テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 商都と船場と、夢の跡 ~

2021-11-16 19:18:05 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぺたぺたぺたッ!」
「がるる!ぐるがるぐる!」(←訳:虎です!ぐるぐるぐる!)

 こんにちは、ネーさです。
 空気が乾燥する季節になったので、
 手指や肌をぐるぐる~と
 マッサージしているうちに、
 はい、読書タイムとなりましたよ。
 本日は、コスメとちょっぴり縁のある
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 大鞠家殺人事件 ――



 著者は芦辺拓(あしべ・たく)さん、
 2021年10月に発行されました。
 大阪を舞台にした長編ミステリ……
 いえ、著者・芦辺さんいわく
 ”ほぼ十年ぶりの《大阪小説》“ですよ。

「てんかのォ、だいどころォ!」
「ぐるるがる!」(←訳:大商業都市!)

 江戸が武士の都市ならば、
 大阪は、商人さんたちの都市、でした。

 明治に入ってもその気風は変わらず、
 新旧多くの店々が
 競い合うようにして
 街を盛り上げている……のですが。

「たちこめるゥ~あんうんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:戦争の予感!)

 船場(せんば)にお店を構える
 『大鞠百薬館(おおまりひゃくやくかん)』は
 化粧品の製造と販売で
 財を築いた新興店です。

 いえ、でした。

 明治の頃の興隆は
 いまいずこ。

 ぜいたくは敵だ!
 などと言い出す者がいて、
 華やかな化粧品を商うなど、
 世の風潮が許しません。

「ふァ~…」
「ぐるるるる!」(←訳:つまんない!)

 『大鞠百薬館』を営む
 大鞠(おおまり)家も、
 種々の事情から、
 家業を動かすはずの男性たちが、
 ひとり、またひとりと、
 欠けてゆきます。

 昭和18年、
 大鞠家の長男・多一郎(たいちろう)さんは
 軍医として
 出征することになりました。

 結婚したばかりの
 妻・美禰子(みねこ)さんを
 残して……。

「ふあんッ、なのでス!」
「がるぐるる~!」(←訳:同居なんて~!)

 美禰子さんは
 夫の家族と同居、
 つまり大鞠家で
 暮らすことになったものの、
 周囲は誰もみな
 クセのありそうな者ばかり。

 そして或る日、
 不安は現実のものに……?

「どッ、どうしようゥ~!」
「ぐるがるる!」(←訳:事件だよう!)

 大鞠家に、
 船場に、
 大阪に迫る
 黒い影――

 楽しいもの、
 愉快なもの、
 美しいものが消えてゆく
 暗い時代と絡み合う事件の、
 真相とは?

「これいじょうゥはァ~」
「がるるぐるる!」(←訳:お喋り禁止で!)

 ネタバレ回避のため、
 ええ、ストーリー紹介は
 ここまでにいたしましょう。

 大阪言葉&船場言葉が
 なんともステキでマジカルな
 《大阪小説》を、
 全活字マニアの皆さま、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
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