テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《芸》を探して ~

2024-10-24 22:03:03 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むふふふゥ! これはァ、おもしろそうゥでス!」

「がるる!ぐるがるるるぐるるる!」(←訳:虎です!あの人気作が人形劇に!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ヨシタケシンスケさん著『りんごかもしれない』を、

 人形劇としてプーク人形劇場で上演(10/26~11/24)というニュースが……!

 うわあ、いったいどんな人形劇?とドキドキしながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 芸人本書く派列伝 ――

 

 

 著者は杉江松恋(すぎえ・まつこい)さん、

 2024年9月に発行されました。

 いわゆる《ブックガイド》ジャンルに属する作品……なのですが。

 

「かわッてるゥ!」

「ぐるがるぐる!」(←訳:レア路線だね!)

 

 ええ、レアです。

 で、何がどうレアなのかと申しますと。

 

 書評の対象は、

 《芸人》さんの本。

 

 落語や、講談、浪曲、漫才、コントを、

 劇場の舞台で演じる演者さんたち。

 そして、

 放送作家さん、脚本家さん、TVタレントさん。

 

 放送作家さんを、この枠に入れてよいのか、

 ちょっと迷ってしまうんですけど、

 ↑上記のような

 《芸人》さんたちが執筆した書籍の書評47篇と、

 著者・杉江さんによる非常に濃密な、

 『はじめに』『おわりに』

 も収録されているんですよ。

 

「ふうゥ! あたまがァ、くらくらッ!」

「ぐっるるがるるる!」(←訳:ビックリなのです!)

 

 本文の冒頭を飾るのは、

 立川談四楼さん著『談志が死んだ』

 についての書評です。

 

 これが、書評であると同時に、

 落語立川流内部の暗闘を暴くエッセイ、

 とも言える文章になっていて、

 何も知らずに読み始めると、

 ええっ? 何これ?!?

 とブッ飛ばされること間違いなし。

 

 何も知らず、

 というか、

 落語界の知識ゼロで読み始めた私ネーさ、

 しばらく呆然自失状態でした……。

 

「たぶんッ、どこにでもォ~あるのでス!」

「がるぐーるるるる!」(←訳:心のダークサイド!)

 

 人の心の、底も見えぬ闇を覗くような、

 読み手を不安にさせる書評もあれば、

 また逆に、

 ほっこり、ほろほろさせる作品も、

 杉江さんはピックアップしています。

 

 笑福亭銀瓶さん著

 『師弟 笑福亭鶴瓶からもらった言葉』

 

 ビートたけしさん著『フランス座』……

 

 そして、特筆すべきは、

 

 小林信彦さん、萩本欽一さん著

 『小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム

  名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏』

 

 についての文章でしょうか。

 

 これは、国内外の《笑》の文化、

 ショービジネス史に関する広大な知識がなければ

 語り得ないもので、

 《芸人》さんの著作を評することの

 難しさを感じさせられますね。

 

「むッ! これもォ、ちゅうもくゥ!」

「ぐるるがるっるるる!」(←訳:今季のトピックだよ!)

 

 年末が近付く中、

 題名だけでニヤリとさせられてしまうのは、

 

 塙宣之さん著

 『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』。

 

 塙さんの『なぜ勝てないのか』論を、

 杉江さんはどう見るか。

 塙さんが作る《笑》に

 杉江さんは何を期待しているのか。 

 

「わらいのォぬまッ、でスねェ~」

「がるるるるるる~!」(←訳:脱け出せないよ~!)

 

 《笑》の、

 さらには《芸》の、

 一生脱け出せない沼に嵌ってしまった人びとがふと零す、

 言葉と、思い。

 

 《笑》が好き、という活字マニアさんに、

 《芸人》さんの《芸》を日々追いかけるファンさんたちに、

 激おすすめの一冊です。

 秋の読書タイムに、ぜひ~♪

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする