テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

 渋さが光るアンソロジーは。 

2015-08-03 21:47:10 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あつさもォわすれるぅ、だいぶーむッ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!みんな夢中だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、本日の読書タイムで御紹介いたしますは、
 ホントに近頃すっごい人気!の或るモノをテーマにした
 こちらの作品です。
 マニアさんも初心者さんも、さあ、どうぞ~♪

  



               ―― 名刀伝 ――



 編者は細谷正充(ほそや・まさみつ)さん、2015年4月に発行されました。
 『傑作日本刀小説アンソロジー』と副題が付されたこの御本には、
 収録順に、
 浅田次郎さん、山本兼一さん、東郷隆さん、
 羽山信樹さん、津本陽さん、好村兼一さん、白石一郎さんの短編7作品と、
 中村彰彦さんのコラムも収められています。

「ぜェ~んぶゥ、てーまはァ~」
「ぐるる!」(←訳:日本刀!)

 はい、どれもこれも、
 日本刀にまつわる物語ばかり。

 けれど、どの作品も、
 ブームに媚びて書かれたものではないのです。
 時代小説好きな活字マニアさんは
 著者さんたちの名前を目にした時点で
 ニヤリ♪としたことでしょう。
 編者・細谷さんの好みも加味されているのか、
 実にシブ~いラインナップですよ。

 先ずは、浅田次郎さんの人気シリーズ《沙樓綺譚》より、
 『小鍛冶』。
 しかも、お話の幕開けの場は、
 東京国立博物館の刀剣展示室です。

「ふァいィ! しッてるでスゥ!」
「がるるぐっるる!」(←訳:国宝がいっぱい!)

 物語の語り手《私》が、
 展示されている名刀に見入っていると、
 声をかけられました。

 振り向けば、そこに立っているのは
 旧知の刀剣鑑定家。

 彼に誘われ、
 《私》は不思議な昔語りを聞くことになります。
 
 《小狐丸(こぎつねまる)》、という
 一口(ひとふり)の刀のものがたりを。

「ぞくぞくするゥおはなしィ、でス!」
「ぐるがっるるる!」(←訳:鬼気迫ってます!)

 浅田さんのこの作品、
 鎌倉~江戸初期の歴史と文化の知識を欠いては
 面白さ、奥行きが理解できません。
 
 また、《にっかり青江》という、
 なんとも奇妙な名を持つ太閤ゆかりの名刀を主役とする
 東郷隆さんの作品『にっかり』も、
 戦国時代末期の複雑な政情を知った上で読めば、
 ははぁ、なるほどね♪となります。

「ひとすじなわではァ、ゆかないィのがァ~」
「がるるぐる!」(←訳:刀剣の世界!)

 山本兼一さんの作品には《堀川国広》、
 羽山信樹さんの作品には《粟田口国吉》、
 津本陽さんの作品には《胴太貫正国》、
 好村兼一さんの作品には《和泉守兼定》、
 白石一郎さんの作品には《日本号》、
 と、名刀名槍が登場し、
 刀剣マニアさんの血を熱くさせること必定ですし、
 巻末の、編者・細谷さんによる解説は
 時代小説好きな方々を魅了するに違いありませんね♪

 ゲームを経て、
 刀剣や武具への興味を持った御方、
 もとから日本刀好きなんです!という御方も
 それぞれに楽しく読めるアンソロジー作品、
 ぜひ、手に取ってみてくださいな。

「しょしんしゃさんにもォ、じょうきゅうしゃさんにもォ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:おすすめです!) 
 
 

コメント
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