テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 魔法使い、ミスる? ~

2021-04-27 23:38:27 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こよいィはァ、ぴんくゥ~♪」
「がるる!ぐるるるーるがる!」(←訳:虎です!ピンクムーンだよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 4月の満月はピンクムーン!
 ということで、
 本日の読書タイムは、
 月の光に招かれたかのような
 美しくも妖しいこちらの御本を、どうぞ~♫

  


 
     ―― 魔法使いの弟子 ――



 著者はヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテさん、
 2021年3月に発行されました。
 『Der Zauberlehrling』と独語題名が、
 『ゲーテ ショートセレクション』と
 日本語副題が付されています。

 《世界ショートセレクション》シリーズの第17巻は、
 ドイツの文豪ゲーテさん(1749~1832)の
 名作短編9作品から構成されていて――

「むむむッ! きいたことォありまスゥ!」
「ぐるがるるるるぐる!」(←訳:いや見たことがある!)

 ええ、そうですね、
 『魔法使いの弟子』……って、
 なんか聞いたことある!という御方、
 あら私は見たことあるわよ!という方々も
 多いのではないでしょうか。

 その“犯人”は、
 いえその、“原因“は、
 ディズニー映画
 『ファンタジア』(1940年公開)。

 フランスの作曲家
 ポール・デュカスさん(1865~1935)による
 『魔法使いの弟子』(1897年初演)に合わせ、
 ミッキー《お弟子》マウスくんが
 繰り広げるのは。

「だいィ~しッぱいィ!」
「がるるるるる!」(←訳:ミスりました!)

 デュカスさんの代表作であり、
 ミッキー・マウスくんの代表作でもある
 『魔法使いの弟子』の原作者さんが、
 つまり、
 ゲーテさん、なんですね。

 この作品は、
 小説ではなく、
 物語詩(バラード)形式で著されています。

 幕開けは、
 ディズニーさんが描いたように……

「おししょうさまァのォ、おでかけェ~!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:おいらは留守番!)

 或る日のこと。

 余人には委ねられぬ
 重要な用事があったのでしょう、
 魔法使いのお師匠さまは、
 弟子を残して
 外出してしまいます。

 留守番を命じられたお弟子さんは、
 に~んまり♪

 お師匠さまがいない――
 ああ、なんたる自由!
 なんたる喜び!

 いつもは触らせてもくれない
 お師匠さまの精霊だって
 今日は
 おいらの思いどおり♪

 お師匠様が唱えてた呪文も
 ちゃんと憶えてるし、
 魔術に用いる道具も
 使い放題♪

「やッたるぜィ!」
「がるるる!」(←訳:いでよ水!)

 水をあやつり、
 箒をあやつり、
 まんまと
 水槽を満たすほどの水くみをさせて、
 ゴキゲンなお弟子さんでしたが。

「とまれェ~!」
「ぐるっるぅ!」(←訳:ストップぅ!)

 箒たちが汲み続ける水、水、水。
 部屋はもう、
 家中がもう、水浸し。

 お弟子さん、
 箒を動かす呪文は知っていました。
 ただ、止める呪文というのは……?

「うわわあァんッ! やばいィ~!」
「がるるぐるぅ!」(←訳:お師匠さまぁ!)

 ぷふっと吹き出してしまう
 『魔法使いの弟子』に、
 『新・パリス』
 『魔王』
 『最初のワルプルギスの夜』
 『宝ほり』など、
 “魔法“の気配漂う9作品は、
 活字好きな少年少女諸氏に、
 大人な活字マニアさんにも
 おすすめですよ。

 『ファンタジア』ファンのアニメ好きさんも、
 ゲーテさんはどんな顔をして
 この御話を書いたのかしら?
 と想像しながら、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 

コメント
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