テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ファンタジーか、それとも…?

2010-07-06 23:20:27 | ブックス
 2010蹴球世界王座決定戦も準決勝となりましたね~♪
 王者はドイツとの下馬評が高いようですが……はたして??
 こんにちは、平和に勝者がきまりますように、と願うネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるるっ!」(←訳:虎ですっ!)

 さあ、本日は!
 世界の注目を集めるワールドカップ同様に、
 ミステリ界で注目の的となっている一冊を御紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!


 
                  ―― 叫びと祈り ――


 
 著者は梓崎優(しざき・ゆう)さん、’10年2月に発行されました。
 この御本が、梓崎さんのデビュー作品なのだそうですよ。

「おおがたァしんじんッとうじょうゥ!でスねッ」
「がるるがる~!」(←訳:大拍手~!)

 五編の短編から成る連作ミステリ、なのですが、
 冒頭に収録されている『砂漠を走る船の道』は
 第五回ミステリーズ!新人賞受賞作品ですので、
 読んだことあるわ!という御方も多いかもしれませんね。
 そしてまた、この御話が素晴らしくミステリ的なミステリ!なんです。
 
 舞台はアフリカ大陸の砂漠、
 一面の砂の原にぽつりと、
 ラクダを曳いてゆく隊商さんがありました……

「ふむむむゥ!
 なんだかァ、おとぎばなしィ、みたいィッ!」
「ぐるるーがる!」(←訳:童謡にも似てる!)

 隊商には、見かけない顔触れがまじっておりますね。
 東洋人の、砂漠に不慣れそうな若い男性は、
 斉木(さいき)さんという、日本人。
 
 斉木さんの目的は、
 サハラ砂漠に残る塩交易の取材――
 そう、彼はジャーナリストさんなのでした。
 シルクロードならぬ塩ロードの、
 過酷な旅もお仕事の一環なんです。

「ふァ~、たいへんなァ、おしごとでスねッ」
「がるる~?…がるるる!」(←訳:大丈夫?…じゃなさそうだよ!)

 未知の事々に接する喜びよりも、
 つらいことばかりの砂漠の旅は、
 やがて災難に見舞われます。
 突如襲い来た砂嵐が過ぎた後、
 斉木さんが目にしたものは――

「たいへんなのでスゥ!
 じけんでスよゥ!」
「ぐるるっがるー!」(←訳:砂漠の真ん中なのにー!)

 非現実的、とさえ思える不可思議な事件を、
 斉木さんは必死に考察してゆきます。
 自分の身を守るため、
 砂漠で生き抜くために……。

 ミステリアスな砂漠の《謎》に始まり、
 世界各地を《思考》と《思案》で結びつなげてゆくような
 ロードムービー風ミステリは、
 ミステリの枠内に囚われない新種のファンタジー、
 と言ったら怒られちゃうでしょうか?
 ミステリ好きさんだけでなく、
 広~く活字マニアの方々に読んでいただきたい
 美しい物語ですよ♪
 今年度のベストミステリにランクインするかも!

「♪つきのォ~♪さばくをォ~♪」
「ぐるるがるぐる~♪」(←訳:はるばる往くのは~♪)
「たんていさんッ!」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする