テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 果蔬とりどり図 ~

2025-01-20 22:03:35 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!

 ほふゥ! たかはしィさァ~んッ!」

「がるる1ぐるがるる~!!」(←訳:虎です!最高すぎる~!!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ドラマ『ホットスポット』第2話、

 満月を背負った異星人・高橋さんのお姿に惚れ惚れ&爆笑~!

 バカリズムさんの脚本と角田さんの熱演に拍手を送りながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらのアート本を、どうぞ~♪

  

 

 

               ―― 若冲 ――

 

 

 監修は狩野博幸(かのう・ひろゆき)さん、

 2024年10月に発行されました。

 『斬新なアイディアと細密な表現、異能の画家の超絶技巧を味わう!』

 と副題が付されています。

 

「おおォ! おえどのォ、まえすとろォ!」

「ぐるがるるー!」(←訳:鶏のセンセ―!)

 

 伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう)さん(1716~1800)。

 

 《奇想の絵師》の一人として脚光を浴び、

 じわじわと注目度が高まっていたところへ

 京都で大規模な展覧会が催行され、人気爆発!

 今では、江戸中期を、

 いえ、江戸期を代表する画家に数えられて、

 フランス・パリでの特別展には

 大行列ができる程の

 ”世界的”なアーティストさんになりました。

 

 かくも大人気の若冲さんですから、

 小さな作品もすべて掘り起こされ、公開されて、

 もはや新発見作品などない、

 と思っていましたが……。

 

「あッたのでスゥ!」

「がるるぐる!」(←訳:大発見だよ!)

 

 2023年2月、

 ”新発見”されたのは、

 『果蔬図巻(かそずかん)』。

 

 全長3メートル余、

 寛政2年(1790年)以前に描かれたとおぼしき、

 絹本着色の巻物は、

 小品とは呼べません。

 丁寧に彩色された、美しい力作です。

 

「やさいィたくさんッ、でスねッ?」

「ぐるるがるるぐる……」(←訳:葡萄に蓮根に和梨……)

 

 野菜を主題にした作品で、よく知られているのは、

 京都国立博物館所蔵の

 『果蔬涅槃図(かそねはんず)』

 でしょうか。

 

 いわゆる涅槃図のパロディーとも、

 供養の意味を持つ真摯な作品なのだとも評される

 『果蔬涅槃図』は、しかし、墨一色のモノクロ作品。

 対して、

 『果蔬図巻』は、多色使いの、カラー作品ですから、

 華やかで、愛らしさがありますね。

 

「ちょッとォ、まんがッぽいィ~でス♫」

「がるるぐるるがるる!」(←訳:ころんころん野菜図!)

 

 『果蔬図鑑』は、

 2025年1月19日、つまり昨日まで

 京都の福田美術館で公開されていました。

 展覧会が終了した今後は、研究と、修復を経て、

 再び公開される予定ですが、

 2~3年は待たなくてはならないようです。

 

 2023年に”新発見”される以前、

 『果蔬図巻』はヨーロッパに在ったらしく、

 あまり保存状態が良くなかったみたいで、

 入念な修復作業が必要なんですって。

 

「うむむふゥ! まッてまスよゥ!」

「ぐるるがっるぐっるるるる!」(←訳:綺麗になって戻ってきてね!)

 

 この御本では、

 『果蔬図巻』”新発見”の経緯や、

 若冲さんの『菜蟲譜』との比較、

 《動植綵絵》シリーズ他代表作の紹介、

 略伝などが収録されています。

 

 若冲さんが西方へと旅立ったのは、85歳のとき――

 晩年まで、絵描きに徹した人生でした。

 日本のどこかに、世界のどこかに、

 まだ見ぬ若冲さんの作品が在ることを想いつつ、

 皆さま、ぜひ、一読を♪

 

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