「こんにちわァ、テディちゃでス!
きょうはァ、たなばたァでスよゥ~!」
「がるる!ぐるるがるがる~♪」(←訳:虎です!笹の葉さらさら~♪)
こんにちは、ネーさです。
EURO2016……4強で力尽きましたが、
小国ウェールズの健闘に心からの拍手を送りつつ、
七夕の今日も読書タイムとまいりましょう。
さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

―― カラヴァッジョ伝記集 ――
編訳者は石鍋真澄(いしなべ・ますみ)さん、2016年3月に発行されました。
『Caravaggio』と伊語題名が付されています。
先日は、宮下規久朗さん著『闇の美術史』を御紹介いたしました。
そして今回も、はい、しつこくですみません、
またもカラヴァッジョさんです。
「こまッたおじさんッ、でスねッ!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:破滅型芸術家さん!)
絵画史に於ける功績とは別に、
とかくアレコレ言われちゃうのが、
カラヴァッジョさんの“生き方”でしょう。
裁判沙汰、警察沙汰は日常茶飯事、
あっちでドカン、
こっちでドシン、と
喧嘩を売りまくっての、
悲劇的な最期……。
「でんせつのォ、わるいやつゥ?」
「がるるぐるるる!」(←訳:懲りてないよね!)
その《悪》の伝説は、
創られたモノ、なのでしょうか?
噂や伝聞がひとり歩きした挙句の、
一種の虚像なのかしら?
「しらべてェみないとォ!」
「ぐるがるる!」(←訳:昔の記録を!)
編訳者・石鍋さんがこの御本で取り上げたのは、
まさにその、昔の記録です。
カラヴァッジョさんこと、
ミケランジェロ・メリージさん(1571~1610)と、
ほぼ同時代人の、
ジュリオ・マンチーニさん(1559~1630)、
ジョヴァンニ・パリオーネさん(1566~1643)、
ジョヴァンニ・ピエトロ・ベッローリさん(1613~1696)、
カレル・ファン・マンデルさん(1548~1606)、
ヨアキム・フォン・ザンドラルトさん(1606~1688)、
フランチェスコ・スジンノ(1670頃~1730頃)
といった当時の画家さん・美術家の目には
どう捉えられ、評されていたのか。
世間は、どんなふうにカラヴァッジョさんを見ていたのか。
「そのころからァ、もうゥ!」
「がるぐる?」(←訳:悪評高し?)
そうなのよねえ……
1620年に書かれた『カラヴァッジョ伝』では、既に
《はなはだ常軌を逸した人物》であり、
1642年頃の『カラヴァッジョ伝』でも
《皮肉屋で尊大》な《自分の首を折》る男。
さらには、
《乱闘や口論を起こしやすい性格》、
《野蛮で乱暴》と言われ、
それでいて、
《芸術のために大きな貢献をした》
《彼の描く肖像画は他の画家の歴史画より高く取引された》
という、賞賛の声もあり、と……
「やぱりィ、むちゃくちゃッ!」
「ぐっるがる~…」(←訳:困った人だ~…)
しかし。
編訳者・石鍋さんは、
御本後半の『カラヴァッジョの真実』で、
新しい観方を提案しています。
彼は、変わり者で
激しやすかったかもしれない、
敵に対しては。
けれど、後援してくれるものに対しては従順で、
親しい仲間に対しては審議を守る、
つまり、
古い伝統的な価値観に生きた人だった――
「こふうゥ??」
「がるるぅ~…」(←訳:そうかぁ~…)
御本の冒頭には、
モノクロではありますが、
カラヴァッジョさんの作品が多数掲載されています。
それらを眺めて思うのは、
ああ、この人は平和を描かなかったのだなぁ、と
しんみりさせられます。
穏やか、という言葉が似合う画は、一枚もない……。
「もしィ、えがいてェいたらァ?」
「ぐるるがっるぐる?」(←訳:どんなだったかな?)
はるか昔の《声》が響く労作、
アート好きさんにおすすめです。
中世史マニアさんも、ぜひ!
