「こんにちわッ、テディちゃでス!
ねないこォ、だァ~れだッ?」
「がるる!ぐるが~る!」(←訳:虎です!せなさ~ん!)
こんにちは、ネーさです。
絵本『ねないこだれだ』が刊行されたのは1969年。
以来、多くの人びとに愛され、現在も版を重ねる名作となりました。
著者・せなけいこ さんに心からの感謝を送りつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― くらくらのブックカフェ ――
著者は収録順に、まはら三桃さん、廣嶋玲子さん、
濱野京子さん、菅野雪虫さん、工藤純子さん、
2024年9月に発行されました。
5人の児童文学作家さんによる
アンソロジー作品ですよ。
「ふわァ~…りッぱァ、おくらでスゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:重量級だねえ!)
住宅街の細い道を、
あっちに曲がり、こっちに抜けて、
10分か、15分くらい歩いてゆくと。
そこにあるのは、蔵。
白ぬりの壁に、どっしりとした黒い屋根瓦。
威風堂々として、
それでいて神秘的な静けさを持つ蔵を、
亜希(あき)さんは初めて目にしました。
「むッ? かおいろォ、よくないィでスよゥ?」
「がるるぐるぅ?」(←訳:大丈夫かなぁ?)
亜希さんは、小学校の6年生です。
顔色が良くないのは、
もしかしたら……《呪い》のせいでしょうか。
「のッ、のろいィ??」
「ぐるるがるる??」(←訳:なんでそんな??)
亜希さん、実は、
ターゲットにされているんです、学校で。
同じクラスの麻衣花(まいか)さんが、
毎日のように押し付けてくるのは、
宿題を代わりにやれとか、
好きでもない男の子にラブレターを書けとか、
難題ばかり。
いえ、これはもう、悪質ないじめ、
いえいえ、れっきとした犯罪なのですが、
イヤだと言えば逆ギレして
もっとひどい目にあわせてくる麻衣花さんを怖れ、
亜希さんは彼女の命令に従ってしまうんです。
そしていま、
亜希さんが手にしているのは、
麻衣花さんに騙されるようにして持たされた
《呪い》の本。
この本を受け取ったら、
24時間以内に読まねばならない。
そうしないと、家族に悪いことが起こる。
しかし、読めば、自分に《呪い》がかかる。
という本です。
「はァ? それはァおかしィでス!」
「がるぐるるる?」(←訳:矛盾してない?)
怖くて、苦しくって、腹が立って、
涙ぐんでいた亜希さんが
ひょんなことから行き着いたのは、
ええ、そうです、
蔵でした。
分厚い扉の向こうは暗く、ひんやりとして、
それから……コーヒーの芳香?
「よいィ~かおりィ♫」
「ぐるるるがるる!」(←訳:お菓子の匂いも!)
その蔵は、
本ぎっしりの本棚が壁を埋める
ブックカフェ、だったのです。
そうして、
白シャツに黒いベストの、
カフェのマスターさんは
亜希さんが《呪い》の本を持っていると知って、
或る取引を申し出ました……。
「あううゥ、どうしようッ?」
「がるるるぐるる!」(←訳:アタマは大混乱!)
マスターさんとの取引を、
受けるか、拒むか。
《呪い》の罠から逃れる道は、どこにある?
亜希さんの冒険と闘いを描く
廣嶋玲子さん著『呪いの行く末』を含む
5つの短編作品は、
こころがくらくらする
蔵カフェの物語です。
この御本は、ジャンルとしては児童文学なのですが、
かつて『ねないこだれだ』に夢中になった
小さな読書家さんたちに、
オトナな活字マニアさんたちにも
おすすめですよ。
ぜひ、探してみてくださいね~♪