テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

玉子サンドが、手まねきする……。

2014-07-08 21:39:23 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 たいふうッ、こわいィ~でスゥ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!ボクも怖い!)

 こんにちは、ネーさです。
 台風8号の凄さは海外でもニュースになっているようです。
 どうか被害が出ませんように……と祈りながら、
 風雨に負けじ!の読書タイム、
 本日は、こちらのフィクション作品を、どうぞ~!

  



 
               ―― 食堂つばめ ――



 著者は矢崎存美(やざき・ありみ)さん、2013年5月に発行されました。
 ピンクのブタ型ぬいぐるみ?がセンセーションを起こす《ぶたぶた》シリーズが人気の
 著者・矢崎さんによる、
 こちらの御本の主人公は……

 とりあえず人間です!

「えッ、ぶたさんじゃァ、ないのォ?」
「ぐるるるるがる~!」(←訳:ぶたさんがいい~!)

 大丈夫、
 可愛いブタさんではないけれど、
 主人公の人間、
 柳井秀晴(やない・ひではる)くんは
 充分に変わってる、というか、
 変わった体験をすることになりました。

 目を開けると、列車の中。
 新幹線のような車両の座席に、彼はいます。

   おかしいな?
   いつ乗ったんだろう?
   俺、出張……してる、のかな?

「おぼえてないィのッ??」
「がるぐるる~!」(←訳:気を確かに~!)

 ふわふわ、ぼんやりした心地のまま、
 秀晴くんは、ふと思います。

    車内販売、ないのかな?
    おいしいもの、食べたいな。

「あッ、そのきもちィ、わかるゥでス!」
「ぐるるっるがるぐるるる!」(←訳:列車旅ってお腹すくんだ!)

 ぐーぐー鳴るお腹を抱え、
 席を立つ秀晴くん。

 しかし、実は、これが運命の大きな分岐点だったのでした。

 彼が乗っているのは、この世を走る列車ではなかったのです。
 何もせぬまま乗り続けていたら……
 探し当てた食堂車で
 美味しい玉子サンドイッチをパクリと頬張らなかったら……

 病院で蘇生することもなかったでしょう。

「ええッ? びょういんッ?!?」
「がるぐっるる?!?」(←訳:危篤だったの?!?)

 危篤を脱し、病も癒えた秀晴くんは
 ホッとしつつも、悟ります。

    俺は、臨死体験をした、のらしい。
    うん、こっちに戻ってこられてよかった、けれど、
    ………………
    あの玉子サンドが忘れられない!

「……まじィでッ?」
「ぐるがるるる~」(←訳:本気みたいだ~)

 《食》への執念?こだわり?は生死の境界線をも超える、のでしょうか。
 秀晴くん、あの玉子サンドに再会することになります。
 とても不思議なかたちで、
 不思議な人びとの手で――

 ジャンル的にはファンタジー、に分類されるのかもしれませんが、
 ユニークな《食》小説でもあるこの御本、
 好評を得て、既に続巻も刊行されているそうです♪
 秀晴くんの気持ちが解る食いしん坊な活字マニアさんは、
 夏の読書タイムに、ぜひ一読を!

「……なんだかァ、たべたくゥなッてきたでス!」
「がるるぐるがるる!」(←訳:最高の玉子サンド!)

 サンドイッチマニアさんにも、おすすめ、ですね。



 
コメント
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