「こんにちわッ、テディちゃでス!
でこぴんちゃんッ、おめでとうゥ~!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!次戦もガンバだ!)
こんにちは、ネーさです。
LAドジャースは勝利して、
デコピンくんと大谷選手はネクストステージへ……!
さらなる幸運を!の声援を送りつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― アーサー・ウェイリー ――
著者は平川祐弘(ひらかわ・すけひろ)さん、
2008年11月に発行されました。
『《源氏物語》の翻訳者』と副題が付されています。
「まことのォてんさいィ、なのでスゥ……!」
「ぐるるるるるる!」(←訳:信じられないよ!)
現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』にも登場する、
日本文学の金字塔『源氏物語』――
アーサー・ウェイリーさん(1889~1966)は、
『源氏物語』の英訳者さんとして
文学界に知られる御方です。
いえもう、はっきり言っちゃいますと、
天才さんです。
「うむッ、はいけんッしましょうゥ!」
「がるるぐるる~る!」(←訳:自薦文ありま~す!)
パブリックスクールの名門・ラグビー校から
ケンブリッジ大学に進学したウェイリーさんは、
1913年、大英博物館の学芸員職に応募すべく、
書類を送付しました。
その書類を拝見いたしますと……
楽に読める言語は、
イタリア語、オランダ語、ポルトガル語、
フランス語、ドイツ語、スペイン語
流暢に話せる言語は、
フランス語、ドイツ語、スペイン語
習得した言語は、
ギリシャ語、ラテン語、ヘブライ語、サンスクリット語
と記されていて……
「ふわわあァ~…」
「ぐるるがっるるる……」(←訳:悲しくなってきた……)
極東の島国の、超マイナー言語話者な私たちとしては、
もうね、膝から崩れ落ちる気分です。
言語大系的に、
英国に生まれ育ったウェイリーさんが
欧州の言葉を習得するのは難しくないのかもしれませんが、
サンスクリット語とヘブライ語、って……。
しかも、この後、
大英博物館に就職したウェイリーさんは、
東洋版画・素描部門に配属されたことを機に
中国語と日本語の習得に乗り出します。
東洋の言語に関しても、
ウェイリーさんはやはり天才的なお仕事をした、
というべきでしょうか、
1918年に『中国の詩170篇』を、
1919年には『日本の詩歌――うた』、
1921年には『日本の能』を翻訳刊行、
そして、
1925年に。
『源氏物語』英語訳版の第1巻が……!
「でましたでスかッ!」
「がるるる!」(←訳:出たんだ!)
著者・平川さんはこの御本で、
ウェイリーさんの生涯と功績を
詳細に綴ってゆきます。
中国詩訳に取り組むウェイリーさん、
夢幻能に挑むウェイリーさん、
日本語古文に悩むウェイリーさん、
戦争の足音を聴き取るウェイリーさん……
「げきどうのォ、じだいィ……!」
「ぐるるがるるぐるるる……!」(←訳:つらいことも多いんだ……!)
異国の古書が
現代のことばに
生まれ変わってゆく手助けを。
版訳とはいかにあるべきか、と
胸に問いつつ――
大河ドラマ好きな方々に、
原著や現代語訳『源氏物語』愛読者さんに
激おすすめの労作です。
本屋さんで、図書館で、
ぜひ、探してみてくださいね~♪