きょうはァ、たなばたァでスよゥ~!」
「がるる!ぐるるがるがる~♪」(←訳:虎です!笹の葉さらさら~♪)
こんにちは、ネーさです。
EURO2016……4強で力尽きましたが、
小国ウェールズの健闘に心からの拍手を送りつつ、
七夕の今日も読書タイムとまいりましょう。
さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

―― カラヴァッジョ伝記集 ――
編訳者は石鍋真澄(いしなべ・ますみ)さん、2016年3月に発行されました。
『Caravaggio』と伊語題名が付されています。
先日は、宮下規久朗さん著『闇の美術史』を御紹介いたしました。
そして今回も、はい、しつこくですみません、
またもカラヴァッジョさんです。
「こまッたおじさんッ、でスねッ!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:破滅型芸術家さん!)
絵画史に於ける功績とは別に、
とかくアレコレ言われちゃうのが、
カラヴァッジョさんの“生き方”でしょう。
裁判沙汰、警察沙汰は日常茶飯事、
あっちでドカン、
こっちでドシン、と
喧嘩を売りまくっての、
悲劇的な最期……。
「でんせつのォ、わるいやつゥ?」
「がるるぐるるる!」(←訳:懲りてないよね!)
その《悪》の伝説は、
創られたモノ、なのでしょうか?
噂や伝聞がひとり歩きした挙句の、
一種の虚像なのかしら?
「しらべてェみないとォ!」
「ぐるがるる!」(←訳:昔の記録を!)
編訳者・石鍋さんがこの御本で取り上げたのは、
まさにその、昔の記録です。
カラヴァッジョさんこと、
ミケランジェロ・メリージさん(1571~1610)と、
ほぼ同時代人の、
ジュリオ・マンチーニさん(1559~1630)、
ジョヴァンニ・パリオーネさん(1566~1643)、
ジョヴァンニ・ピエトロ・ベッローリさん(1613~1696)、
カレル・ファン・マンデルさん(1548~1606)、
ヨアキム・フォン・ザンドラルトさん(1606~1688)、
フランチェスコ・スジンノ(1670頃~1730頃)
といった当時の画家さん・美術家の目には
どう捉えられ、評されていたのか。
世間は、どんなふうにカラヴァッジョさんを見ていたのか。
「そのころからァ、もうゥ!」
「がるぐる?」(←訳:悪評高し?)
そうなのよねえ……
1620年に書かれた『カラヴァッジョ伝』では、既に
《はなはだ常軌を逸した人物》であり、
1642年頃の『カラヴァッジョ伝』でも
《皮肉屋で尊大》な《自分の首を折》る男。
さらには、
《乱闘や口論を起こしやすい性格》、
《野蛮で乱暴》と言われ、
それでいて、
《芸術のために大きな貢献をした》
《彼の描く肖像画は他の画家の歴史画より高く取引された》
という、賞賛の声もあり、と……
「やぱりィ、むちゃくちゃッ!」
「ぐっるがる~…」(←訳:困った人だ~…)
しかし。
編訳者・石鍋さんは、
御本後半の『カラヴァッジョの真実』で、
新しい観方を提案しています。
彼は、変わり者で
激しやすかったかもしれない、
敵に対しては。
けれど、後援してくれるものに対しては従順で、
親しい仲間に対しては審議を守る、
つまり、
古い伝統的な価値観に生きた人だった――
「こふうゥ??」
「がるるぅ~…」(←訳:そうかぁ~…)
御本の冒頭には、
モノクロではありますが、
カラヴァッジョさんの作品が多数掲載されています。
それらを眺めて思うのは、
ああ、この人は平和を描かなかったのだなぁ、と
しんみりさせられます。
穏やか、という言葉が似合う画は、一枚もない……。
「もしィ、えがいてェいたらァ?」
「ぐるるがっるぐる?」(←訳:どんなだったかな?)
はるか昔の《声》が響く労作、
アート好きさんにおすすめです。
中世史マニアさんも、ぜひ!