テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 巨匠さんの、ひそかな怪作? ~

2021-11-18 23:21:56 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ほぼッ??」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!ほぼです!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日11月19日は、
 “ほぼ皆既“な部分月蝕が見られる日!
 最も月が欠ける午後6時3分前後は
 晴れますように~!と願いつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― 青髪鬼(せいはつき) ――



 著者は横溝正史(よこみぞ・まさし)さん、
 編者は日下三蔵(くさか・さんぞう)さん、
 2021年10月に発行されました。

 全7冊から成る
 『横溝正史少年小説コレクション』の第4巻には
 未完成作品2編を含む
 10作品が収録されています。

「よこみぞォせんせいィ~!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:少年小説も書いてた!)

 BSプレミアムのドラマ
 『獄門島』を観たことから始まった
 私ネーさの横溝さん熱は、
 『犬神家の一族』『八つ墓村』再読へ、
 さらには
 少年小説へと
 迷走を続けております。

 そして、
 ええ、横溝さん、
 実は多数のジュブナイル作品を
 著しておられるんです。
 その点は江戸川乱歩さんと
 共通していますよね。

「じゃあァ、とうじょうゥしまスかッ?」
「がるぐるるる!」(←訳:小林少年的な!)

 表題作品
 『青髪鬼』(1953年発表)で、
 探偵役を務めるのは、
 新日報社(しんにっぽうしゃ)のエース記者、
 三津木俊助(みつき・しゅんすけ)さん。

 三津木さんに憧れて
 新日報社で働くことを決めた
 探偵小僧こと
 御子柴進(みこしば・すすむ)くん。

 新聞記者としてよりも、
 探偵としての評価が高い三津木さんと、
 押しかけ弟子・御子柴くんが
 この事件で遭遇するのは、
 “秋の空よりも、もっとまっさお“な髪の、
 不審人物。

   おれは復習魔、青髪の鬼だ!

 と、自ら名乗りを上げた男の、
 真意は……?

「ストーリー、ぐるぐる!」
「ぐるるる~!」(←訳:速過ぎる~!)

 新聞社に届いた謎の死亡広告、
 青髪鬼の出現と、
 怪盗・白蝋仮面(びゃくろうかめん)の乱入、
 御子柴くんの行動力、と
 事件はめまぐるしく進みます。

 いやもう、
 1行読み飛ばすと
 何が何だか分からなくなってしまう
 密度の高い物語は、
 ミステリであり
 SFファンタジーであり、
 冒険小説?

 ネタバレ回避のため、
 これ以上のお喋りは出来ませんが、
 伊勢田邦彦さんによる
 挿絵の効果もあいまって、
 なかなかの不気味さが漂います。

「こッ、これはァ、もうゥ?」
「がるるぐるがぅるる?」(←訳:子ども向けじゃない?)

 はたして、
 青髪鬼の、
 白蝋仮面の目的は?
 御子柴少年の探偵力は?

 江戸川乱歩さん的なジュブナイルミステリ、
 というよりも、
 海野十三さんの冒険活劇を想わせる
 横溝さんの少年小説は、
 昭和の文学が好きな方々に
 おすすめですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 
コメント
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