テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

再会の喜び!

2015-06-20 21:34:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あれッ?? きょうはァ~?」
「がるる!ぐるるるるるがるぅ?」(←訳:虎です!展覧会情報の日じゃ?)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、週末は展覧会情報!が多い拙ブログですが、
 本日は特別に読書タイムですよ♪
 こちらを、どうぞ~!

  



           ―― 銀の匙 Silver Spoon 13 ――



 著者は荒川弘(あらかわ・ひろむ)さん、2015年6月に発行されました。
 近頃は田中芳樹さん原作の『アルスラーン戦記』のコミック化、
 そのコミックをベースにしたアニメ化が評判の
 著者・荒川さんですが……

 いやー、めでたいっ!

「ふァいッ! おめでたいィのでス!」
「ぐっるるる!」(←訳:やったよね!)

 掲載漫画誌に、
 御家族の病気療養ヲサポートするため
 しばらく『銀の匙』執筆がお休みがちになる、
 そうお知らせが記載されて以降、
 長~く休載が続き……

 ああ、これはもう、
 作品は完全中断になってしまうのかしら……

 主人公の八軒勇吾(はちけん・ゆうご)くんの農業高校生活は、
 そして馬術大会の行方は、
 はたしてどうなるのか、
 不明のまま、
 物語は終わってしまうのかしら……

「つづきをォ、よみたいィでスよゥ!」
「がるるるるぅ!」(←訳:知りたいよぅ!)

 と、ため息していたら。

 おお!
 連載再開!
 こうしてコミックス13巻も刊行!!

「きゃッぽゥ!」
「ぐるっ!」(←訳:やたっ!)

 という次第ですので、
 しまった!
 買い忘れてたわ!な『銀の匙』ファンの方々は、
 さあ、本屋さんに急ぎましょう♪
 今週末の読書タイムは、
 八軒くんの●○▲△で◆◇▼▽なインターハイの顛末に
 ねぎらいの拍手を送ってあげてくださいね~♪♪

  

「よろこびのォ、さいかいィをォ~」
「がるぐるる!」(←訳:皆で祝おう!)




    
    では、オマケ画像も、梅雨ですから、こんな感じで。
   
   
    ありふれてますが、
    敢えて青/紫系のアジサイのお花を。
   「テディちゃ、あまがさァ、かッちゃいましたでス!」
   「ぐるるるーるるがるるる♪」(←訳:レインブーツも欲しいね♪)
    
    皆さま、穏やかな休日を。
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《この一枚》を手に。

2015-06-19 21:39:42 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスッ!
 ぶるるる~ッ!」
「がるる!ぐるるるっ!」(←訳:虎です!寒いですっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 梅雨寒ってヤツに見舞われている、ここ東京・八王子……
 厚手のパーカなど着込みながら、
 本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



             ―― キャパへの追走 ――



 著者は沢木耕太郎(さわき・こうたろう)さん、2015年5月に発行されました。
 『Chasing Capa』と英語題名が付されています。
 この御本は、
 2013年に刊行された沢木さん著『キャパの十字架』と対(つい)の、
 或いは双子の兄弟のような存在、と申し上げるべきでしょうか……。

「にてるけどォ、ちがうゥのでス!」
「ぐるがるるるぐるるるるがる!」(←訳:でもお父さんお母さんは同じ!)

 父をローバート・キャパさん、
 母を著者・沢木さんとして誕生した2冊。

 『キャパの十字架』は、
 知らぬ者とてないキャパさんの代表作、
 世界に彼の名を広めた写真《崩れ落ちる兵士》をめぐる御本でした。

 写真が撮影された場所はどこだったのか?
 兵士が崩れ落ち行くあの場面は、
 本当に狙撃された瞬間だったのか?

「すりりんぐなァ、のんふぃくしょんッ、だッたでス!」
「がるるるぐーるるるるる!」(←訳:ほとんどハードボイルド!)

 写真《崩れ落ちる兵士》ただ一枚を追った『キャパの十字架』とは逆に、
 こちらの『キャパへの追走』で沢木さんが探し求めるのは、
 キャパさんが遺したその他の作品――
 《崩れ落ちる兵士》ほど有名ではないけれど、
 これもキャパさんの代表作といえる写真たちの撮影地です。

「ふァ~…せかいィじゅうゥ、でスよゥ!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:遠いとこだね!)

 スペイン、アメリカ、メキシコ、
 イギリス、イタリア、フランス、
 ドイツ、中国、そして日本。

 キャパさんがカメラを向けたそこは、
 現在、どんな様子をしているのだろうか。

 昔のまま?
 それとも、影も形もない、のか……?

