「こんにちわァ、テディちゃでス!
ざッぷゥ~んッ!」
「がるる!ぐぅるぐぅる~♪」(←訳:虎です!ちゃぷちゃぷ~♪)
こんにちは、ネーさです。
えーと、テディちゃと虎くんは水遊びを楽しんでおりますが、
カナヅチな私ネーさは、
暑~い《海の日》も、もちろん読書タイム!
本日は、さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/c1/cdc4594c55e354c3603a19e94b9d0cd6.jpg)
―― 短篇ベストコレクション 現代の小説2016 ――
編者は日本文藝家協会の皆さん、2016年6月に発行されました。
著者は収録順に、
朝倉かすみさん、大沢在昌さん、萩原浩さん、恩田陸さん、梶尾真治さん、
神田茜さん、北村薫さん、佐々木譲さん、高村薫さん、長岡弘樹さん、
新津きよみさん、藤井大洋さん、本城雅人さん、三浦しをんさん、
宮木あや子さん、両角長彦さん、という、
人気の16作家さんによる
《短篇》作品集です。
「たんぺんッ、なんでスけどォ~…」
「ぐるるぅ!」(←訳:濃いぞぅ!)
そうなんです。
短篇ですから、原稿用紙にすれば
そんなに長くはない、はず、なのですが。
読後感は、長編作品を上回るものがあって、
自然と考え込んでいまいます。
このお話の、この先は?
ハッピーエンドか、
それとも……?
「ぐいぐいィ、ひッぱられるゥ~!」
「がるぐるるる!」(←訳:磁石みたいだ!)
そんなふうに、
読み終えた後はしばし放心状態になってしまう、
印象深く、
そしてとびきり美しい作品の御紹介を
ちょっとだけ――
三浦しをんさん著『胡蝶』。
小説すばる5月号に発表されたこの作品は、
“夢”のおはなしです。
「ゆめッて、ゆめェでスかッ?」
「ぐるがるる?」(←訳:夜に見る夢?)
夢のお話といえば、
多くの活字マニアさんが思い浮かべることでしょう、
夏目漱石さんの『夢十夜』を。
こんな夢を見た。
という一文から始まる夢世界の彷徨は、
夏目さんの願望の影であったのかもしれませんが、
ここでは、もっと不確かな、
それでいて地に足がついた“夢”が登場します。
主人公の未千(みち)さんは、
たいそうなお祖母ちゃん子として育ちました。
両親は共働きで忙しく、
幼児の頃からずっと、
未千さんの面倒をみてくれたのは、お祖母ちゃん。
幼稚園の送り迎えにきてくれたのも、お祖母ちゃん。
お弁当を作ってくれたのも、お祖母ちゃん。
優しく物静かなお祖母ちゃんを、
小さな未千さんは大好きなんですけれども。
お祖母ちゃんの、すこし、他の人と異なるところは……
“夢”の話をするんです。
「どどッ、どんなッ??」
「がるるっ??」(←訳:怖い夢っ??)
お祖母ちゃんが見るのは、
小さな未千ちゃんには他愛のないような、
それでいて広い世界を感じさせてくれるものでした。
憧れ、畏れ、悲しみ、不穏――
未千ちゃんの知らない何か。
そう、知りたくても、
夢を見ない体質の未千ちゃんには
しりようもないこと。
「うむむゥ、ときどきィいまスねッ!」
「ぐるがるるるるぐっるる!」(←訳:夢も見ないほどぐっすり!)
体質なのか、
夢を見ても憶えていないのか。
そんな未千さんの身に変化が起こります。
大人になって、
故郷から東京に出てきて、
彼女は夢を見るようになりました。
お祖母ちゃんが見ていたであろう“夢”と同じような、
不思議な“夢”を……
「ふァ~、たいへんでスゥ!」
「がるるる!」(←訳:この夢は!)
読むうちに強く強く引き込まれる未千さんの“夢”。
“夢”は、彼女に何を見せ、
何を囁くのか。
「こわいィようなッ?」
「がるるぐるる?」(←訳:嬉しいような?)
まさに“夢に出て”きそうな、
“夢”の物語。
三浦さんのファンの方々は、もう必読の、
そして他にもワクワク&はらはらな作品がいっぱいの
贅沢な一冊ですよ♪
短篇マニアさんも、読み逃がしなく~!
