テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― モンスターマスターをしのぶ ―

2015-03-01 21:43:36 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 われらのォ、みすたァーすぽッくゥ!!」
「がるる!ぐるるがるるぐるる!」(←訳:虎です!貴方に長寿と繁栄を!)

 こんにちは、ネーさです。
 『宇宙大作戦』のMr.スポック役で知られるレナード・ニモイさんが
 永眠されました……。
 心より御冥福を祈りつつ、
 本日の読書タイムをニモイさんに捧げます。
 こちらを、どうぞ~!

  



              ―― 本多猪四郎 ――



 著者は切通理作(きりどおし・りさく)さん、2014年11月に発行されました。
 『無冠の巨匠』と副題が、
 『MONSTER MASTER』と英語題名が付されています。

「ええとォ~? ほんださんッ??」
「ぐるるるがるるぐるる?」(←訳:どこかで聞いたような?)

 おそらく、殆どの方々がそう思っていることでしょう?
 本多猪四郎(ほんだ・いしろう)さん?
 名前を耳にした記憶はあるんだけれど、
 どなただったかしら?

 いえ、そんな方々も、聞いたことどころか、
 一度は見たことがあるはずです、本多さんの作品を。

 分かりやすく言うなら、
 円谷英二さんを《特撮の王》と称するのに対し、
 本多さんは――

    《怪獣の王》!

 『ゴジラ』(1954年製作)の監督さんこそ、
 本多猪四郎さんなんですから。

「あはァ! ごじらァ!」
「がるるるぐる!」(←訳:ゴジラのパパ!)

 第二次世界大戦の記憶もまだ生々しかった1950年代半ば、
 『ゴジラ』は海の底から目覚めました。

 彼は、現代の私たちが知るゴジラではありません。
 白と黒の映像の、
 どこかぎこちない動き、
 ヒビ割れたような叫び声で、
 暗い運命と悲劇を背負っていました……

 いわゆる初代『ゴジラ』、
 CGとは無縁の、未知の生物、いえ、
 ジュラ紀/白亜紀の生物です!

「たいへんだァ、とうきょうにィ~!」
「ぐるがるぅ!」(←訳:上陸するぅ!)
「こわいィ~!」
「がるぐるるる!」(←訳:でも憎めない!)

 いまや世界中で愛される怪獣の王・ゴジラ。

 本多さんと製作のスタッフさんたちは
 どうやって『ゴジラ』を創り上げていったのか。
 フィルムの中のこだわり、暗喩、
 『モスラ』『ラドン』等、
 怪獣映画の金字塔の数々。

 そして、『ゴジラ』とは一見かけはなれた、
 文芸色の濃い恋愛ドラマ、SF作品も、
 本多さんの得意とするところでした。

「じつはァ、おーるらうんだァー?」
「がるるるるぐる!」(←訳:ふところが深い!)

 この御本は、
 安易な伝記や評伝とは一線を画しています。

 『ゴジラ』が作られた時代、
 本多さんがギジラに託した想い、
 本多さんとともに怪獣の物語を練り上げていった人々、
 『ゴジラ』を受け止める観客(ファン)の記録――

 《怪獣》映画の記念碑、ともいうべき異色の作品です。

「りきさくでス!」
「ぐるる!」(←訳:超労作!)

 映像マニアさんに、
 もちろん活字マニアさんにも激おすすめの熱いノンフィクション大作、
 御紹介の締めくくりには、
 『パシフィック・リム』監督のギレルモ・デル・トロさんの言葉を
 引用させていただきましょう――


  《僕は怪獣のために生きている。共に彼らを生かそう》




 
 
 
 
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