「こんにちわッ、テディちゃでス!
むふふふゥ! これはァ、おもしろそうゥでス!」
「がるる!ぐるがるるるぐるるる!」(←訳:虎です!あの人気作が人形劇に!)
こんにちは、ネーさです。
ヨシタケシンスケさん著『りんごかもしれない』を、
人形劇としてプーク人形劇場で上演(10/26~11/24)というニュースが……!
うわあ、いったいどんな人形劇?とドキドキしながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 芸人本書く派列伝 ――
著者は杉江松恋(すぎえ・まつこい)さん、
2024年9月に発行されました。
いわゆる《ブックガイド》ジャンルに属する作品……なのですが。
「かわッてるゥ!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:レア路線だね!)
ええ、レアです。
で、何がどうレアなのかと申しますと。
書評の対象は、
《芸人》さんの本。
落語や、講談、浪曲、漫才、コントを、
劇場の舞台で演じる演者さんたち。
そして、
放送作家さん、脚本家さん、TVタレントさん。
放送作家さんを、この枠に入れてよいのか、
ちょっと迷ってしまうんですけど、
↑上記のような
《芸人》さんたちが執筆した書籍の書評47篇と、
著者・杉江さんによる非常に濃密な、
『はじめに』『おわりに』
も収録されているんですよ。
「ふうゥ! あたまがァ、くらくらッ!」
「ぐっるるがるるる!」(←訳:ビックリなのです!)
本文の冒頭を飾るのは、
立川談四楼さん著『談志が死んだ』
についての書評です。
これが、書評であると同時に、
落語立川流内部の暗闘を暴くエッセイ、
とも言える文章になっていて、
何も知らずに読み始めると、
ええっ? 何これ?!?
とブッ飛ばされること間違いなし。
何も知らず、
というか、
落語界の知識ゼロで読み始めた私ネーさ、
しばらく呆然自失状態でした……。
「たぶんッ、どこにでもォ~あるのでス!」
「がるぐーるるるる!」(←訳:心のダークサイド!)
人の心の、底も見えぬ闇を覗くような、
読み手を不安にさせる書評もあれば、
また逆に、
ほっこり、ほろほろさせる作品も、
杉江さんはピックアップしています。
笑福亭銀瓶さん著
『師弟 笑福亭鶴瓶からもらった言葉』
ビートたけしさん著『フランス座』……
そして、特筆すべきは、
小林信彦さん、萩本欽一さん著
『小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム
名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏』
についての文章でしょうか。
これは、国内外の《笑》の文化、
ショービジネス史に関する広大な知識がなければ
語り得ないもので、
《芸人》さんの著作を評することの
難しさを感じさせられますね。
「むッ! これもォ、ちゅうもくゥ!」
「ぐるるがるっるるる!」(←訳:今季のトピックだよ!)
年末が近付く中、
題名だけでニヤリとさせられてしまうのは、
塙宣之さん著
『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』。
塙さんの『なぜ勝てないのか』論を、
杉江さんはどう見るか。
塙さんが作る《笑》に
杉江さんは何を期待しているのか。
「わらいのォぬまッ、でスねェ~」
「がるるるるるる~!」(←訳:脱け出せないよ~!)
《笑》の、
さらには《芸》の、
一生脱け出せない沼に嵌ってしまった人びとがふと零す、
言葉と、思い。
《笑》が好き、という活字マニアさんに、
《芸人》さんの《芸》を日々追いかけるファンさんたちに、
激おすすめの一冊です。
秋の読書タイムに、ぜひ~♪