テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

たったひとりの、孤独なレース。

2014-07-29 21:21:24 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 かきごおりィ、おおはやりィ!」
「がるる!ぐるるがうるっ!」(←訳:虎です!冷えてシャリっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 あぢぢ~な午後のおやつには、美味しいかき氷♪
 そして、夏の読書タイムには
 ノンストップなクライムサスペンスを♪
 さあ、本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



               ―― 一千兆円の身代金 ――



 著者は八木圭一(やぎ・けいいち)さん、2014年1月に発行されました。
 第12回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作品ですよ~♪

「ぱちぱちぱちィ!じゅしょうッ、おめでとうございまスゥ!」
「ぐる~!がる~!」(←訳:慶賀~!祝福~!)

 いま注目の『このミス』大賞、
 その大賞受賞最新作品は、ええ、お分かりですね。
 身代金……と題名に謳っちゃうくらいです、ずばり、
 《誘拐》もの。

「まねしちゃッいけませんッ!」
「がるるぐるがるる!」(←訳:卑劣な犯罪なのだ!)

 最も憎むべき、最も忌むべき犯罪、
 なおかつ最も成功率が低い犯罪でもあるのが、誘拐。

 この物語で描かれているのも
 誘拐……なのですが、
 いやはや、真似しようったって真似できるものじゃありませんね。

「みのしろきんがァ~」
「ぐるるるっる?」(←訳:一千兆円って?)

 莫大な身代金を要求するエンタなミステリ作品は
 以前から日本や米国などに数あれど、
 一千兆円というのは
 ケタが違っています。

 そんなお金、払えるのでしょうか?
 どうやって準備する?
 受け渡し方法は?

「……ううむッ?」
「ぐるるるる!」(←訳:分かんない!)

 いえ、この作品の眼目は、
 お金がどうのこうの、ではないようです。

 お金ではなく、人間
 トリックではなく、感情
 
 或る日、自宅から忽然と姿を消したひとりの小学生。
 “彼”は、普通の小学生ではありませんでした。
 祖父は、元総理。
 つまりその子は、重要人物の家族、なのです。

 となると、巨額な身代金を要求する手紙は
 一挙に信憑性を増してきます。
 たとえ、その文面がどんなに奇妙であろうと――

「ありえないィようなァ、てがみィ、でスゥ!」
「がるぐるる?」(←訳:何が何だか?)

 一斉に動き出す警察の精鋭たち。
 誘拐犯の意図はどこにあるのか。
 さらわれてしまった子どもは、どこにいるのか……。

 前回記事では、元気な四姉妹の夏の物語を御紹介しました。
 対して、こちらの御本は、
 ひとりの少年の物語、
 というべきかもしれません。
 少年の、未来を決定するものがたり――

「こうはんはァ、きゅうてんかいィ!」
「ぐるがるるるる!」(←訳:目が離せません!)

 細部までしっかり構築されたサスペンスフルな作品は、
 ミステリのジャンル、なのでしょうけれど、
 どことなく冒険小説風でもあります。
 ミステリ好きさん、
 警察小説好きな活字マニアさんにも、おすすめですよ~♪♪

 


 
コメント
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