「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふゥッ! さむゥ~いィあさはァ~」
「がるる!ぐるるがるる~!」(←訳:虎です!温かい飲み物~!)
こんにちは、ネーさです。
すっかり秋らしい気温になった朝&夕は、
温かな、いえ、熱い飲み物が欲しくなりますね。
お茶やコーヒー、ココアをのんびり味わいながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― バーナード・リーチとリーチ工房の100年 ――
著者は加藤節雄(かとう・せつお)さん、
2020年2月に発行されました。
『BERNARD LEACH & JEACH POTTERY 1920-2020』と英語題名が、
『海とアートの街 セントアイヴスをめぐる』と
日本語副題が付されています。
前回記事では、お買い物意欲が燃え上がっちゃいそうな
服と小物のガイド本を御紹介しましたが、
こちらの御本も、
陶器が好きで、民藝が好き!
という方々には堪らない一冊、と申しましょうか。
「そぼくなァ、ふうあいィ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:手捏ねの土肌!)
民藝運動の主唱者とされる
柳宗悦(やなぎ・そうえつ)さん(1889~1961)。
宗悦さんとともに
当時の日本のアートシーンに深く係わったのが、
バーナード・リーチさん(1887~1979)でした。
リーチさんの経歴はなかなかに変わっていて、
英国の植民地だった香港で生まれたものの、
生誕と同時に実母を喪ったため、
京都で英語教師をしていた
母方の祖父に引き取られます。
やがて、再婚した父のもと香港で暮らし、
父の任地異動によって次はシンガポールへ……と、
リーチさんは少年時代を
アジアの国々で過ごしました。
「でもォ、しあげはァ~ほんごくゥでッ!」
「がるるぐる!」(←訳:母国へ帰国!)
生まれ育ったのが外国であろうと、
学業の仕上げは、本国で。
というのが、その頃の“決まり事”でしたから、
リーチさんも英国で教育を受けるために帰国し、
パブリックスクールや
ロンドン大学の美術学校で学びます。
ところが、お父さんが病気になってしまい、
家計を助けようと退学して、
その後、ロンドンの銀行に就職した……んですけど。
「うううゥ、だめでスゥ~!」
「ぐるるるる~…!」(←訳:馴染めない~…!)
金融の世界は、苦しいばかり。
苦慮の末、リーチさんは辞職し、
エッチングの教師として
日本へ旅立ちます。
「むゥ? えッちんぐゥ?」
「がっるるるっる!」(←訳:エッチングって!)
リーチさんが、
彼の天職――《陶芸》と出会ったのは、
日本に来てから、のことでした。
1911年、
招待されて上野の博覧会場を訪れたリーチさんは、
楽焼を体験したのです。
自分で壺に絵付けをして、
窯に入れて熱し、
焼き上がったら、おが屑の中に埋めて、
そうしたら……?
「わほゥ! できたァ~♫」
「ぐるっるる!」(←訳:良かったね!)
この時の感動が、
リーチさんを陶芸家の道へ導きました。
20世紀初頭の英国でも、陶磁器業は盛んです。
ただし、それはとても工業化され、組織化されていて、
大量生産するのが常識の、メジャーな産業だったのです。
そんな英国式とは対照的な、
日本の陶芸の手法に、
リーチさんはたちまち夢中になりました。
「ほぼォ、てづくりィ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:同じ物はないよ!)
陶芸に魅せられたリーチさんは、
日本を離れ、帰国したのちも
陶芸家であり続けました。
この御本では、
リーチさんが英国西南端に程近い
セントアイヴスに造った工房の歴史と、
再興運動が細やかに、
共感をもって語られています。
都市ロンドンではなく、
海を臨む小さな町を選び、愛したリーチさん。
収録されているセントアイヴスの風景が
驚くほど美しいので、
写真を見るためだけでもいいんです、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