テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 闇夜と、はるかな光と ~

2024-10-09 22:03:55 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむむゥ! すばやいィ~!」

「がるる!ぐるるるがるーる!」(←訳:虎です!なんたるスピード!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 小気味よく決まる3pointと驚異のクイックネス……!

 NBAに挑戦中の河村勇輝さんに特大のエールと拍手を送ったら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちら御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― ベスト・エッセイ ――

 

 

 編者は日本文藝協会の皆さん、2024年6月に発行されました。

 『THE BEST ESSAY 2024』と英語題名が付されています。

 

 2023年に新聞や雑誌等に発表されたエッセイ作品の中から

 73作品を選出、

 編纂委員を務めた6名の作家さんの作品も加えて、

 計79編のエッセイが収録されたアンソロジーですよ。

 

「わほゥ! あさだせんせいィ~!」

「ぐるぅがるるるる!」(←訳:うわぁ松重さんも!)

 

 73+6人、となれば、

 著者さんの顔触れはさまざまです。

 

 クスクス笑いを誘うプロフェッショナルは、

 重鎮・浅田次郎さん。

 

 俳優の堺雅人さんは、

 ドラマ『VIVANT』撮影時の思い出を語り。

 

 同じく俳優の(最近はDJも巧みな)松重豊さんの

 ウマいもののお話。

 

 劇作家さん、経済の専門家さん、

 大学の教授さん、翻訳家さん……

 それぞれの《2023年》が刻まれていて、

 しかし、その中に。

 

 《2024年の日本》を予見したような、

 心を打つ一編がありました。

 

 川島秀一(かわしま・しゅういち)さんによる

 『津波の夜の灯りに』

 (本文137ページ)。

 

「じゅうゥさんねんッ……!」

「がるるぐるるるる……!」(←訳:昨日のことのよう……!)

 

 民俗学者の川島さんが生まれ育ったのは、

 宮城県の気仙沼。

 震災の日、

 その気仙沼の町を、津波が襲います。

 

 職場が高台にあったため、

 『一命を留めることができた』

 と川島さんは記しています。

 けれど、沿岸沿いにあったお家と、

 そこにいたお母さんは。

 

 停電が続く暗い夜、

 そして、

 時を遡って江戸時代の、昭和の、

 地震津波がもたらした

 はてしなく暗い夜。

 

 闇と対峙した川島さんが

 辿り着いた境地とは。

 

 一方、私たちは

 《2024年の日本》に何が起こったか、

 身に沁みて知っています。

 おそらく、遠くない未来にも、また……?

 

「なんとかァしたいィ~でスゥ!」

「ぐるるるがるるるぅ!」(←訳:なんとかしなくちゃ!)

 

 失望と希望、

 涙と笑い、

 憧れや追慕――

 息づく思いを織り込んだ79編を〆るのは、

 『ベスト・エッセイ』の常連となっている

 三浦しをんさんの

 『なにを食べてる?』です。

 

 或る日、出張することになった三浦さん、

 早朝の新幹線に乗車しました。

 席に着いて、

 よし、朝ご飯にしよう、と

 コンビニで買った2個のおにぎりを

 パクリ!とやって………ん?

 

「んんんんッ???」

「がるる?」(←訳:あれれ?)

 

 おにぎりパクリ!から転がり始める

 遠大な思索のゴールはいずこに?

 

 エッセイ好きな活字マニアさんに

 激おすすめの、文字通り《ベスト!》集です。

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

コメント
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