テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 迷いの答えは、蔵カフェに ~

2024-10-29 22:03:09 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ねないこォ、だァ~れだッ?」

「がるる!ぐるが~る!」(←訳:虎です!せなさ~ん!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 絵本『ねないこだれだ』が刊行されたのは1969年。

 以来、多くの人びとに愛され、現在も版を重ねる名作となりました。

 著者・せなけいこ さんに心からの感謝を送りつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― くらくらのブックカフェ ――

 

 

 著者は収録順に、まはら三桃さん、廣嶋玲子さん、

 濱野京子さん、菅野雪虫さん、工藤純子さん、

 2024年9月に発行されました。

 5人の児童文学作家さんによる

 アンソロジー作品ですよ。

 

「ふわァ~…りッぱァ、おくらでスゥ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:重量級だねえ!)

 

 住宅街の細い道を、

 あっちに曲がり、こっちに抜けて、

 10分か、15分くらい歩いてゆくと。

 

 そこにあるのは、蔵。

 

 白ぬりの壁に、どっしりとした黒い屋根瓦。

 威風堂々として、

 それでいて神秘的な静けさを持つ蔵を、

 亜希(あき)さんは初めて目にしました。

 

「むッ? かおいろォ、よくないィでスよゥ?」

「がるるぐるぅ?」(←訳:大丈夫かなぁ?)

 

 亜希さんは、小学校の6年生です。

 顔色が良くないのは、

 もしかしたら……《呪い》のせいでしょうか。

 

「のッ、のろいィ??」

「ぐるるがるる??」(←訳:なんでそんな??)

 

 亜希さん、実は、

 ターゲットにされているんです、学校で。

 

 同じクラスの麻衣花(まいか)さんが、

 毎日のように押し付けてくるのは、

 宿題を代わりにやれとか、

 好きでもない男の子にラブレターを書けとか、

 難題ばかり。

 

 いえ、これはもう、悪質ないじめ、

 いえいえ、れっきとした犯罪なのですが、

 イヤだと言えば逆ギレして

 もっとひどい目にあわせてくる麻衣花さんを怖れ、

 亜希さんは彼女の命令に従ってしまうんです。

 

 そしていま、

 亜希さんが手にしているのは、

 麻衣花さんに騙されるようにして持たされた

 《呪い》の本。

 

   この本を受け取ったら、

   24時間以内に読まねばならない。

   そうしないと、家族に悪いことが起こる。

   しかし、読めば、自分に《呪い》がかかる。

 

 という本です。

 

「はァ? それはァおかしィでス!」

「がるぐるるる?」(←訳:矛盾してない?)

 

 怖くて、苦しくって、腹が立って、

 涙ぐんでいた亜希さんが

 ひょんなことから行き着いたのは、

 ええ、そうです、

 蔵でした。

 

 分厚い扉の向こうは暗く、ひんやりとして、

 それから……コーヒーの芳香?

 

「よいィ~かおりィ♫」

「ぐるるるがるる!」(←訳:お菓子の匂いも!)

 

 その蔵は、

 本ぎっしりの本棚が壁を埋める

 ブックカフェ、だったのです。

 

 そうして、

 白シャツに黒いベストの、

 カフェのマスターさんは

 亜希さんが《呪い》の本を持っていると知って、

 或る取引を申し出ました……。

 

「あううゥ、どうしようッ?」

「がるるるぐるる!」(←訳:アタマは大混乱!)

 

 マスターさんとの取引を、

 受けるか、拒むか。

 《呪い》の罠から逃れる道は、どこにある?

 

 亜希さんの冒険と闘いを描く

 廣嶋玲子さん著『呪いの行く末』を含む

 5つの短編作品は、

 こころがくらくらする

 蔵カフェの物語です。

 

 この御本は、ジャンルとしては児童文学なのですが、

 かつて『ねないこだれだ』に夢中になった

 小さな読書家さんたちに、

 オトナな活字マニアさんたちにも

 おすすめですよ。

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

コメント
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