「のこッてるゥ、かなァ?」
「がるるっるぅっるぐる?」(←訳:なくなっちゃったかも?)

 追いかける旅。
 回顧する旅。

 御本冒頭の『Ⅰ 旅するキャパ』に記されている
 キャパさんの略伝に愕然とさせられます。

 政情の悪化、戦争の悪化と同調するかのような、
 短い人生――
 『崩れ落ちる兵士』を撮ったのは22歳の時。
 インドネシア戦争下のハノイで亡くなったのは、
 40歳の時でした。

「ううむゥ、わかいィ~…!」
「ぐるるるる~…!」(←訳:惜しまれる~…!)

 沢木さんの旅は、
 キャパさんの人生の軌跡に沿って、
 国から国へ。

 終章『Ⅲ ささやかな巡礼』は
 旅のゴールにふさわしい、
 悲しくも優美な《結び》の記録です。

「ながァいィ、たびでしたでスゥ~…」
「がるぐるるるがるる!」(←訳:いや充実の旅でした!)

 『キャパの十字架』を読んだ御方は、こちらの御本も、ぜひ。
 2015年度のノンフィクションBESTに推したい一冊ですよ!




 

 
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つるりん、は歴史です。

2015-06-18 21:49:20 | ブックス
「こんにちわッ、テデイちゃでス!
 あれもようゥでスよゥ!」
「がるる!ぐるるっ!」(←訳:虎です!嵐ですっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 荒れております、コパ・アメリカが。
 ブラジルのネイマールJrくん、レッドカードは駄目でしょう!
 チリのビダルさん、酒酔い運転でフェラーリ潰したらいかんでしょう!
 悪いことをすると、
 こちらの御本の登場人物さんたちに怒られますよー!

  



             ―― 修道士ファルコ ⑤ ――



 著者は青池保子(あおいけ・やすこ)さん、2015年6月に発行されました。
 ええ、本日の読書タイムはコミック、
 それも、中世の修道院の修道士さんたちが主役!
 という、珍しいテーマの作品です♪

「おぼうさまァ、でスねッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:清廉で清貧!)

 清く、正しく、美しく。
 それが修道士さんたちの生活であろうと思いきや、
 ドイツのリリエンタール修道院で
 日夜聖務に励むお坊さま方は、
 時折り、いえ、非情にしばしば
 サスペンスフルな騒動に巻き込まれます。

 時代は、1370年前後、でしょうか。
 カール四世がドイツを統治していた頃のお話です。

「そういわれてもォ~…」
「がるるるるる!」(←訳:分かりにくい!)

 年代とか王様って言われても
 イメージが湧かないなぁ?と言う御方は、
 ウンベルト・エーコさん著『薔薇の名前』か、
 同名の映画作品を想い浮かべてくださいね。

 『薔薇の名前』は、
 1327年の北イタリアを舞台にした物語でしたが、
 こちらの『修道士ファルコ』も、
 やはり冬には雪深く、
 夏には緑濃い森の地の……

 亡霊と陰謀と横領の物語!

「こッ、こわいィ~ッ!」
「ぐるるがるっる!」(←訳:危険だ中世って!)

 ④巻では、
 廃墟となった湖上の城にまつわる怖ろしい噂と、
 噂に隠された陰謀を突き止めようとする
 修道士さんたちの果敢な行動が描かれました。

 そして、この⑤巻は物語の後半部分、
 陰謀を暴く修道士さんたちと
 暴かせまいと足掻く“悪モノ”側の
 攻防が目玉となります。

「……でもォ、めにィつくのはァ~…」
「がるぐるる!」(←訳:ツルピカ頭!)

 ええ、そうなのよねえ。
 ページのコマを埋めるのは、
 トンスラ(剃髪)という、
 現代ではとーっても珍奇な、ヘアスタイル。

 私たち日本人には、
 日本史の教科書に載っているあの画――
 フランシスコ・ザビエルさんの肖像画でお馴染みですわ♪

「あたまのォ、てッぺんがァ~」
「ぐるるる??」(←訳:つるりん??)

