テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ちいさな、たからもの。

2016-07-11 22:07:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おめでとうゥございまスゥ!」
「がるる!ぐるるるるるぅ!」(←訳:虎です!ポルトガルだぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 EURO2016優勝杯をかっさらったのは、ポルトガル!
 フランス優勢と見ていた私ネーさ、
 勝負って分からないものね~と反省しながら、
 メゲずに今日も読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



       ―― にっぽん の かわいいタイル ――



 著者は加藤郁美(かとう・いくみ)さん、2016年5月に発行されました。
 『昭和レトロ・モザイク篇』と副題が付されています。

「ふァふゥ! これェ、たいるゥでスかッ?」
「ぐるるるっるぅ~!」(←訳:スタイリッシュ~!)

 御本の表紙写真を目にした方々は、
 おそらく、あらまぁ!と
 驚くことでしょう。

 これが、タイル?
 タイルって、こういうものだったかしら?

「まァるいィ~かたちィ!」
「がるぐるるるがる!」(←訳:色のバリエも凄い!)

 著者・加藤さんが、この御本で紹介しているタイルは、
 平たい四角形で、
 くすんだ冴えない色をしていて……というものとは
 まるで別次元にあるかのような、
 極上の装飾品としてのタイルです。

 御本冒頭のカラー図版からも
 一目瞭然なのですが、
 呆気に取られてしまうほどの形、色合い、デザイン性!

「これェ、ちょこれーとォ?」
「ぐっるるがーる?」(←訳:こっちはケーキ?)

 和洋のお菓子を想わせる、
 モザイクタイルを制作していたのは、
 昭和の時代の日本の、製陶会社さんです。

 岐阜県多治見市の郊外にある、
 笠原町。

 昭和30年代、笠原町で造られたタイルは
 日本はもとより、
 世界中へタイルを送り出していた、と
 加藤さんは述べています。

 最盛期の、国内シェアが80%、
 アメリカ、ドイツ、アジアへの出荷量も莫大なもので、
 貿易摩擦を引き起こすほどだった!

「ええッ? そんなにィ!」
「がーるるぐるる!」(←訳:ワールドクラス!)

 なぜ、笠原町のタイルにそんなことが――
 世界中でひっぱりダコにされる現象が起きたのでしょう?
 誰が、その現象を牽引した?
 笠原町を《タイルの町》にした?

「きーぱーそんッ、でスねッ!」
「ぐるるがるる?」(←訳:誰かがいたの?)

 そこには、ひとりの青年がおりました。

 山内逸三(やまうち・いつぞう)さん。

 1908年(明治41年)生まれの山内さんの功績を
 著者・加藤さんは本文の大部を費やし、
 つぶさに解説してゆきます。

 山内さんは、15歳で京都の国立陶磁器試験所に入所、
 当時の最新技術を学び、
 また開発してゆくことにも携わりました。

 美濃焼モザイクタイルを創製したのは
 23歳のとき、といいますから、
 早熟のアーティストさんだったのでしょうね。

「まちはァ、いッきにィ~!」
「がるるぐる!」(←訳:タイルの郷へ!)

 笠原町で生産された、
 見事としかいいようのない、美しいタイルたち。

 現在も作られているそのタイルたちの生産現場を
 著者・加藤さんは訪ねます。
 
 また、タイル芸術の集大成とも言える、
 昭和の名建築&内装も
 御本の後半に次々登場しますよ。

「ぎふけんにィ、ひょうごけんッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:愛知や神奈川!)

 著者・加藤さんの解説、
 タイルの名品を訪ねる旅も楽しいんですけど、
 とにかくもまず、
 御本を手に取って
 タイルを撮影した写真をご覧になってください。

 きれいだ!
 と溜め息したら、
 はい、貴方はもう、
 タイルの前を素通りできなくなりますよ。

「このタイルゥ、どこからァ、きたのかなッ?」
「がるるぐる?」(←訳:笠原町から?)

 アート好きさん、インテリア好きさんにもおすすめの
 傑作《タイル》見本帖、
 ノンフィクション好きな御方も、ぜひ!

 (なお、今秋には続巻も刊行予定だそうです♪)
 
 

 
 
コメント
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