テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 本邦沙翁の怪舞台~

2021-11-04 23:22:47 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふわわァ~? じんぐるゥ~べるッ??」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!モミの木も!)

 こんにちは、ネーさです。
 ハロウィーンも文化の日も過ぎ、
 お店や街はクリスマスモードに突入し……
 いえ、その前にまだお酉様があるわよね!
 とカレンダーを確認しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― シェイクスピア・カバーズ ――


 
 著者はイッセー尾形さん、2021年9月に発行されました。
 大河ドラマ『青天を衝け』では、
 ラスボス感たっぷりに三井組の番頭・
 三野村利左衛門(みのむら・りざえもん)役を
 演じておられた尾形さんが、なんと!

「きゃくほんッ?」
「ぐる?」(←訳:小説?)

 この御本には、
 イッセー尾形さんによる
 W・シェイクスピアさんの戯曲をベースにした
 短編10作品が収録されています。

 そもそもは、
 文芸誌『MONKEY』から、

   誰もが知っている作品の
   カバー短篇を書きませんか?

 と依頼されたことがきっかけでした。

 そこでイッセーさん、
 どの作品をカバーしよう?などと
 悩むまでもなく
 選んだのは――

「これだァ!」
「がるぐる!」(←訳:即決だよ!)

 『ハムレット』。

 “知らぬ者とてない“名作中の名作、
 役者さんなら一度は演ってみたいと熱望する
 『ハムレット』の……

 ヨリックで行こう!

「……ふァ?」
「ぐるぅ?」

 ヨリックとは、
 『ハムレット』の第五幕、
 墓場の場面に登場する頭蓋骨、なんです。

 登場した時点で、既に頭蓋骨……
 “登場したけど登場してない”ヨリックさん、
 生前は、
 ハムレット王子の父王に仕えた
 道化師さんでありました。

 そのヨリックさんを“主人公“に!
 と、イッセーさんは考えます。

   時計の針をうんと戻して
   まだ生きている時のヨリックを
   蘇らせたい!

 思いは結晶して、
 ええ、物語が出来上がりましたよ。
 題して、

 『ヨリックの手記』。

「ほんとはァ、がいこつゥだけどォ~!」
「がぅっるるぐる!」(←訳:ちゃっかり主役!)

 他に、

 『荒野の暗殺者』
 『乳母の懺悔』
 『リア・アゲイン』
 『革命のオセロー』
 『クォーター・シャイロック』
 『私の議事録』
 『暗黙の深海』
 『エロスを乗せてデコイチ』
 『カエサルの子』

 とカバー作品は続いてゆきます。

 中でも、
 私ネーさが大拍手しちゃったのは、
 『リア・アゲイン』!

 題名からバレバレですよね、
 『リア王』を
 主題にした作品であることは。
 しかし、
 読み進んでゆくと――あららっ?

「これはァ、まるでェ~♪」
「ぐるるるっ♫」(←訳:喜劇だ~♫)

 悲劇は喜劇に、
 喜劇は悲劇に?
 
 装画&挿絵も
 イッセー尾形さんが御自身で手掛けたという、
 情熱の『シェイクスピア・カバーズ』世界へ、
 演劇好きな方々も、
 イッセーさんのファンの方々も、
 ぜひ、旅してみてくださいね~♪
 

 
コメント
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