テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 稜線の白と黒 ~

2021-04-15 23:47:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わくわくのォ、かまくらッ?」
「がるるぐるがる~!」(←訳:虎です!期待倍増~!)

 こんにちは、ネーさです。
 2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、
 さらなるキャスト発表が行われて
 新垣結衣さんが大河初参加!
 衣装はどういう感じなのかなぁ♪と、
 想像の翼を広げながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!
 
  


 
      ―― デス・ゾーン ――



 著者は河野啓(こうの・さとし)さん、
 2020年11月に発行されました。
 『栗城史多のエベレスト劇場』と
 副題が付されています。

「ふァ? えべれすとでェ?」
「ぐるぅ~??」(←訳:劇場ぅ~??)

 世界最高峰エベレスト(チョモランマ)。
 
 数え切れぬ登山家さんたちが挑んでは、
 或る者は成功して快哉を叫び、
 また
 或る者は拒まれて涙を流す――
 
 いまも昔も
 ひとを魅了してやまぬその山稜で、
 2018年5月21日、
 ひとりの日本人男性が
 生命を落としました。

 栗城史多(くりき・のぶかず)さん。
 
「あらすかァ、なんきょくゥ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:ロシアやアフリカ!)

 若くして世界の名峰難峰を
 次々と攻略、
 踏破してゆく栗城さんに寄せられたのは、
 賞賛の声……だけではありませんでした。

 ”山よりもビジネスの才能の方があった”

 そう評されるほど
 登山資金集めに長け、
 メディアへの出演も厭わなかったことから、
 栗城さんの周囲には、
 まさに賛否両論……
 さまざまな意見が渦巻いたのです。

「それでもォ、やめずにィ~」
「ぐるがるる?」(←訳:登り続ける?)

 若くしてキャリアを築いて
 順風満帆、のように見えた栗城さんでしたが、
 無傷だったわけではなく、
 凍傷で9本の指を失っていました。

 登山家として致命的ともいえる
 そんな状態であっても、
 なぜ、
 エベレストに挑み続けるのか。

 なぜ、
 登れるはずのない最難関ルートへ向かったのか。

 その死は、
 本当に事故であったのだろうか――

 かつて栗城さんに取材した経験を持つ
 著者・河野さんは考えます。

 彼は……何者だったのだろう?

「そのォこたえはァ~…」
「がるぐる?」(←訳:氷の峰に?)

 この御本では、
 登山家・栗城さん、
 友人知人さんたちから見た栗城さん、
 メディア上での栗城さん、と
 複雑な人物像が描かれ、交錯します。

 その中の、
 はたしてどの顔が本物なのか……
 いえそれとも、
 未だ誰も栗城さんの真の顔を知らない、のか?

 第18回開講兼ノンフィクション大賞を受賞した
 気鋭の長編作品は、
 ノンフィクション好きな活字マニアさんに
 おすすめの一冊ですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね。
 
 
  
コメント
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