テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 天才の謡と歌 ~

2024-10-13 22:03:39 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 でこぴんちゃんッ、おめでとうゥ~!」

「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!次戦もガンバだ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 LAドジャースは勝利して、

 デコピンくんと大谷選手はネクストステージへ……!

 さらなる幸運を!の声援を送りつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― アーサー・ウェイリー ――

 

 

 著者は平川祐弘(ひらかわ・すけひろ)さん、

 2008年11月に発行されました。

 『《源氏物語》の翻訳者』と副題が付されています。

 

「まことのォてんさいィ、なのでスゥ……!」

「ぐるるるるるる!」(←訳:信じられないよ!)

 

 現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』にも登場する、

 日本文学の金字塔『源氏物語』――

 

 アーサー・ウェイリーさん(1889~1966)は、

 『源氏物語』の英訳者さんとして

 文学界に知られる御方です。

 

 いえもう、はっきり言っちゃいますと、

 天才さんです。

 

「うむッ、はいけんッしましょうゥ!」

「がるるぐるる~る!」(←訳:自薦文ありま~す!)

 

 パブリックスクールの名門・ラグビー校から

 ケンブリッジ大学に進学したウェイリーさんは、

 1913年、大英博物館の学芸員職に応募すべく、

 書類を送付しました。

 

 その書類を拝見いたしますと……

 

 楽に読める言語は、

 イタリア語、オランダ語、ポルトガル語、

 フランス語、ドイツ語、スペイン語

 

 流暢に話せる言語は、

 フランス語、ドイツ語、スペイン語

 

 習得した言語は、

 ギリシャ語、ラテン語、ヘブライ語、サンスクリット語

 

 と記されていて……

 

「ふわわあァ~…」

「ぐるるがっるるる……」(←訳:悲しくなってきた……)

 

 極東の島国の、超マイナー言語話者な私たちとしては、

 もうね、膝から崩れ落ちる気分です。

 

 言語大系的に、

 英国に生まれ育ったウェイリーさんが

 欧州の言葉を習得するのは難しくないのかもしれませんが、

 サンスクリット語とヘブライ語、って……。

 

 しかも、この後、

 大英博物館に就職したウェイリーさんは、

 東洋版画・素描部門に配属されたことを機に

 中国語と日本語の習得に乗り出します。

 

 東洋の言語に関しても、

 ウェイリーさんはやはり天才的なお仕事をした、

 というべきでしょうか、

 1918年に『中国の詩170篇』を、

 1919年には『日本の詩歌――うた』、

 1921年には『日本の能』を翻訳刊行、

 そして、

 1925年に。

 

 『源氏物語』英語訳版の第1巻が……!

 

「でましたでスかッ!」

「がるるる!」(←訳:出たんだ!)

 

 著者・平川さんはこの御本で、

 ウェイリーさんの生涯と功績を

 詳細に綴ってゆきます。

 

 中国詩訳に取り組むウェイリーさん、

 夢幻能に挑むウェイリーさん、

 日本語古文に悩むウェイリーさん、

 戦争の足音を聴き取るウェイリーさん……

 

「げきどうのォ、じだいィ……!」

「ぐるるがるるぐるるる……!」(←訳:つらいことも多いんだ……!)

 

 異国の古書が

 現代のことばに

 生まれ変わってゆく手助けを。

 

 版訳とはいかにあるべきか、と

 胸に問いつつ――

 

 大河ドラマ好きな方々に、

 原著や現代語訳『源氏物語』愛読者さんに

 激おすすめの労作です。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

コメント
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