 つるりんは、自然な髪型ではないのです。
 頭頂部を、わざと剃りあげる。
 それが、中世のキリスト教における修道士さんたちの髪型だったのでした
 (トンスラは1968年のバチカン公会議で廃止が決定されました)。

 そんなトンスラスタイルに満ち満ちた修道院の中で、
 唯一、俗世の者のような、
 剃りあげナシ、のヘアスタイルをしているのが
 我らが主人公・ファルコさん。

 或る複雑な事情からトンスラを禁止されている彼は、
 服装をちょこっと変えれば
 修道士には見えない!という利点?のおかげで、
 内外のトラブル解決のため、
 修道院の平和を保つため、
 何かにつけ酷使されることに。

「こんかいィもォ、ふんとうゥしてまス!」
「がるるぐるる!」(←訳:平和のために!)

 準主役さん・脇役さんたちのキレ具合が冴えまくる⑤巻、
 平凡な少女マンガ&少年マンガでは物足りないわ!
 歴史モノが好き!という
 活字マニアさん漫画マニアさんにおすすめです。
 トンスラ溢れる“奇蹟”のコミックを愉しんでくださいね♪




 
 
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工芸はオノマトペ?

2015-06-17 21:46:34 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おォ? とおりィあめッ、かなッ?」
「がるる!ぐるぐるるがる?」(←訳:虎です!いやこれは豪雨?)

 こんにちは、ネーさです。
 雨や雷から避難して、無事お家に帰り着いたら、
 はい! 本日は読書……をサボって展覧会情報の日、ですよ♪
 こちらを、どうぞ~!

  



              ―― ピカ ☆ ボコ ――



 東京都千代田区北の丸公園の東京国立近代美術館工芸館にて、
 会期は2015年7月14日~9月27日(月曜休館、ただし7/20、9/21は開館して7/21と9/24が休館)、
 『Pika☆Boko-An Onomatopoetic Guide to Crafts』と英語題名が、
 『オノマトペで読みとく工芸の魅力』と日本語副題が付されています。

「こッ、これはァ~…?」
「ぐるるがるるる?」(←訳:未確認飛行物体?)

 ええ、ホントにUFO!そっくりな
 ↑チラシ(フライヤー)の画像のコロコロ物体は……
 内藤四郎さん作《蝶とシャボン玉銀香炉》(1984年)です。

「わァッ!こッちもォ!」
「がるるぐる!」(←訳:不思議千万!)

  

 木兎(ミミズク)をかたどった花瓶や、
 雨中で遊ぶ子どもの公達をモデルにしたお人形……
 オノマトペ(擬態語/擬声語)でいうなら、

「ほォ~ほォ~!」
「ぐるぅるぅ!」(←訳:うきゃきゃ!)

 とすると、↓こちらは?

  

「ふァ?? なんでスかァ、これッ??」
「がるるるっ??」(←訳:食虫植物っ??)

 ウツボカヅラか、ハエトリソウか、
 はたまたラフレシアかっ?
 と、観る者をギョっとさせる《花瓶》、《花器》。

 夏休み期間に合わせて開催される
 『ピカ☆ボコ』展では、
 ツヤツヤ、ピカピカ、ボコボコ、ザラザラ、と形容したくなる
 工芸作品たちが展示されます。
 ええ、そう!
 いいですか、チビっコちゃんたち、
 夏休みの宿題を早めに片付けたかったら――

「うむッ! ここにィゆくのだァ!」
「ぐるるる!」(←訳:なるほど!)

 スタンプラリーやセルフガイド、
 ギャラリートーク、ワークショップ他、
 親子で参加できるイベントも多彩です。
 工芸制作が体験できる催事には事前の申し込みが必要ですので、
 美術館にお問い合わせ下さいね。

「しゅくだいがァ、にがてなァ、ちびッこたちよッ!」
「がるるぐる!」(←訳:幸運を祈る!)

 アートで夏休みを楽しむために企画された展覧会へ、
 皆さま、ウキウキとお出掛けを♪





   ではここで、旬なオマケ画像も、どうぞ~!
   
   「あはァ!」
   
   「ぐるるる!」(←訳:咲いたね!)
   ええ、今年も我が家の庭に咲きましたよ、
   私ネーさの大好きなお花、ネジリバナ!
   このネジネジっぷりに、
   梅雨だなぁ初夏だなぁと実感いたします。
   「みなさまもォ、おさがしあれッ!」
   「がるるるる!」(←訳:ネジネジ花!)



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ひとコマむこうの、光と影。

2015-06-16 21:49:58 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あッ! でんでんむしィ、はッけんッ!」
「がるる!ぐるぐるがる!」(←訳:虎です!なかなか俊足!)

