「こんにちわッ、テディちゃでス!
ながしぼしィ、くるでスかッ?」
「がるる!ぐるるるるるるがるる!」(←訳:虎です!ペルセウス座流星群!)
こんにちは、ネーさです。
横浜ではピカチュウちゃんたちが大量発生しているようですが、
流れ星もビュンビュン飛びまくってくれるのでしょうか?
夜空をじ~っと……見上げる前の準備体操に、
本日も読書タイムを、さあ、どうぞ~♪
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―― 鵺の家 ――
著者は廣嶋玲子(ひろしま・れいこ)さん、2015年6月に発行されました。
鵺(ぬえ)……
ふふふ、良い響きですねえ。
夏の怖い話にぴったりの、
モノノケっぽさを感じさせてくれる言葉です。
「こッ、こわいィおはなしッ??」
「ぐるがるるー!」(←訳:怪談ですかー!)
怪談、かというと、ちょっと違います。
ホラーとも違いますし、
御本の見返しには《時代ファンタジー》と紹介されていますけれど、
私ネーさ的には、
ゴシック・ロマンか、
はたまた『遠野物語』か、
乱歩さんの少年向け小説か――
時代は、維新から50年を経た頃。
或る地方に、
天繭(あままゆ)村と呼ばれる村がありました。
代々、村の領主をつとめてきたのは
天鵺(あまぬえ)家の一族。
「ううッ! やぱりィ、なまえがァ、こわいィでスゥ!」
「がるるぐるる……!」(←訳:不吉な予感が……!)
養蚕事業から得る巨大な利益で
富裕を誇る天鵺家。
その天鵺家が、
分家――親戚の家々にお触れを出しました。
天鵺家の跡取り、
総領息子の遊び相手となる娘を探している、と。
「むむゥ、おかねもちッぽいィでスねッ!」
「ぐるるがるー!」(←訳:上から目線ー!)
今年13歳になる、
茜(あかね)ちゃんの両親は
これを聞いて目の色を変えました。
天鵺家の援助があれば、
商売を拡張することも
借金を返すことも
帝都にいる息子たちの勉学を続けさせることも
不可能ではなくなる……!
茜よ、天鵺家に行っておくれ!
「えェ~、ちょッとォ、それェ~…」
「がるるるぐるる?」(←訳:ヤバそうだよう?)
優しい茜ちゃんは、両親の苦衷を察し、
天鵺屋敷を訪れます。
綺羅綺羅しい調度品、
舶来物の大時計、
彫刻やタペストリー、
珍しい獣の敷き皮や剥製。
財力をひしひしと感じさせる屋敷の廊下を進んでゆけば、
おりました、その少年が。
若君(わかぎみ)と呼ばれる、
天鵺鷹丸(たかまる)くん。
いや、しかし、ここには……
「なッ、なんでスかッ」
「ぐるるるっ!」(←訳:なんか怖っ!)
何かが、いる。
鷹丸くんだけではない、
茜ちゃんだけではない、
古く、怖ろしいものが、
この屋敷、この村に巣食っている。
「かッ、かえりましょうッ、あかねちゃんッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:お家へ戻ろう!)
父母と兄たちのことを思えば、
帰りたいなどと簡単には言えない。
若君をひとり残してゆくのも、心苦しい。
暗澹たる空気の屋敷で、
茜ちゃんの孤独な闘いが始まります――
「ちえとォ、ゆうきでェ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:何かが変わる!)
丹地陽子さんによる装画もすばらしく、
ページを開けば止まらなくなる
茜ちゃんと鷹丸くんの《冒険物語》、
フィクションの世界に浸りたい!という活字マニアさんに
激おすすめですよ。
ただ、主人公が少年少女だから、なのでしょうか、
この御本、児童文学にジャンル分けされているようです。
本屋さんによっては、
児童書のコーナーに置かれているかもしれませんので、
探してみてくださいね~♪
ながしぼしィ、くるでスかッ?」
「がるる!ぐるるるるるるがるる!」(←訳:虎です!ペルセウス座流星群!)
こんにちは、ネーさです。
横浜ではピカチュウちゃんたちが大量発生しているようですが、
流れ星もビュンビュン飛びまくってくれるのでしょうか?
夜空をじ~っと……見上げる前の準備体操に、
本日も読書タイムを、さあ、どうぞ~♪

―― 鵺の家 ――
著者は廣嶋玲子(ひろしま・れいこ)さん、2015年6月に発行されました。
鵺(ぬえ)……
ふふふ、良い響きですねえ。
夏の怖い話にぴったりの、
モノノケっぽさを感じさせてくれる言葉です。
「こッ、こわいィおはなしッ??」
「ぐるがるるー!」(←訳:怪談ですかー!)
怪談、かというと、ちょっと違います。
ホラーとも違いますし、
御本の見返しには《時代ファンタジー》と紹介されていますけれど、
私ネーさ的には、
ゴシック・ロマンか、
はたまた『遠野物語』か、
乱歩さんの少年向け小説か――
時代は、維新から50年を経た頃。
或る地方に、
天繭(あままゆ)村と呼ばれる村がありました。
代々、村の領主をつとめてきたのは
天鵺(あまぬえ)家の一族。
「ううッ! やぱりィ、なまえがァ、こわいィでスゥ!」
「がるるぐるる……!」(←訳:不吉な予感が……!)
養蚕事業から得る巨大な利益で
富裕を誇る天鵺家。
その天鵺家が、
分家――親戚の家々にお触れを出しました。
天鵺家の跡取り、
総領息子の遊び相手となる娘を探している、と。
「むむゥ、おかねもちッぽいィでスねッ!」
「ぐるるがるー!」(←訳:上から目線ー!)
今年13歳になる、
茜(あかね)ちゃんの両親は
これを聞いて目の色を変えました。
天鵺家の援助があれば、
商売を拡張することも
借金を返すことも
帝都にいる息子たちの勉学を続けさせることも
不可能ではなくなる……!
茜よ、天鵺家に行っておくれ!
「えェ~、ちょッとォ、それェ~…」
「がるるるぐるる?」(←訳:ヤバそうだよう?)
優しい茜ちゃんは、両親の苦衷を察し、
天鵺屋敷を訪れます。
綺羅綺羅しい調度品、
舶来物の大時計、
彫刻やタペストリー、
珍しい獣の敷き皮や剥製。
財力をひしひしと感じさせる屋敷の廊下を進んでゆけば、
おりました、その少年が。
若君(わかぎみ)と呼ばれる、
天鵺鷹丸(たかまる)くん。
いや、しかし、ここには……
「なッ、なんでスかッ」
「ぐるるるっ!」(←訳:なんか怖っ!)
何かが、いる。
鷹丸くんだけではない、
茜ちゃんだけではない、
古く、怖ろしいものが、
この屋敷、この村に巣食っている。
「かッ、かえりましょうッ、あかねちゃんッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:お家へ戻ろう!)
父母と兄たちのことを思えば、
帰りたいなどと簡単には言えない。
若君をひとり残してゆくのも、心苦しい。
暗澹たる空気の屋敷で、
茜ちゃんの孤独な闘いが始まります――
「ちえとォ、ゆうきでェ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:何かが変わる!)
丹地陽子さんによる装画もすばらしく、
ページを開けば止まらなくなる
茜ちゃんと鷹丸くんの《冒険物語》、
フィクションの世界に浸りたい!という活字マニアさんに
激おすすめですよ。
ただ、主人公が少年少女だから、なのでしょうか、
この御本、児童文学にジャンル分けされているようです。
本屋さんによっては、
児童書のコーナーに置かれているかもしれませんので、
探してみてくださいね~♪