ざッぷゥ~んッ!」
「がるる!ぐぅるぐぅる~♪」(←訳:虎です!ちゃぷちゃぷ~♪)
こんにちは、ネーさです。
えーと、テディちゃと虎くんは水遊びを楽しんでおりますが、
カナヅチな私ネーさは、
暑~い《海の日》も、もちろん読書タイム!
本日は、さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/c1/cdc4594c55e354c3603a19e94b9d0cd6.jpg)
―― 短篇ベストコレクション 現代の小説2016 ――
編者は日本文藝家協会の皆さん、2016年6月に発行されました。
著者は収録順に、
朝倉かすみさん、大沢在昌さん、萩原浩さん、恩田陸さん、梶尾真治さん、
神田茜さん、北村薫さん、佐々木譲さん、高村薫さん、長岡弘樹さん、
新津きよみさん、藤井大洋さん、本城雅人さん、三浦しをんさん、
宮木あや子さん、両角長彦さん、という、
人気の16作家さんによる
《短篇》作品集です。
「たんぺんッ、なんでスけどォ~…」
「ぐるるぅ!」(←訳:濃いぞぅ!)
そうなんです。
短篇ですから、原稿用紙にすれば
そんなに長くはない、はず、なのですが。
読後感は、長編作品を上回るものがあって、
自然と考え込んでいまいます。
このお話の、この先は?
ハッピーエンドか、
それとも……?
「ぐいぐいィ、ひッぱられるゥ~!」
「がるぐるるる!」(←訳:磁石みたいだ!)
そんなふうに、
読み終えた後はしばし放心状態になってしまう、
印象深く、
そしてとびきり美しい作品の御紹介を
ちょっとだけ――
三浦しをんさん著『胡蝶』。
小説すばる5月号に発表されたこの作品は、
“夢”のおはなしです。
「ゆめッて、ゆめェでスかッ?」
「ぐるがるる?」(←訳:夜に見る夢?)
夢のお話といえば、
多くの活字マニアさんが思い浮かべることでしょう、
夏目漱石さんの『夢十夜』を。
こんな夢を見た。
という一文から始まる夢世界の彷徨は、
夏目さんの願望の影であったのかもしれませんが、
ここでは、もっと不確かな、
それでいて地に足がついた“夢”が登場します。
主人公の未千(みち)さんは、
たいそうなお祖母ちゃん子として育ちました。
両親は共働きで忙しく、
幼児の頃からずっと、
未千さんの面倒をみてくれたのは、お祖母ちゃん。
幼稚園の送り迎えにきてくれたのも、お祖母ちゃん。
お弁当を作ってくれたのも、お祖母ちゃん。
優しく物静かなお祖母ちゃんを、
小さな未千さんは大好きなんですけれども。
お祖母ちゃんの、すこし、他の人と異なるところは……
“夢”の話をするんです。
「どどッ、どんなッ??」
「がるるっ??」(←訳:怖い夢っ??)
お祖母ちゃんが見るのは、
小さな未千ちゃんには他愛のないような、
それでいて広い世界を感じさせてくれるものでした。
憧れ、畏れ、悲しみ、不穏――
未千ちゃんの知らない何か。
そう、知りたくても、
夢を見ない体質の未千ちゃんには
しりようもないこと。
「うむむゥ、ときどきィいまスねッ!」
「ぐるがるるるるぐっるる!」(←訳:夢も見ないほどぐっすり!)
体質なのか、
夢を見ても憶えていないのか。
そんな未千さんの身に変化が起こります。
大人になって、
故郷から東京に出てきて、
彼女は夢を見るようになりました。
お祖母ちゃんが見ていたであろう“夢”と同じような、
不思議な“夢”を……
「ふァ~、たいへんでスゥ!」
「がるるる!」(←訳:この夢は!)
読むうちに強く強く引き込まれる未千さんの“夢”。
“夢”は、彼女に何を見せ、
何を囁くのか。
「こわいィようなッ?」
「がるるぐるる?」(←訳:嬉しいような?)
まさに“夢に出て”きそうな、
“夢”の物語。
三浦さんのファンの方々は、もう必読の、
そして他にもワクワク&はらはらな作品がいっぱいの
贅沢な一冊ですよ♪
短篇マニアさんも、読み逃がしなく~!