テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 名作が生まれるとき ~

2021-04-02 23:42:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さくらのォつぎはァ~ぼたんッ!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!豪華絢爛~!)

 こんにちは、ネーさです。
 暖かな気候のせいか、
 東京近郊では牡丹のお花も見頃となりました。
 牡丹の次はバラかなぁ?
 それともツツジかな?と楽しみにしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
       ―― 文豪誕生 ――


 
 著者は、芥川龍之介さん、太宰治さん、
 織田作之助さん、坂口安吾さん、中島敦さん、
 江戸川乱歩さん、谷崎潤一郎さん、
 2021年2月に発行されました。

「はじめのォ、いッぽォ!」
「ぐるぅーるがる!」(←訳:デビュー作だよ!)

 20世紀日本文学に於いて、
 《文豪》と讃えられる
 7人の作家さんたち。

 彼らはどのようにして、
 どんな作品で、
 文壇に登場したのか。

 この御本では、
 デビュー作と出世作、
 名声を得るまでの道のり、
 略伝やエピソード、
 ゆかりの地などが、
 作家さんごとに解説されています。

 収録順に作家さんと作品名を
 ご紹介してゆきますと――

 Ⅰの芥川龍之介さんは
 『老年』『鼻』。

 Ⅱの太宰治さんは
 『列車』『逆行』。

 Ⅲの織田作之助さんは『雨』。

 Ⅳの坂口安吾さんは『木枯の酒倉から』。

 Ⅴの中島敦さんは
 『山月記』『文字禍』。

 Ⅵの江戸川乱歩さんは『二銭銅貨』。

 Ⅶの谷崎潤一郎さんは『刺青』。

「ふわゥ! どれもォめいさくゥ~なのでス!」
「がるるぐるるる~!」(←訳:山月記だい好き~!)

 ええ、もう、
 全作品について
 た~っぷりお喋りしたいところですけれど、
 ミステリファンとしましては、
 ここはやはり、
 江戸川乱歩さんの作品に御注目いただきましょう♫

 江戸川乱歩さん――
 本名は平井太郎さん(1894~1965)。

 特に作家になろうとは思わず、
 早稲田大学を卒業後は、
 貿易会社、造船所、
 古本屋さんに探偵と、
 さまざまな職業を経て、
 失業時代に一念発起!

「いよいよォ、たんていィしょうせつゥ!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:書く時がきた!)

 デビュー作となった
 『二銭銅貨』は
 1923年の
 『新青年』4月特大号に掲載されました。

 物語は、
 書き手である《私》と友人の
 他愛ない会話から始まります。

  ――あの泥棒が羨しい――

 友人と《私》は、すこぶる貧乏。

 いま世間で大いに話題の、
 窃盗犯の隠し金が手に入ったらなあ、と
 溜め息をついたりしています。

 そう、
 大金を盗んだ泥棒が
 警察に捕縛されはしたけれど、
 肝心のお金の所在が
 まったく分かりません。

「どこにィ、かくしたんだろゥ??」
「がるるるるる~…?」(←訳:もしかしたら~…?)

 煙草を買ったおつりの、
 二銭銅貨。

 もしや、これが
 消えた大金の手掛かり、なのか……?

「うふふゥ!」
「ぐるるぅ!」

 乱歩さんが読み手に突きつける
 《絵解き》や如何に。

 短編好きな活字マニアさんに
 おすすめのこの御本、
 あらためて申すまでもありませんが、
 本当に名作揃いです。
 明治・大正・昭和の時代に
 思い馳せつつ、
 ぜひ、手に取ってみてくださいな♪
 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする