テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ワザあり、レジェンド漫才師!

2016-07-08 22:06:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスー!
 あらしろォおにいさんがァ、やりましたでス!」
「がるる!ぐるるるぅ!」(←訳:虎です!敢闘賞だぁ!)

 こんにちは、ネーさです!
 ツール・ド・フランス2016第6ステージで、
 新城幸也(あらしろ・ゆきや)さんが敢闘賞を獲得!!
 4年ぶり2度目の表彰台に立ちました!
 大腿骨骨折から完全復活、
 先日の落車のダメージをハネのける快挙に心よりのお祝いを!
 
「ぱちぱちぱちィ!」
「ぐるる~!」(←訳:大拍手~!)

 新城さんのおかげで気分上々の本日は、
 読書タイムも、チャレンジャー度満点の一冊を、
 さあ、どうぞ~♪

  



        ―― エンタツアチャコのぼくらは探偵 ――



 著者は上田賢一(うえだ・けんいち)さん、2016年5月に発行されました。
 森英二郎さんによる装画がとっても小粋な御本は、
 実在した《伝説の漫才師》さんたちをモデルにした
 ミステリ作品です。

 《エンタツアチャコ》――

 このコンビ名を御存知の方々は、
 はたしてどれくらいいるのかしら?

「むむゥ? テディちゃ、きいたことォないィでス!」
「がるるぐるるるるる!」(←訳:ボクも分かんないよ!)

 知らないのも無理はないのです。
 《エンタツアチャコ》さんは、
 横山エンタツさんと花菱アチャコさんによる漫才コンビで、
 1919年に一度、
 そして1930年に再度、コンビを組んで
 舞台に立ちました。

 その当時の漫才といえば、
 歌あり、踊りあり、三味線や、張り扇(はりせん)ありの
 演し物、だったのです。

 それを、エンタツアチャコさんは、
 くるるっと改革!

   歌も踊りも三味線もいらん、
   しゃべくりに徹したろう。
   ぼくらの武器は、しゃべくりや!

「あはァ! ちゃれんじゃーなのでス!」
「ぐるがる!」(←訳:冒険だね!)

 現代の漫才のスタイルを作り上げた芸能史上のレジェンド、
 それが、《エンタツアチャコ》さん。

 この物語は、
 しゃべくりを前面に押し立てて
 エンタツさんアチャコさんが改めてコンビを組もう!
 という、まさにそのとき――

「じけんッでスかァ??」
「がるぐるるるぅ!」(←訳:巻き込まれるぅ!)

 いえその、巻き込まれる、というよりも、
 進んで身を投じた、というべきでしょうか。

 アチャコさん、実は探偵小説好きの友人たちと
 《関西探偵倶楽部》を結成してしまうほどの
 ミステリマニアさんなのでした。

 倶楽部の面々は、
 明智小五郎さんやホームズさんにすっかり心酔し、
 《私立探偵》と名刺に刷り入れ、
 アマチュア探偵活動にいそしんでいるのです。

「まんざいしィさんッ、なのにィ~」
「ぐるがるるぅ~…」(←訳:探偵兼業かぁ~…)

 或る日、アマ探偵さんたちのもとに急報がありました。

 仲間の探偵さんが、
 警察に、いや、憲兵に連れていかれた?

「ええッ?? いッたいィ、どうしてッ??」
「がるぐるっ?」(←訳:なぜまたっ?)

 真相を探るアチャコさんたち。
 事件の背後にうごめく影は……?

 アマチュア探偵さんたちの躍動とともに描かれるのは、
 昭和5年前後の、関西の街、文化。
 とりわけ素晴らしいのは、
 アチャコさんエンタツさんたちの、はなし言葉!
 リズムがハジケる関西の話し言葉が
 本当に痛快で、ああ、楽しい!

「はくりょくゥありまス!」
「ぐるる!」(←訳:熱いね!)

 短編3作品から成る連作ミステリ、
 週末の読書タイムに激おすすめです。
 皆さま、ぜひ~♪
 
 
コメント
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