テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― あの日と、いま ―

2016-06-24 22:00:04 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス! 
 まだァ、びッくりがァつづいてまスよゥ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!まさか英国が!)

 こんにちは、ネーさです。
 英国のEU離脱か残留か国民投票の結果には
 驚きを通り越して呆然です……
 離脱するといっても実務に2年以上かかるそうですけど、
 ホントのホントに離脱しちゃうのかしら??
 政治と経済に溜め息させられた今日は、
 読書タイムも、がっちりヘヴィな
 ノンフィクション作品を、どうぞ~!
 
  



          ―― 福島第二原発の奇跡 ――



 著者は高嶋哲夫(たかしま・てつお)さん、2016年3月に発行されました。
 『震災の危機を乗り越えた者たち』と副題が付されています。

 福島県の原発施設、と聞いて、
 先ず、私たちの脳裏をよぎるのは、
 福島第一原発、なのですが。

「だいいちィだけじゃなかッたァ、のでスねッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:第二もある!)

 第一があれば、第二もある。

 そう、福島県には
 福島第二原発があるのです。

 けれど、福島第二原発が、
 TVや新聞等のメディアで報道されることは
 殆どありません。

 その理由は、
 福島第二原発は、“無事”だったから。

「ぶじィだとォ、にゅーすにィならないのッ??」
「がるるぐる!」(←訳:なんかヘン!)

 著者・高嶋さんは記しています。

 太平洋沿岸にそっては、
 青森から東通り(ひがしどおり)、女川(おながわ)、
 福島第二、福島第一、東海第二、と五つの原発が並んでいる。
 茨城県東海村と大洗町には日本原子力研究開発機構の
 複数の研究用原子炉がある。
 しかし、不幸にもメルトダウンを起こしたのは
 福島第一だけだった――

「なぜッ?」
「ぐるるる?」(←訳:どうして?)

 福島第二には、
 また他の原発施設も、
 大地震や津波の被害を受けなかった、という訳ではないのです。

 福島第二原発の建物も
 前代未聞の揺れに襲われました。
 津波からも、逃れられませんでした。

 それなのに、
 福島第一と同じ運命を辿ることは無かった――

 何故か?

 何が、道を分けたのか。

「ちいさなァ、ちがいィ?」
「がるるる?」(←訳:大きな差?)

 あの日、なにが起こったのか。

 第一章『緊迫の四日間』では
 地震当日とその直後の日々の混乱、
 非常事態を前にしての対応と対策を。
 第二章『次なる苦難 危機の去った後に』では 
 危機に立ち向かう人々の姿を。
 第三章『改革の息吹 改革の足音』では
 震災後の現実と、そして“未来”を。

 著者・高嶋さんは入念に
 ひとつひとつの事象を拾い上げてゆきます。
 悲しい、悲し過ぎるけれども、
 捨て置くことはできない、
 あの日以降の経緯を。

「つらいィでスゥ~…」
「ぐるるるるるるぅ~…」(←訳:やり切れないよぅ~…)

 実際は、“無事”どころではなかった、
 福島第二のドキュメント――

 ページを捲るのが、読むのがつらくなる、
 そんな御本でもあります。
 長引く震災の被害に今も苦しんでおられる方々には、
 ですから、読んで欲しいとはとても申せません。

 読む覚悟が整ったとき。
 見据える覚悟ができたとき。

 そのとき、どうか手に取ってみてください。
 祈りとともに。
 
 
 
 
コメント
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