補給することにする。

しかし冷や冷やしながら走るのは嫌なので早めに給油することは今まで通りになるはずだ。

ナラメリンゴフシの3

2013-05-14 06:42:48 | Weblog
ナラメリンゴフシを見てみると枯れて乾いた実のようになっている。

毎回だが、これが植物でないとは思えない。

葉が青々と茂ったばかりの木に対して枯れて見えるのは少し違和感がある。

触ってみると、やはり枯れて乾いた実のようでフワフワとした柔らかい感触だ。

穴が開いているから、もう成虫になって巣立ったのかなと思った。

切り取って割ってみることにした。

フワフワした部分は切れる感触は伝わらない。

中は少し硬い感じがした。

割ってみるとボロボロと木屑のような物と一緒に小さな幼虫が出てきた。

コロコロと太っているように感じられた。

艶のある茶色の頭を持つ白い幼虫だ。

さらに小さな個体も転がり出てきた。

明るい日差しを嫌うらしく日陰に入り込み小さく丸くなる。

結局、成長の途中を邪魔しただけであった。

でもナラメリンゴタマバチに成長したところも見てみたい。

次はナラメリンゴフシを透明なビニール袋で覆っておこうかと思う。

そうすれば、いちいち切り開く必要もない。



シャクヤクとアリ

2013-05-13 07:06:56 | Weblog
シャクヤクが蕾を付けた。

写真を撮っておこうと思った。

シャクヤクの蕾の上にはアリがいた。

シャクヤクの蕾は全部で5個。

そのそれぞれの蕾の上にアリがいる。

ある蕾には2匹のアリがいた。

たぶんシャクヤクとアリは共生関係になっていてアリがシャクヤクにアブラムシやダニが付かないように蕾を守り、その代わりシャクヤクから報酬をもらうのだ。

お互いに合理的で美しい姿であり、よく考えられた自然の掟だと感じた。

しかしネットで調べてみると人間のばかげた質問が見えた。

「シャクヤクに影響がないでしょうか?」

「シャクヤクの花をビニール袋で覆ったらアリが来なくなった」

「アリを来させないための薬を教えて欲しい」

シャクヤクの花の美しさだけを見つめ自分の都合の良い方向にしか考えない。

シャクヤクの花もきれいだがシャクヤクとアリの関係も素晴らしいと思わないのだろうか。

ニオイを取る芳香剤などのコマーシャルを見ると、ことさらに危険や嫌悪感をあおるように感じる。

すると真に受けて清潔感を勘違いした大人が多く育つ。

それが子供に刷り込まれる。

「世の中そんな単純じゃないんだよ」と言いたい。

シャクヤクの蕾の上を歩き回るアリたち。

そこかしこに蜜が噴出し続けているのだろう。

そうやってアリを雇うシャクヤク。

「アリよ。シャクヤクよ。人間とは何て愚かな生き物なのでしょう」


シジュウカラの2回目の子育て

2013-05-12 07:46:32 | Weblog
孟宗竹で作った小鳥の巣に去年シジュウカラが卵を産みしばらくして皆巣立っていった。

今年も同じようにシジュウカラがやってきていた。

巣に入って産卵していることに気づかなかった。

ただ「このところヤマガラがエサを欲しがりに来ないな」と感じていた。

たぶん巣として利用し始めたシジュウカラがヤマガラを追い払うから、その姿が見えなくなったのであろう。

「ジージージージー」という声がして、その方向を見るとシジュウカラがいた。

エサをくわえて巣の中に入っていくのが見えた。

巣の前を通る時偶然中に小さなくちばしだけが見えることもあった。

「ヒナがいるな」と確認した。

あるとき水撒きをしていると「ジージー」と鳴いて細かく羽を振るわせるシジュウカラがいた。

近くに親鳥らしい姿も見える。

少し離れて観察してみた。

その羽を振るわせているのは最近巣立ったばかりのヒナであろうことは、その仕草とくちばしや羽の色から分かった。

しかしそのヒナが自分で虫をくわえているにもかかわらず巣の中のヒナに与えに入ったのだ。

自分もまだ未熟なのに弟や妹にエサを与えに入っていく姿を見て感激した。

「このように助け合って種が守られるのだなぁ」と実感した。

まだ羽をバタバタと振るわせて親に甘えるヒナ。

しかし、もう役に立とうとして自分で食べてしまいそうなエサを放棄するのだ。

健気だ。

一方カッコウの托卵のような人間的には非道とも思える産卵方法があり、そのヒナはまだ孵らない卵を巣から落とす。

両方一生懸命であることに変わりはない。

善し悪しではなく好き嫌いでもない。

それぞれの採る道だ。


押し売りとサービス

2013-05-11 07:21:04 | Weblog
初夏のような気温の中をモーガンで走る。

アミで作ったようなハンチングをかぶって走行する。

さすがに風の通りの良い帽子だから吹き飛ばされることはないが横風が強い所では脱いで車内に置いた。

信号待ちをしていると「モーガンですか?」と声がかかった。

そちらに向くと声の主は太った70歳代のおやじさんだった。

「はいそうです。モーガンのいちばん小さな奴です」と答えた。

「気持ち良いかね?」

「はい。今日は最高です」と言って空を指で指し示した。

帰り始めたおやじさんは「今日は良いものを見せてもらった」と言いに戻ってきた。

親指を立てていた。

ランチは「東三河モーニング街道」でとるか「渥美半島どんぶり街道」でとるかと迷っていた。

しかし走りながら見た限りでは、それらしい店は見当たらなかった。

伊良湖岬に到着した。

店頭でコンロを掃除するおばあさんの店の前に駐車した。

コンロは大アサリやサザエを焼くためのものだ。

店の奥にある食堂に入り刺身定食と焼き大アサリを頼んだ。

刺身は良い物とまあまあの物が混在していた。

焼き大アサリは美味しかった。

「ここに嫁いでから50年焼き続けています」というようなおばあさんが一つ一つ丁寧に焼いては味付けしているので美味しいはずだ。

二皿手に持ち歩いてきた。

まず手前に座っている私に「アサリだけの人は?」と聞くので

「私です。刺身定食とアサリ」と答えた。

「はい」と皿を置く。

後ろにの人には「アサリ定食はい」と言って置いた。

両方同じアサリを焼いた皿だし客は二人だけなのだから聞く必要ないじゃん。

後ろの人は、あっという間に食べ終わり会計を済ませて出て行った。

みやげ物売り場を通過する時に、さきほどのおばあさんがみかんの袋を手にとって押し売りをしているのが見えた。

客が笑顔でお断りして明るい外に出て行く姿が見えた。

おばあさんはアサリを焼くだけでなく、みかんを袋に詰めたりその袋を売ったりする仕事が上手そうだ。

私が出て行くとガラス製の冷蔵庫からパイナップルをくしに刺して冷やした物を取り出し私に差し出した。

「これ。あげる」

「ありがとうございます」と言って受け取り、汁がこぼれないようにベンチで食べた。

前の客と私への対応の差が大きいなと感じた。

アサリ定食が900円。

刺身定食は1600円で焼きアサリが500円。

冷やしたパイナップルは100円で売っていた。