テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《名所図会》へ、旅をする ~

2021-11-26 23:29:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わわわゥ! ふッてくるゥ~!」
「がるる!ぐるるるる~!」(←訳:虎です!落ち葉の嵐~!)

 こんにちは、ネーさです。
 甲州街道のイチョウ並木も
 少しずつ散り始めてきました。
 関東の紅葉シーズンはそろそろ終盤なのかな?
 と、お山を眺めやりつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
  ―― 【図説】江戸の旅 名所図会の世界 ――



 著者は深光富士男(ふかみつ・ふじお)さん、
 2021年9月に発行されました。

 前回記事で御紹介しました
 倉方俊輔さん著『京都 近現代の建築ものがたり』
 より時代をさらに遡って、
 はい、江戸時代に到着です。

「おえどのォ、じだいィのォ~」
「ぐるがるるぐっる!」(←訳:観光ガイドマップ!)

 《名所図会(めいしょずえ)》。

 その歴史は、
 秋里離島(あきさと・りとう)さんが著した
 『都名所図会』(安永9年/1780年刊)
 に始まる、と
 著者・深光さんは
 冒頭の解説ページで述べています。

 これが、大当たり!

 それまでにも、
 物語仕立ての名所記など、
 観光ガイドブック的な書物は
 既に存在していたものの――

「わかりやすゥ~いッ!」
「がるるる!」(←訳:見やすい!)

 といった点がウケたのでしょうね。
 そしてもちろん、
 当時の出版界はこの”成功”を放っておかず。

 さまざまな
 《名所図会》が誕生しました♪

「とうかいどうゥめいしょずえッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:江戸名所図会!)
「ぜんこうじィめいしょずえッ!」
「がるぐる!」(←訳:厳島図会!)

 カラフルで華やかな浮世絵と違い、
 《名所図会》はモノクロ印刷です。

 サイズは、今のB5判くらい。
 本文の間には、
 見開き2頁にまたがる
 名所を描いた版画=名所絵を
 数多く入れて、
 現地の状況や、
 その土地にまつわる古歌、
 特産品情報、
 名物料理が美味しいお店を掲載……と
 ほぼ現在のガイドブックと
 変わらぬ内容ですね。

「けッこうゥ~こまかいィでス!」
「ぐるるる!」(←訳:細密画だ!)

 そうなんですよね、
 収録されているどの《名所図》も、
 とっても細かい!

 一枚の絵画の中に、
 これでもか~!と
 情報を詰めに詰め入れたかのようで、
 人物の着物の絵柄、
 帯の結び方、
 髷(まげ)や結髪の形等が
 丁寧に描かれています。

「それがァ、だいごみィ!」
「がるるるぐる!」(←訳:名所図会のね!)

 一見、
 単色の地味な絵図だけれど、
 よ~く眺めてみれば、
 そこには情報がぎっしり。

 江戸時代の善光寺って
 こういう感じなのねえ。

 おお、両国橋の賑わいぶりが
 よく解るわ!

 鳴門の渦潮の恐ろしさよ!

 と、すっかり”江戸の旅びと気分”になってしまう、
 ユニークな《名所図会》ガイド本は、
 歴史好きな活字マニアさんに、
 雑学好きな方々にも
 おすすめの一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♫
 
 
 
 
コメント
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