テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

乙女ごころは、お江戸も、いまも。

2016-06-27 22:06:59 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おくッたでスよッげんきだまァ!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!行けイタリア!)

 こんにちは、ネーさです。
 EURO2016イタリア×スペイン戦に向けて元気玉を、
 えいやぁ~っ!と送った後は、
 さあ、皆の衆、読書タイムでござる。
 本日は、こちらの御本をば、どうぞ~♪
 
  



            ―― 牛姫の嫁入り ――



 著者は大山淳子(おおやま・じゅんこ)さん、2016年5月に発行されました。
 この季節、本屋さんの雑誌コーナーを見渡せば、
 盛夏を間近にしてのダイエット特集号が並んでおりますが、
 はい、女ゴコロは現代も、お江戸の昔も同じでございます。
 目指せ、ン㎏減!
 絞れ、ウエスト!

「ほぺッ? だいえッとォ、でスかッ??」
「ぐるるるがるる?」(←訳:お江戸の時代も?)

 もちろんですとも。
 流行のファッション、メイク、スキンケアのハウツー本が
 お江戸の時代にはけっこうな売れ行きを見せておりました。

 しかし、
 今回のダイエット、なかなかどうして、難物です。

「ならばァ、ひつようゥなのはァ~」
「がるるぐる!」(←訳:専門家さん!)

 そうですね、では、ここで
 ダイエットの専門家さんを御紹介いたしましょう。

 何処とも知れぬ忍びの里・『三日月村』所属、
 派遣忍びの、
 コウさ~ん!

「しッ、しのびッ???」
「っるぐる??」(←訳:って忍者??)

 特定の武家に隷従するのではなく、
 依頼があれば仕事を請け負う“派遣”型の忍者――
 それが『三日月村』の忍びたち。

 女忍びのコウさんは、
 『三日月村』きっての頭脳明晰・動作俊敏な忍びとして
 村内でも一目置かれている存在です。
 ついでに申しておきますと、
 忍者は頭脳も肉体も駆使するお仕事ですので、
 コウさんにはダイエットの必要など
 まったくありません。

「じゃあァ、いッたいィだれがッ?」
「がるるっるる?」(←訳:ダイエット中?)

 コウさん、
 相棒の忍者さんと一緒に或るお屋敷に夜襲を掛けました。
 その目的は、
 
 お屋敷の、お姫さまを盗み出す!!

 ……ことだったのですけれど。

「むむむッ! あれはッ??」
「ぐるるがるるっ??」(←訳:もしやあれがっ??)

 あれが。
 あれが、目当てのお姫さま、なのか……?

 コウさんが愕然とするのも無理からぬ緊急事態です。
 噂では、
 蝶よ花よと育てられているという、
 深窓の美少女……のはずのお姫さまが、
 えーと、その、こう言っては何ですけれど、
 ころっころ……?

「ふわわわァ~…」
「がるぅ~…」(←訳:あちゃ~…)

 優秀無類のコウさん、
 素早く奸計を、いえ、名案を思いつきます。

 ころっころなお姫様を盗み出すのは、到底ムリ。
 であれば、ころっころでなくしてしまえば、
 そこに道は拓ける!

 よし、ダイエットだ!

「……それはァ~」
「ぐるる~…」(←訳:ムズい~…)

 忍者の智慧と誇りを懸けて、
 コウさんのダイエット大作戦が始まります。

 いや、そもそも、
 お姫さまを盗み出せとは、誰からの依頼なのでしょうか?
 ダイエット大作戦を
 お姫さまの周囲の者たちはどう見ているのでしょう?
 そしてなにより、
 お姫さまの、こころのうちは……?

「おとめごころはァ、ふくざつゥなのでス!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:誰にも読めないよ!)

 心の動きさえ読めるかもしれませんよ、コウさんになら。
 お姫さまの、いえ、ひとりの人の、
 心に秘めた思いさえも。

 エンタな装いと趣向の時代小説、
 ですが、きりりと一本の芯が通っています。
 楽しいキャラクターが楽しく物語を引っ張るこの御本、
 ジメジメしがちな季節も
 カラっと明るく変えてくれますよ。
 皆さま、ぜひ、一読を~♪
 
 
コメント
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