 こんにちは、ネーさです。
 じっと観察していると、けっこう動きが速いものですね、カタツムリ君って。
 本日の読書タイムで御紹介する作品も、
 光のように過ぎた一時代を追う映画評論です。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



              ―― 映画の戦後 ――



 著者は川本三郎(かわもと・さぶろう)さん、2015年5月に発行されました。
 御本の表紙になっているふたりの男優さんは、
 高倉健さんと、クリント・イーストウッドさん。

「う~むゥ! かッこよいィでス!」
「ぐるるるがるぅ!」(←訳:ハンサムだなぁ!)

 御二方の、かっこいい!を通り越して美しい写真を見るにつけ、
 俳優論なのかしら?と手に取りましたら、
 これが、正統派……というか、
 奇をてらわない、
 どっしり構えた映画と映画文化を分析している御本、なのです。

 本文は大きく、
 Ⅰ部の『戦後映画の光芒』と
 Ⅱ部の『アメリカの光と影』に分かれ、
 戦後――第二次世界大戦後に制作された映画と
 映画界に係わった人びとが論じられています。

「おッきなァ、すくりーんッ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:映画館は超満員!)

 そうですね、
 現代からは想像しにくいんですけれど、
 ものすごい熱気だったでしょうね。

 次々と封切られるハリウッドの大作。
 対抗するように黒澤明さんの『七人の侍』が公開され、
 その一方で小津安二郎さんが彼独自の作風を仕上げ、
 そして、孤独な渡世人を演じる高倉健さんがいて、
 子役・高峰秀子さんの人気がスパークする……。

「かつてないィ、じだいィ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:映画文化の青春時代!)

 真っ直ぐに育った幼少期から、
 反抗期、
 鬱屈の時代へ。

 Ⅱ部の『アメリカの光と影』では、
 映画大国、つねに映画(と映画文化)を輸出する側であった米国の、
 映画人たちがテーマになっています。

 戦後、西部の男たちがヒーローであったのどかな揺籃期が過ぎ、
 映画界を嵐が見舞いました。
 《赤狩り》という、
 唐突な嵐が。

「だいこんらんッ?」
「がるるぐる?」(←訳:世情のせい?)

 いまもあまり語られることのない、
 政治と映画人の闘い――
 闘いがあったゆえに作られ、世に送り出された名作たち。

 『ケイン号の叛乱』(1954)、
 『十二人の怒れる男』(1957)、
 『イージー・ライダー』(1969)、
 これらの作品の底流に
 映画人たちはどのような
 “赤狩りへの答え”を潜ませていたのか……

 映画論というよりも時代論に近付くこの部分の文章は、
 異様な迫力で読み手に思考を強います。

 なぜ、どうして、こんな泥沼に囚われてしまったのか――

「ひかりとォ、かげはァ~…」
「ぐるるがるるる?」(←訳:いつも表裏一体?)

 映画というモノがあるからこそ生まれた、
 プラスとマイナス、両方の感情と文化。

 映画/映像好きさんに、
 文化史好きな方々にもおすすめの一冊です。
 特に、クリント・イーストウッドさんのファンさんは、ぜひ♪


 
 
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― 夜空の、ひかり ―

2015-06-15 21:32:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いざッ、おーくしょんッかいしィ!」
「がるる!ぐるるるがる?」(←訳:虎です!おいくら万円?)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、本日の読書タイムも梅雨空に負けず
 豪勢なフィクション作品で突っ走りましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



           ―― 星読島に星は流れた ――



 著者は久住四季(くずみ・しき)さん、2015年3月に発行されました。
 文庫がメインのライトノベルの世界で活躍してきた著者・久住さんの、
 この御本は単行本デビュー作なのだそうですよ♪

「わほゥ! めでたやッ♪」
「ぐるるぐるるっ」(←訳:それでそれでっ)
「どんなァおはなしィでスかっ??」

 天文学マニアさんでなくても、
 隕石、というものの存在は知っていますよね。

 私たちに最も身近な、
 “宇宙からの訪問者”である隕石は、
 しかし、そんじょそこらに
 ころころ落ちて来るわけではありません。

 アメリカやロシアの宇宙研究機構は
 地球に落下してきそうなデブリ(宇宙ゴミ)を常にマークしていて、
 監視を怠っていないはずですけれど、
 それでも、今日ここに隕石が落ちてくる!と
 予言することは不可能らしい――

「がくしゃさんたちもォ~」
「がるるる!」(←訳:お手上げ!)

 けれど、もしも。

 数年に一度、
 隕石が定期的に落ちてくる場所がある、としたら、
 どうでしょう?

