「こんにちわッ、テディちゃでス!
しゃりしゃりッ、すいかッ♪」
「がるる!ぐるるるー!」(←訳:虎です!夏の味だー!)
こんにちは、ネーさです。
よく冷やしたスイカの美味しさは格別ですね!
暑さで朦朧としていたアタマが少しシャッキリしたところで、
はい、本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!
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―― ヴィクトリア ――
著者はイーディス・シットウェルさん、原著は1935年に
日本語版は2015年3月に発行されました。
英語原題は『Victoria of England』、
題名からもお分かりのように、
ヴィクトリア女王(1819~1901)の伝記……
と言っていいのかどうか……。
「えッ? でんきィじゃないィのでスかッ?」
「ぐるるがるるぐるる?」(←訳:表紙に女王様いるよ?)
ええ、御本の表紙カバーにあるのは
80歳の折のヴィクトリア女王を描いた肖像画。
しかし、
御本の著者の、
イーディス・シットウェルさん(1887~1964)が、
ちょっとばかり曲者なのです。
シットウェルさんは、
ダービシャーに領地を有する准男爵を父に持ち、
母方の血筋もプランタジネット王朝以来の伯爵――
つまり、
完全に貴族階級出身の作家であり、詩人なのでした。
「ふァ~、それじゃァ~、きわめつけのォ~…」
「がるるる!」(←訳:お嬢さま!)
ええ、ですから、
上流社会・貴族階級の良いところも悪いところも、
シットウェルさんはよく解っていて、
また、うんざりもしているのです。
貴族なんて!と。
となると、必然的に、
その筆には《敬意》よりも
勝手知ったる身内の噂話をするような
《遊び》の色が濃くなります。
ヴィクトリア王女生誕、
教育と成長、
アルバート公との出会いと戴冠、
そして長い統治期間を描きながら、
決して、単なる“偉人伝”にはしない。
フィクショナルな描写、
推測、
伝記作品としては必要なかろう社会批判も
遠慮なく、はばかることなく、書入れます。
「だいなみッくゥ!」
「ぐるる!」(←訳:冒険家だ!)
シットウェルさんのそんな冒険的な試みは、
効果があった、と思われます。
例えば、ヴィクトリア女王の生涯の伴侶にして
最愛の夫であったアルバート公が
亡くなる場面から読み取れるのは、
明らかな過労死。
アルバート公は公務に殺されたのだという示唆です。
「ちょッとォ、びッくりィ!」
「がるぐるるがっるる!」(←訳:いや大いにびっくり!)
“公人”にならざるを得なかったひとりの女性と、
その家族たち縁戚たち。
女王を取り巻く政治家、軍人、桂冠詩人、
産業革命と国の繁栄、
数々の戦争――
現在の日本には、
敢えていうなら、
“とりたてて係わりのない”過去のひと、の伝記です。
地味で、
読まなくてもいい、
読んでも何の役にも立たない本であるとさえ
言えるかもしれません。
けれど、静かに目を通してゆけば
ひとつの世界が見えてくることも
有り得るでしょうか。
「えいぶんがくすきなァおかたにィ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:おすすめです!)
歴史好きな御方も、ぜひ♪
しゃりしゃりッ、すいかッ♪」
「がるる!ぐるるるー!」(←訳:虎です!夏の味だー!)
こんにちは、ネーさです。
よく冷やしたスイカの美味しさは格別ですね!
暑さで朦朧としていたアタマが少しシャッキリしたところで、
はい、本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

―― ヴィクトリア ――
著者はイーディス・シットウェルさん、原著は1935年に
日本語版は2015年3月に発行されました。
英語原題は『Victoria of England』、
題名からもお分かりのように、
ヴィクトリア女王(1819~1901)の伝記……
と言っていいのかどうか……。
「えッ? でんきィじゃないィのでスかッ?」
「ぐるるがるるぐるる?」(←訳:表紙に女王様いるよ?)
ええ、御本の表紙カバーにあるのは
80歳の折のヴィクトリア女王を描いた肖像画。
しかし、
御本の著者の、
イーディス・シットウェルさん(1887~1964)が、
ちょっとばかり曲者なのです。
シットウェルさんは、
ダービシャーに領地を有する准男爵を父に持ち、
母方の血筋もプランタジネット王朝以来の伯爵――
つまり、
完全に貴族階級出身の作家であり、詩人なのでした。
「ふァ~、それじゃァ~、きわめつけのォ~…」
「がるるる!」(←訳:お嬢さま!)
ええ、ですから、
上流社会・貴族階級の良いところも悪いところも、
シットウェルさんはよく解っていて、
また、うんざりもしているのです。
貴族なんて!と。
となると、必然的に、
その筆には《敬意》よりも
勝手知ったる身内の噂話をするような
《遊び》の色が濃くなります。
ヴィクトリア王女生誕、
教育と成長、
アルバート公との出会いと戴冠、
そして長い統治期間を描きながら、
決して、単なる“偉人伝”にはしない。
フィクショナルな描写、
推測、
伝記作品としては必要なかろう社会批判も
遠慮なく、はばかることなく、書入れます。
「だいなみッくゥ!」
「ぐるる!」(←訳:冒険家だ!)
シットウェルさんのそんな冒険的な試みは、
効果があった、と思われます。
例えば、ヴィクトリア女王の生涯の伴侶にして
最愛の夫であったアルバート公が
亡くなる場面から読み取れるのは、
明らかな過労死。
アルバート公は公務に殺されたのだという示唆です。
「ちょッとォ、びッくりィ!」
「がるぐるるがっるる!」(←訳:いや大いにびっくり!)
“公人”にならざるを得なかったひとりの女性と、
その家族たち縁戚たち。
女王を取り巻く政治家、軍人、桂冠詩人、
産業革命と国の繁栄、
数々の戦争――
現在の日本には、
敢えていうなら、
“とりたてて係わりのない”過去のひと、の伝記です。
地味で、
読まなくてもいい、
読んでも何の役にも立たない本であるとさえ
言えるかもしれません。
けれど、静かに目を通してゆけば
ひとつの世界が見えてくることも
有り得るでしょうか。
「えいぶんがくすきなァおかたにィ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:おすすめです!)
歴史好きな御方も、ぜひ♪