テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

振り返れば、ズシン!と足音が。

2015-08-10 21:48:29 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 やッとォ、なつやすみィ~!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!大人も夏休み!)

 こんにちは、ネーさです。
 《お盆休み》週間がやってきました。
 待望のお休みだ!という御方、
 お盆週間も仕事よ!という御方も、
 ヒマを見つけては、さあ、読書タイム!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



             ―― 日本怪獣侵略伝 ――



 企画・キャラクター原案は寒川江弘さん、
 著者は収録順に、村井さだゆきさん、小中千昭さん、中野貴雄さん、會川昇さん、
 井口昇さん、上原正三さん、2015年4月に発行されました。
 『――ご当地怪獣異聞集――』と副題が付されています。

「ほぺッ? ごとうちィかいじゅうゥ~??」
「ぐるがるるっ」(←訳:ゆるキャラですかっ)

 いいじゃありませんか、都道府県や市町村ごとに
 公認や非公認のキャラクターちゃんたちが存在するのなら、
 怪獣さんたちに出身地があり、
 日本を元気にしてくれるご当地怪獣がいても。
 けれど、なぜいま怪獣なのか?というと――

 御本の冒頭には、
 企画者の寒川さんによる
 《今、日本に怪獣が足りない!》論が掲げられています。
 その一部をちょっと拝借させていただきましょう。

   書店に並ぶ怪獣の研究本、
   怪獣フィギュアなどは
   すべて過去の遺産の食いつぶしだ!
   日曜朝の番組にも怪獣は居ない。
   輸入品のKAIJUで君は満足か?

   新しい国産怪獣映画をもい待っていられない!
   ならフィギュアから先にドンドン作ってやれ!
   映画があってそこからフィギュアが作られる、
   その流れを逆にしてやれ!
   いつかそれが映画へと繋がるように……。

「わほうゥ! あつきィこころざしィでス!」
「がるるぐる!」(←訳:怪獣愛だね!)

   そんな想いから始まった『ご当地怪獣プロジェクト』。
   先ずは第一歩。
   フィギュアから小説に進化した!
   新しい国産怪獣誕生の瞬間を見逃すな!

 という経緯があり、
 この御本は編まれました。

 6人の作家さんによる6編の怪獣物語は、それぞれ、
 新潟県、東京都、大阪府、
 千葉県、神奈川県、沖縄県、
 を舞台にしています。

「かながわけんとォ、とうきょうとォ!」
「ぐっるがる!」(←訳:メッカだよ!)

 ええ、ゴジラの上陸以来、
 東京都と神奈川県は怪獣発生率で
 常に他道府県を一歩リードしてきました。

 けれど、東京と神奈川のお隣り、
 千葉県を忘れてはいけません。

 會川昇さん著『伝奇怪獣 バッケンドン登場』では、
 ゴジラよりも古くその起源をさかのぼる?
 とある怪獣が牙を剥くのです。

 すなわち、
 《南総怪異八犬獣》。

「はッけんでんッ? ッていうとォ?」
「がるぐるるー!」(←訳:馬琴さんだー!)

 江戸時代も煮詰まった文政四年(1821年)、
 ひそかに囁かれる噂がありました。

 近ごろ、巷で大評判の『八犬伝』を読んでは、
 安房国へ“八犬伝詣で”をする者の多いこと。
 しかし……

 “八犬伝詣で”をすると、
 無事に帰れない……?

 山中で、行方知れずになる……

 いや、怪獣に食われるのだそうな……

「ひょえええェッ!」
「ぐるがるるるる!」(←訳:それ有り得そう!)

 噂の真偽を確かめんと、安房国富山(とみさん)山中に分け入る、
 いわくありげな男たち。
 彼らがそこで目にしたものは――

「わうううゥッ、これはッ!」
「がるるぐるぐる!」(←訳:助けて馬琴先生!)

 古典と伝奇ミステリが混然となって怪異の雄叫びに揺れる
 秀逸な怪獣ファンタジー、
 時代小説好きな活字マニアさんにおすすめですよ♪
 
 いやー、他の作品も詳しく御紹介したいのですが、
 題名だけでネタばらしになっちゃいそうなものもあり、
 挿絵の愉しさについては、
 これはもう御自身の眼で見ていただかないとー!

「さしえッ、ちゅうもくゥでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:どれも超力作!)

 怪獣を愛する皆さま、
 ぜひ一読してくださいね~♪
 

コメント
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