テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

大家族は、ロマンである?

2016-06-12 22:01:32 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 やッたねッ、うぇーるずゥ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!意義ある1勝!)

 こんにちは、ネーさです。
 メジャーな大会に出場&得点するのは58年ぶり!のウェールズ、
 早くもEURO2016の台風の目となっていますよ。
 今夜はトルコ×クロアチア戦に注目しながら、
 さあ、読書タイムもしっかりと!
 本日は、こちらの小説作品を、どうぞ~♪

  



         ―― 恭一郎と七人の叔母 ――



 著者は小路幸也(しょうじ・ゆきや)さん、2016年3月に発行されました。
 『Kyoichiro and Seven Aunt』と英語題名が付されています。

 7人の叔母さん、
 叔母さんが七人、と聞いて、
 大概の人が思うであろうところは……

「おおすぎィませんかァ?」
「ぐるるる!」(←訳:大家族だ!)

 実はね、もっともっと“大”家族さんなんです、
 恭一郎くんのお家は。

 七人の叔母さんに加えて、
 母――恭一郎くんのお母さんがいます。

 祖母――お母さんのお母さんもいます。
 祖父――お母さんのお父さんもいて、となると、
 これはもう、すっごい大家族だわね。

「やぱりィ、おおすぎッ?」
「がるっるるるるぐる?」(←訳:家族っていうか一族?)

 物語の主人公といえる、
 更屋恭一郎(さらや・きょういちろう)くん。

 そして、恭一郎くんの母・さき子さんには、
 七人の妹さんがいます。

 つまり、さき子さんは
 更屋家の、八人姉妹の長女さん。

 恭一郎くんが生まれ少し前のこと、
 夫を事故で失くしたさき子さんは
 実家の更屋家に戻り、
 そこで恭一郎くんを育てる道を選びました。

「じゃァ~、うまれたときからァ~…」
「ぐるるがるるるぐるる!」(←訳:周りは叔母さんだらけ!)

 お母さんと、その妹さんたち。

 うわあ~女性ばっかに囲まれて、
 なんかめちゃくちゃややこしそうじゃん!
 と思うのは外側の者の考えで、
 当事者にとってはそうでもないのでしょう、
 恭一郎くんはごくごく自然に
 この女系大家族の中で成長してゆくのですが……

 いやいや、
 ごくごく自然、だと思っているのは
 更屋家の人びとだけで、
 外側から眺めれば相当スットンキョーな世界です。

 八人姉妹の父=恭一郎くんのお祖父ちゃんは、
 プレイボーイっていうべきかしら、
 なぜか、モテる。
 どうしてなのかモテちゃって、
 結果、家族が困るような事態も起きて。

「ふァ~…もてもてェ~…?」
「がるるるるるるぅ~…」(←訳:問題児さんかぁ~…)

 姉妹さんも、それぞれに個性があります。

 正統派美人さん、
 個性は美女さん、
 アーティスト志向さん、
 実業家肌さん、
 超マジメさん、などなど。

 これだけバラエティに富み過ぎている家族に囲まれては、
 恭一郎くんの精神状態が
 心配になりますけれども。

 恭一郎くん、いたって健全です。

「ほほゥ~??」
「ぐるるがる!」(←訳:珍しいかも!)

 健全な少年の目に映る、
 少々屈折しかかっている叔母さんたちの、
 そして母の、祖父母たちの生き方、
 敢えて言うなら
 “人生とのカタのつけ方”――

 それはもう、必然的に、
 花あり、嵐あり♪

「まきこまれるゥ~!」
「がっるぐっる!」(←訳:あっぷあっぷ!)

 《東京バンドワゴン》シリーズで
 大家族の描写は手慣れたもの、の著者・小路さん。
 ここでもまた、
 筆は軽快に更屋家の毎日を綴ります。
 かすかに、『細雪』へのオマージュを窺わせつつ……。

「ひとりッこさんはァ、びッくりィ!」
「ぐるるがっるぐっるる!」(←訳:核家族だってびっくり!)

 片山若子さんの可愛らしい表紙画・挿画にダマされた気分で、
 すったもんだの家族大河ロマンを
 皆さまもお楽しみくださいな♪
 とりわけ《東京バンドワゴン》ファンさんに、
 おすすめで~す!
 
 
 
コメント
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