テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

すぐとなりの、“神様”?

2015-01-23 21:16:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 えんぎィかつぎィ!」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!願かけ!)

 こんにちは、ネーさです。
 初詣に、おみくじ、お守り……と
 お正月は神社に縁のある月でもありますね。
 ショコラ話から読書タイムに戻っての本日のメニュー、いえ、一冊は、
 こちらの御本を、どうぞ~!

  



            ―― 神様長屋、空いてます。 ――



 著者は高橋由太(たかはし・ゆうた)さん、2014年12月に発行されました。
 『新 大江戸もののけ横町顛末記』と副題が付されています。

「ながやァ、でスかッ?」
「ぐるるがるる?」(←訳:お江戸ですか?)

 お江戸であってお江戸でない、
 そこは、
 “もののけ横町”。

 この世とあの世の狭間(はざま)にある、
 妖怪たちばかりが棲み暮らす町……なんですけど。

 “もののけ横町”の一角に、
 《神様長屋》がある、のだそうです。

 神様云々、というくらいですから、住人さんは――

「もッちろォ~んッ!」
「がるるるぅ!」(←訳:神様でしょ!)

 ええ、その通り。
 活字マニアの皆さまはよく御存知のように、
 ここ日本は八百万の神さまがたがおられます。

 八百万……って、ものすごい数ですから、
 それだけに、神様がたにも栄枯盛衰と申しましょうか、
 人気の遷り変わりがあるらしくて。

 《神様長屋》に入居しているのは、
 いま世間に大人気!な神様とは、
 ちょこっと別ジャンルの神様たちでして、
 え~と、つまり、
 自由、って言い換えてもいいかしら。

「あさからァ、おさけェ、ぐいぐいッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:飲めや歌えや!)
「おおさわぎィ~♪」

 自由すぎる神様たちのお世話をするのは、
 福助さん。

 幸運を招く“福の神”である福助さん、
 《神様長屋》の管理人さん……のはずが、
 神様歴の長い先輩神様がたに
 こき使われちゃっています。
 今日も今日とて、あ~、トラブルだ~…。

「ひゃッ! たいへんッ!」
「ぐるがるるるっ?」(←訳:追い出されたっ??)

 トラブルの源《神様長屋》の住人さんたちは、
 なんと、長屋を追い出されてしまいました。

 神様が?
 追い出されるなんてアリなのか?
 と疑問が湧きますけれど……

 どうやら、アリ、みたいです。
 困った福助さん、
 世間知らず?で世渡り下手?な神様がたとともに
 人間界へお引越しと、相成ったのでした。

「あんうんッ、ただよッてまスよゥ!」
「がるるるぐるる~…」(←訳:福助さん可哀相~…)

 “もののけ横町”から、
 よりいっそうややこしそうな人間の世界で、
 神様がたはサバイバルできるのか?

 著者・高橋さんによる、
 人物造形ならぬ神様造型が愉快です♪
 うんうん、こんな神様いるわよね!と、
 賛成&感情移入させられる軽快なストーリーも
 とっても楽しくて、
 冬の寒さに強張った首や肩を
 あたたかくほぐしてくれますよ。

「かみさまながやッ、いいかもォ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:見学希望です!)

 さりげなく日本史の機微を取り入れたファンタジーは
 一見エンタでありながら、
 奥深~い“何か”がひそんでいるようです。
 週末の読書タイムに、皆さま、ぜひ~♪
 



 
コメント
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