テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

愛たっぷりのオマージュ♪

2015-01-27 21:45:08 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あッ! さくらァさいてるでスゥ!」
「がるる!ぐるがるるっ?」(←訳:虎です!もう春なのっ?)

 こんにちは、ネーさです。
 お花屋さんには観賞用の啓翁桜(冬に花が咲く品種です)が入荷しています。
 春はまだちょこっと先ですけれど、
 サクラの蕾にホッコリ気持ちを温められながら、
 本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



            ―― みんなの少年探偵団 ――



 著者は収録順に、万城目学さん、湊かなえさん、小路幸也さん、
 向井湘吾さん、藤谷治さん、2014年11月に発行されました。
 日本近代文学史上の巨人・江戸川乱歩さんの生誕120周年を記念する
 プロジェクト・シリーズの第一弾であるこの御本は、
 ふっふっふっ、明智くん、君が、
 じゃなくて、少年探偵団の諸君が主役だ!

「あはァ! しょうねんたんていィだんッ!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:悪人を捕まえるぞ!)

 現代の人気作家さんが
 江戸川乱歩さんの名作――
 それも怪人20面相と少年探偵団をテーマにしたオマージュ作品を創ったら
 いったいどんな快作、
 いえ、怪作が生まれるのか?

 その答えが、この御本に収録されている短編5作品。

「かいじんッ、とうじょうゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:盗難の予告状!)
「こばやしくんもォ、とうじょうゥ!」

 活字マニアの皆さんは、
 チビっ子時代に読んだ明智探偵と少年探偵団の物語を
 懐かしく想い起こされるのではないでしょうか。

 なんということでしょう、とか、
 ~~だったのです、といった
 乱歩さん独特の語り口調。
 そしてまた、こちらも独特な、
 濃ゆ~いタッチの表紙画と装幀。
 学校の図書館でも目立っていましたね。

「にじゅうゥめんそうのォ、すがおをォ~」
「ぐるがるるっ!」(←訳:見てみたいっ!)

 世間を騒がす怪人20面相の素顔とは?

 御本冒頭の、万城目学さんの作品『永遠』に
 そのヒントが描かれているようです。

「こばやしくんのォかつやくもォ~」
「がる!」(←訳:必須!)

 湊かなえさんの『少女探偵団』は
 小林少年と仲間たちの、
 胸のすくような、という形容がぴったりの冒険譚。

 個人的な感想なのですけれど、
 『少女探偵団』、好きです!
 一般的な少年探偵・小林くんのイメージに
 いちばん近いのはこの作品なのでは?
 賢く、勇敢で(無鉄砲で?)、
 判断が素早く、運動神経がいい!

「うんどうしんけいィ、だいじでスゥ!」
「ぐっるがっるぐるるるるー!」(←訳:走って登って追いかけてー!)

 富豪が所有する宝石、
 怪人からの予告状(挑戦状?)、
 BDバッジ、
 明智探偵の決めポーズ、いえ、決定的推理。

 万人が喝采する《少年探偵団》が、ここにあります。

「あざやかァ、でスねッ!」
「がる~!」(←訳:拍手~!)

 小路幸也さんの『東京の探偵たち』、
 向井湘吾さんの『指数犬』、
 藤谷治さんの『解散二十面相』も、
 “らしさ”が光る怪作ですね。
 作家さんのファンの方々も
 乱歩さんのファンの方々も、
 必ずや、ニヤリ♪

「むッふッふゥ!」
「ぐるるっ♪」

 新たな《少年探偵団》シリーズは
 今後も刊行される予定のようです。
 コクのあり過ぎる表紙画の御本を書店さんで見かけたら
 皆さま、ぜひ一読を! 
 


 
コメント (3)
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