テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 今もなお、明日もなお ~

2021-04-23 23:35:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うちあげェ、せいこうゥでスゥ!」
「がるる!ぐるーるるるる!」(←訳:虎です!行けクルードラゴン!)

 こんにちは、ネーさです。
 3度目の緊急事態宣言で
 落ち込む私たちを力付けてくれるかのように、
 クルードラゴンは打ち上げ成功!
 星出彰彦さんは宇宙ステーションへと飛び立ちました。
 日本の、そして世界各国の
 宇宙飛行士さんたちの無事を祈りつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


  
    ―― 世界の児童文学をめぐる旅 ――



 著者は池田正孝(いけだ・まさよし)さん、
 2020年11月に発行されました。

 40年以上にわたって
 海外児童文学の舞台となった場所を訪れ、
 ゆかりの風物、風景を写真に収める――
 ふうぅ、
 想像するだけでも圧倒されますが、
 ページを捲る度に
 ますます圧倒されます。
 なんという偉業!

「めぐりィ~めぐるゥはァ~…」
「ぐるるがるる!」(←訳:異国のお屋敷!)

 この御本で取り上げられている児童文学作品は、
 
 『ピーターラビットのおはなし』
 『ツバメ号とアマゾン郷』
 『クマのプーさん』
 『不思議の国のアリス』
 『思い出のマーニー』

 などの英国の作家さんによる作品を中心に、
 北欧を舞台にした作品として、

 『ニルスの不思議な旅』
 アンデルセンさんの著作、
 アストリッド・リンドグレーンさんの著作、
 
 フランス・スイスを舞台にした作品として、

 『星の王子さま』
 『ハイジ』

 も含まれています。

「まいえんふぇるとォ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:アルムのお山だ!)

 しかしながら、
 著者・池田さんの
 特別な思い入れが感じられるのは、
 本文144ページの
 『ドリトル先生航海記』
 でしょうか。

 動物の言葉を話せるお医者さん、
 ドリトル先生。

 英国西部、
 ”沼のほとりのパドルビー”に暮らす
 ドリトル先生の物語が
 雑誌『少年倶楽部』に連載されたのは
 池田さんの少年時代……
 小学校3年生のときでした。

「たちまちィ、とりこにィ!」
「ぐるがる!」(←訳:夢中です!)

 『ドリトル先生船の旅』と題された作品が
 『少年倶楽部』に毎月掲載されたのは、
 太平洋戦争勃発前後であった、とか。

 ”敵国”である英国の小説が、
 軍国主義下の日本で
 2年間も連載されていたなんて、
 おそらく複雑な攻防があったにせよ、
 驚くべきことでした。

 小学生の池田さんに強烈な印象を与えた
 《ドリトル先生》の物語は、
 大人になった池田さんの
 人生の指針ともなります、が……。

「ぶたいィはァ、どこォでスかァ?」
「がるるぐるがる?」(←訳:架空の土地なの?)

 舞台であるパドルビーは架空の町か……と、
 諦めかけていたところへ。

 生物学者・福岡伸一さんの紀行文を読み、
 池田さんは飛び上がります。

 パドルビーのモデルは、
 英国の港湾都市ブリストル!?!

「ほほゥ?」
「ぐるるるる?」(←訳:そうなんだ?)

 ブリストルなら、よく知ってる!
 40年前、ブリストル大学に
 半年ほど滞在してたんだから!

 と、思いも新たに
 ブリストルを再訪する池田さん。

 はたして、
 再開発工事完了後のブリストルに
 パドルビーの面影を
 見出せるのでしょうか……?

「なつかしのォ、みなとまちィ!」
「がるぐる!」(←訳:潮の香り!)

 池田さんが活写する
 『秘密の花園』
 『たのしい川べ』
 『ライオンと魔女』……
 いまも物語が息づく町の、森の、
 美しさや如何ばかりか。

 児童文学とともに過ごした日々を
 今も記憶している活字マニアさんに
 激おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♪


 なお、現在『朝日新聞』朝刊に
 『福岡伸一の新・ドリトル先生物語
  ドリトル先生 ガラパゴスを救う』
 が連載されています。
 ドリトル先生ファンの方々は
 『朝日新聞デジタル』で
 公開されているはずですので、
 チェックしてみてくださいな♫
 
 
 
 
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