テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

新人さんの、ひろいもの。

2016-07-03 22:07:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうはァ、すぽーつゥにゅーすゥ、どッさりィでしたでス!」
「がるる!ぐるるがるる~!」(←訳:虎です!みんな頑張れ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 錦織くんは勝ち上がったけれどジョコさんが敗退?
 EURO2016でイタリアは涙をのみ、
 ツール・ド・フランスでは優勝候補さんが落車で深手?
 朝からもうハラハラし通しの一日の読書タイムは
 疲れ切ったココロに活力をくれるこちらの御本を、
 さあ、どうぞ~!

  



         ―― スクープのたまご ――



 著者は大崎梢(おおさき・こずえ)さん、2016年4月に発行されました。
 『配達あかずきん』から始まる本屋さんを舞台にした作品で知られる
 著者・大崎さんが、ここで描いているのは……

 おお! いま大評判ですわね!
 週刊誌の世界ですよ~!

「しゅうかんしィ? というとォ~…」
「ぐるるがる?」(←訳:まさかあの??)

 ええ、そのまさかですとも。

 今年に入ってからは売れ行き好調、
 スクープも連発して、
 『センテンススプリング』とか
 『ニューウェーブ』とか呼ばれちゃったりしている、
 週刊誌というメディア。

 主人公の信田日向子(しのだ・ひなこ)さんは
 出版社の雑誌編集部に配属されたばかりの、
 新人さんなんです。

「じょせいィでェ、しんじんさんなのにィ??」
「がるるるぐるる!」(←訳:いきなり週刊誌!)

 超難関といわれる出版社に、
 みごと就職できた日向子さん。

 文芸の雄と名高い老舗出版社『千石(せんごく)社』の、
 PR誌の編集部が、
 日向子さんの配属先、だったのですけれども。

 誌面のレイアウト、企画の立て方、
 作家さんへの原稿依頼、デザイナーさんとの打ち合わせや、
 対談記事のテープ起こし、
 といった業務に慣れてきた頃になって。

 異動、ですって?

「むひゃあァ! おおごとォ、でスよゥ!」
「ぐるるがるるる……!」(←訳:しかも新部署が……!)

 社内でいちばん過酷。

 しかし、会社名を背負っているだけあって、
 発行部数も影響力も巨大な、
 『週刊千石』へ、
 日向子さんは移ることになったのでした。

 就業時間なんて、あるようでないようなもの。
 
 長時間の張り込み、
 足を棒にしての聞き込み、
 へとへとになる電話調査、
 苦情の受け付け。
 先輩デスクに命じられた雑務に、
 あたふたしながら取り組んでゆけば。

「はーどわーくゥ、なのでスゥ!」
「がるぐぅるるがるる!」(←訳:ご飯ちゃんと食べて!)

 御飯を食べそこねることもしばしばの、
 バタバタスケジュールにマ一に振り回されてばかり。

 最初は日向子さんも、
 やだなぁ、週刊誌なんて~、と
 思ってはいたんです。

 でも、やっぱりね、
 ひとつずつ、お仕事をこなすうち、
 興味も好奇心も湧いてきます。
 
 編集長や先輩たちは
 何をしようとしているんだろう?
 私は、週刊誌という名のチェスプレイヤーに操られる
 チェスの駒のひとつなのかな?

 だとしたら、
 このゲームの行く末は……?

「うむむゥ? じけんッでスかッ??」
「ぐるるる!」(←訳:特ダネだ!)

 新人週刊誌編集部員・日向子さんの、
 勇猛果敢でありつつ
 ほんわか&の~んびりでもある、
 初々しい《お仕事小説》、
 後半にかけては
 ミステリとサスペンスの色合いも
 小気味よいテンポで強まってゆきます。
 読んだら元気になれそう!なフィクション作品を
 お探しの方々に、おすすめですよ~♪

「ひなこおねえさんにィ、えーるゥ!」
「がるるぐるーる!」(←訳:拾おうスクープ!)
 
 
 
コメント
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