テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《ものがたり》の源流へ!

2016-07-31 22:11:12 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 きょうもォ、いたりあァ~つながりィ?」
「がるる!ぐるるるがる?」(←訳:虎です!イタリア小咄?)

 こんにちは、ネーさです。
 前回記事では伊ルネサンスの巨匠ミケランジェロさんの展覧会を
 御紹介いたしましたが、
 本日の読書タイムは、
 文学版ルネサンスの巨匠さんの作品に登場いただきましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



           ―― 愉しき夜 ――



 著者はジョナン・フランチェスコ・ストラパローラさん、
 画像の日本語版は2016年6月に発行されました。
 伊語原題は『La piacevoli notti』、
 『ヨーロッパ最古の昔話集』と日本語副題が付されています。

「よーろッぱでェ、いちばんッふるいィ~?」
「ぐるっるがるるるる?」(←訳:古いってどれくらい?)

 著者のストラパローラさんは、
 ルネサンス期のイタリアの作家・詩人さんです。
 生没年ははっきりしていなくて、
 1557年頃に亡くなったとされています。

 代表作である
 短篇物語集『愉しき夜』(第1巻1550年、第2巻1553年)は
 16~17世紀に渡って版を重ね、
 フランス語他に翻訳もされました。

 ですから、
 シャルル・ペローさんの物語集(1695年)よりも、
 ヤーコプ・グリムさん&ヴィルヘルム・グリムさんによる
 グリム童話(1812年)よりも、
 ぐーんと古いわけですね。

 ていうか、
 ペローさんやグリム兄弟さんのお話の中には、

 これストラパローラさんのお話を
 モデルにしたでしょー?
 というものが少なくありません。

「いたりあァからァ、よーろッぱァにィ~」
「がるっるるるる!」(←訳:広まったんだね!)

 この御本には、
 おそらく親が子どもに夜ごと語って聞かせた昔話が、
 第一夜第二話、第二夜第四話……というように、
 26話の物語が収められています。

「むッ? これはァ??」
「ぐるるがるぐるるるっ?」(←訳:聞いたことあるかもっ?)

 魔法使いと、お弟子さんのお話。

 勇ましい?竜退治のお話。

 猫が機智を駆使して
 主人をお城の主にするお話は――

「あはァ! ながぐつゥ!」
「がるるぐるるがるる!」(←訳:長靴をはいたネコだ!)

 私ネーさが感心させられたのは
 『美しい緑の鳥』というお話です。

 どんぶらこ、と川を流れてきた箱に入っていたのは、
 たいそう美しい子どもたちで、

「それはァ、もちろんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:王子か王女!)

 王子と王女の行方不明を嘆く王さまがいて、

「やぱりィ!」
「がるる!」(←訳:だよね!)

 王さまのお母さんの、王太后さまっていうのが、
 そりゃもう腹黒い人でね、

「いじわるゥおばさんッ!」
「ぐるぐる!」(←訳:いるいる!)

 魔法のアイテムや、
 言葉をしゃべる動物、
 二転三転のサスペンスフルな終幕!

 あらゆる御伽話のエッセンスが凝縮されているかのような、
 この『美しい緑の鳥』、
 映像化してみたいものですね♪

「みごたえェ、ありそうゥでス!」
「がるるぐるる!」(←訳:特撮も使おう!)

 想像力をフル稼働させて、
 大人にこそ読んでもらいたい《昔話》。

 こーんなにも文学史的に重要な作品が、
 なぜか、日本できちんと訳出されたことはありませんでした。
 ようやくこうして刊行の運びとなったのは
 訳者・長野徹さんの武勲、いえ、文勲です!
 《昔話》で育ってきた活字マニアの皆さま、
 ぜひ一読して著者さん&訳者さんに拍手を~♪
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする