テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ マエストロ辻に、ラブコール! ~

2024-10-31 22:03:24 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はッぴィはッぴィ~はろうィ~んッ!」

「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!はぴはろ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 Happy Halloween!  Trick or Treat!

 いや、Book and Treat! (本とおやつ!)ということにして、

 さあ、10月――神無月を締めくくる読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 最後に、絵を語る。 ――

 

 

 著者は辻惟雄(つじ・のぶお)さん、

 2024年8月に発行されました。

 『奇想の美術史家の特別講義』と副題が付されています。

 

「つじィせんせいィ!」

「ぐるるがるるるる!」(←訳:奇想のマエストロ!)

 

 美術史家・辻惟雄さんの代表的な著作といえば、

 なんといっても一世を風靡した

 『奇想の系譜』(1970年刊行)でしょうか。

 

 多くの美術愛好家さんに影響を与え、

 江戸絵画の評価や、

 鑑賞の方法も変えてしまったとさえ言われる

 『奇想の系譜』は、

 間違いなく、美術界における《20世紀の名著》です。

 

「でもォ、せんせいはァ~しんぱいしてるのでスゥ!」

「がるるぐるるる~!」(←訳:影響力ありすぎ~!)

 

 『奇想』は、あまりにも受け入れられ、

 愛されるようになってしまって、

 『奇想』以外の作品が軽んじられ、

 影が薄くなっているのではないか……?

 

 憂慮した辻さんが、

 この御本で、あらためて取り上げるのは、

 『正統の系譜』。

 

   第1講『やまと絵』

   第2講『狩野派』

   第3講『応挙と芦雪』

   第4講『私の好きな絵』

   第5講『辻惟雄×山下裕二 師弟対談』

 

 と、5つのパートに分けて、

 『鳥獣戯画』や『源氏物語絵巻』から

 俵屋宗達さん、雪舟さん、狩野派の名だたる絵師さんたち、

 円山応挙さんと長澤芦雪さん他、

 日本美術の”王道”を歩んだ画家さんについて

 熱く語っています。

 

「あッ! これェ、かわいいィ!」

「ぐるるる……?」(←訳:かるかや……?)

 

 第3講までの、剛健かつ硬派な絵画論が、

 ふっと優しく転調するのは、

 第4講の『私の好きな絵』です。

 

 室町時代の古絵本『かるかや』の、

 愛らしい稚拙美。

 

 東山魁夷さんの作品の、

 すずやかな静けさ。

 

 心惹かれる作品を語るときの、

 辻さんのお喋りは、とても楽しそうで、

 読んでいる私たちまで、楽しく、嬉しくなってきますよ。

 

「もッとォ、きかせてほしいィのでス!」

「がるるぐるるる!」(←訳:愉快なお喋りを!)

 

 正統も奇想も、

 正調も破調も、

 全部ひっくるめにしての、

 日本美術の世界へ。

 

 題名には、『最後に』とありますが、

 いやいやいや、

 もっとお話ししてください!と

 ラブコールしたくなる一冊です。

 近代と現代、

 例えば、幕末、明治~昭和初期の日本美術についての

 辻さんの考察は……?

 アート好きな活字マニアさんは、

 ぜひ、一緒にラブコールをお送りくださいね~♪

 

 

コメント
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