テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

海の彼方の、ひゅ~どろろ?

2010-07-13 23:18:33 | ブックス
 ♪いらんかえ~いらんかえ~♪
 ♪怖い御話はいらんかえ~♪
 という季節がやってきたようですね、こんにちは、ネーさです。

「……こんにちわゥ、テディちゃでス……」
「……がるる~」(←訳:……虎です~)

 あら、そんなに身構えなくてもよろしいんですのよ。
 本日ご紹介いたします怖い御話、
 いわゆるホラーストーリーとは趣きを異にしております。
 怖くない!ってワケじゃないけど、
 怖さよりも面白さが優っているようなその御本とは……
 はい、こちらを、どうぞ~!


 
              ―― 水木しげるの 中国妖怪事典 ――


 
 著者は水木しげるさん、初版は1990年に発行されました。
 奥さま原作によるドラマのヒットも話題になっている水木さん、
 さすがです!
 海の彼方のお国の妖怪にも詳しいなんて!

「あはッ♪ みずきィせんせッ!
 みずきィせんせェのォ、ごほんッでスかッ♪」
「ぐるるがるるるぐる!」(←訳:それなら怖くても怖くないや!)

 全身鳥肌!唇も真っ青!な妖怪諸衆の強面も、
 どうしてなのか、
 マエストロ水木の筆にかかると、
 禍々しさよりも、
 歴史絵巻を眺めているかのような、
 清々しささえ覚えてしまうのです。

 この世には、私たちの目に映らないものもいるんだ、
 それでいいじゃないか、
 と言いたくなりますね。

「ふァいッ!
 たまにはァ、おばけもォ、よいィものでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:あくまで時たまならね!)

 さらにまた、
 この御本で取り上げられているのは
 中国大陸の妖怪さんたちです。
 日本の妖怪のルーツかしら?と思わせる妖しのモノさんたち、
 妖怪を超えて神獣の域に達している妖(あやかし)さんもおられます。

 ほぉら、この頁にはキリンさんが載っているんですけれどね、

「きりんさんッ?
 うえのォどうぶつえんッでスかッ??」
「ぐるるがるがるる?」(←訳:ビヤガーデンのキリンさんかな?)

 違~うっ!
 いえ、ちょっとは当たっておりますよ。
 ビールのラベルに描かれている
 『麒麟(きりん)』さんは、
 千年に一度しか姿を現さないともいわれる瑞獣さん。
 自在に空を飛び、
 その寿命は二千年を軽く凌駕!
 目出度さの象徴ともされてきました。

「ありがたやッありがたやァッ♪」
「がるがるるる~!」(←訳:お会いしたい~!)

 この御本に登場する妖怪さんたちは、
 中国大陸の歴史の側面を体現しているのかもしれません。
 神仙と妖と人間世界の境界を改めて意識させられる
 奥深い内容は、
 歴史好きさんに、
 または、西遊記大好き!
 三国志大好き!という御方にも
 おすすめですよ。

「そんごくうゥくんはァ、でてきませんがッ♪」
「がるぐるるがる!」(←訳:猪八戒そっくりちゃんがいます!)
「たいりくはァ~」
「がるぐる!」(←訳:広大なり!)
 
コメント
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