テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ココロの乗りもの。

2016-07-17 22:10:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 れんきゅゥ~でスゥ!」
「がるる!ぐるるるがるぅ!」(←訳:虎です!SALEですぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、三連休&夏物セール真っ只中の日曜日は、
 読書タイムも大物狙いで行きましょう!
 さあ、本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



             ―― 代体 ――



 著者は山田宗樹(やまだ・むねき)さん、2016年5月に発行されました。
 『代体』と書いて『だいたい』と読みますが……

「むうゥ? ききおぼえェ、ないィでスよゥ?」
「ぐるがるぅ?」(←訳:新語かなぁ?)

 代体。
 それは新語というよりも
 造語というべきでしょうか。

 代体とは、
 車を修理に出せば、
 メーカーさんが代車を用意してくれるように、
 人体に修理は必要な場合――
 つまり、
 長期入院が必要な大怪我をしたり
 難しい病気の治療が必要になったとき、
 病院が用意してくれる
 “代理”用の身体を指します。

「ええッ?? そんなことォ、できちゃうゥのォ??」
「がるるー!」(←訳:初耳だー!)

 もちろん、そんなこと出来ません。

 この物語は、フィクションです。
 物語の舞台は、近未来の日本です。
 代体という技術は、架空のもので、
 この現実世界には存在していない、んですけど。

 まるで、明日か明後日には実現しそうな、
 いえ、もしやどこかで既に実行されているんじゃないか、と
 読み進むうちに思えてくるのです。

「りありずむゥ、でスねッ?」
「ぐるるがる!」(←訳:リアルSF!)

 画期的な技術、代体。

 しかし、代体は、
 不老不死とか、
 永遠の生命と同等のものではありません。

 機能しない身体から、
 意識だけを一時的に
 代体に移行させておく。
 その間に、人体の方の怪我や病気を治療する。

 人体が健全な状態に快復したら、
 代体から人体に意識を戻して、
 はい、治療は完了。

「ふァ~! べんりィでスゥ!」
「がるぐるるるる!」(←訳:高価そうだけど!)

 高額な治療法で、
 健康保険も利かなくて、
 セラミックの骨格と人工筋肉で造られた代体は、
 まだまだ改善の余地があります。

 その点を、病院のお医者さんたち、
 代体メーカーの技術者さんたちはよく分かっていて、
 日々、改良を重ねてはいますが。

 ……今回のようなアクシデントの場合、
 どうすればいいんでしょう?

「なにごとォ、でスかッ?」
「ぐるっ??」(←訳:事件っ??)

 ひとつの代体が、姿を消した――

 代体メーカーの営業部員・八田輝明(はった・てるあき)さんは
 そう報されて驚愕します。

 その代体は、稼働中。
 ヒトの意識を乗せた状態で
 行方不明になってしまったのですから。

「ひゃああァ! さがさないとォ!」
「がるる~!ぐる~!」(←訳:急いで~!早く~!)

 代体のエネルギーには限度がある。

 最長でも31日間しか保たない。

 代体に移されている意識の持ち主は
 そのことをよく知っているはずなのに、
 なぜ、姿を消した?
 どこに行った?

 疑問に、疑惑に、
 八田さんは振り回されます。

 代体というモノの、技術の、
 奥底に隠されているのは――?

「えすえふゥだしィ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:ミステリだし!)

 2016年前半期のSF作品としては、
 おそらBEST!な激おすすめの一冊です。
 休日の読書タイムに、
 皆さま、ぜひ~!

 
 
 
コメント
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