テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 黒と白のバランス ~

2021-11-22 23:38:46 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きらららァ~んッ!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!キラキラリ!)

 こんにちは、ネーさです。
 この季節、夕方の街をテクれば、
 おお♪ 街灯もイルミネーションも
 綺麗にキラキラしていますね。
 お家に帰り着いてホッとしたところで、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♫

  


 
       ―― 無垢の傷痕 ――



 著者は麻見和史(あさみ・かずし)さん、
 2021年6月に発行されました。
 『本所署《白と黒》の事件簿』と
 副題が付されています。

「むかしィむかしィ、あるところにィ~」
「ぐるるがるるるるぐるるる」(←訳:一人の刑事さんがいました)

 いえいえ、違います、
 昔むかしじゃありません、
 現代の出来事なんですけれど、
 確かに、おりました。

 悩みを抱える
 ひとりの刑事さんが。

 それはどのような悩みかというと……

 黒星達成(くろぼし・たつなり)。

 ↑この、自分の名前が、悩みのモトなんです。

「くろぼしィ~??」
「がるるぐるる!」(←訳:珍しい御名前!)

 珍しいのはいいとして……問題は、
 黒星、ですねえ。

 刑事さんだったら、
 いえ、お相撲やサッカーや野球などの
 スポーツや勝負事、
 一般のビジネスであっても、
 挙げたいのは
 《金星》であって、
 《黒星》じゃありませんよねえ。

 しかも、
 達成(たつなり)という名は、
 たっせい、とも読めますから――

「くろぼしィ~たッせいィ?」
「ぐるぅる!」(←訳:あちゃあ!)

 二重に”縁起が悪い“名前を背負う黒星さん、
 ついついネガティブ思考に
 陥ってしまいます。

   ……俺はついてない……

「げんきィだしてッ!」
「がるるぅるるぐるる!」(←訳:ポジティブで行こう!)

 そう、ポジィティブ。

 本所署の管轄内で事件が起き、
 署に捜査本部が設置されました。
 黒星さんも参加するこの捜査活動で
 コンビを組むことになったのは。

 白石雪乃(しろいし・ゆきの)さん。

 はきはきと発言する、
 ポジティブ思考の彼女は、
 黒星さんを励まします。

   私、勘は鋭いほうなんです。
   なかなか運も良くて、
   金星を挙げたことも何度かあります。

「わほほゥ!」
「ぐるるがっるー!」(←訳:それはラッキー!)

 黒と白とで、
 ちょうど良いバランスに?
 難しい捜査も、楽々解決?

 短編5作品から成る連作ミステリは、
 気弱な黒星さんと
 元気な白石さんの
 ちょっとトンチンカンな会話に
 クスっと笑わされたり、
 肩の凝らない”警察小説”です。

 ミステリ好きな活字マニアさんに
 おすすめの一冊ですよ。
 図書館&書店さんの文庫コーナーで、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪


 
コメント
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