 しかもね、隕石って、とってもお高いんですって!

「えッ? たかいィのでスかァ?」
「ぐるるる?」(←訳:石ころが?)

 御本の文中には、こう書かれています。

  《最低でも1グラム当たり2ドルぐらい》

「……えッとォ~??」
「がるるぅ?」(←訳:2ドルぅ?)

 なぁんだ安いもんじゃん、と気を抜いてはいけません。

 コレクター間で取引される隕石は、
 それなりの大きさのものばかり。

 石ころ程度の大きさで数十ドル、
 ボーリング球ぐらいのものなら2~3万ドル。

 また、組成や由来によっても値段は変わってきます。
 火星に由来する隕石は1グラムあたり800ドル、
 月由来の隕石は1万ドルを超えることもあるのです。

「ひょえッ! おたかいィ!」
「ぐるぐる!」(←訳:驚きです!)

 定期的に隕石が落ちてくるというそこは、
 孤島。

 アメリカのボストン港沖合いに浮かぶ、
 セントグレース島です。

 個人が所有するこの島へ、
 物語の語り手である日系米国人の
 加藤盤(かとう・ばん)さんは招かれました。

 いえ、加藤さんを含めて7人の男女が
 孤島へと渡ります。

 隕石の落下に立ち会えるかもしれない、
 その隕石を、
 もしかしたら譲ってもらえるかもしれない、と
 それぞれに想い願う7人が……。

「それはァ、ひとはらんッ、ありますゥ!」
「がるるぅぐるるるる!」(←訳:タダじゃ済まないね!)

 ミステリアスな孤島。
 いわくありげな島の主。
 外部と途絶した状況での、事件。

 由緒正しい本格ミステリの“美味しいところ”、いえ、“旨み”を
 ふんだんに取り込んだ小気味よいエンタ作品は
 ミステリ好きさん&全活字マニアさんに
 ぜひのおすすめです。
 わくわくの読書タイムを、お楽しみあれ!
 
 
 
 

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理屈は二の次♪

2015-06-14 21:43:02 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 つゆはァ、じめじめッ!」
「がるる!ぐるるるぅ~」(←訳:虎です!ダルいよぅ~)

 こんにちは、ネーさです。
 はいはい、鬱陶しい梅雨どき……の読書タイムは、
 重い湿気を吹き飛ばす、
 明るく瑞々しいSFミステリ作品を御紹介いたしましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



              ―― 時をかける眼鏡 ――



 著者は椹野道流(ふしの・みちる)さん、2015年1月に発行されました。
 『医学生と、王の死の謎』と副題が付されています。

「むゥ? ときをォかけるゥ~…」
「ぐるがぅるるるぐる??」(←訳:少女じゃなくて眼鏡??)

 ええ、眼鏡です。
 主人公さんも、少女ではなくて、
 医学を学ぶ大学生さんです。

 西條遊馬(さいじょう・あすま)さん、23歳。
 しかし、童顔のせいなのでしょうか、
 面と向かって、
 そこの少年!
 などと呼ばれたりもしています。

「ぷふッ! しょうねんッ!」
「がるるるぐるーるぅるる!」(←訳:よほどのベビーフェイス!)

 少年!と
 遠慮会釈なく“外見重視”な呼び方をするのは、
 遊馬くんが目にしたことのない、
 異様な風体の人びと――

 いえ、周囲を観察した遊馬くんは気付きます。
 
 異様な風体は、僕の方?
 ただひとりヘンテコな格好をして、
 眼鏡をかけて、
 浮きまくっているのは僕の方じゃないか?

「たしかにィ~」
「ぐるるる!」(←訳:ズレてる!)

 なぜ?
 どうなってるんだ、これ?

 映画やTVドラマのスタジオでもなさそうなここは、
 もしかして……

「ふァいッ、そのとーりィ!」
「がるるぐ~る!」(←訳:異世界で~す!)

 タイムスリップか、
 はたまた次元スリップか。

 元の世界とは違う場所に来てしまったらしいと知り、
 呆然とする遊馬くんに、
 さっそく試練が襲いかかります。

 この見知らぬ世界には、
 王さまがいる――すなわち、
 王家がある。

 物語の中の王家というのは
 大概トラブルを抱えているもので、
 遊馬くん、一直線にそのトラブルと係わる羽目になりました。

 どうもね、
 遊馬くんがタイムスリップした理由も
 王家のトラブルと関連があるみたいなんですよ。

「だいがくせいさんにィ~…」
「ぐるるるがるるるっ?」(←訳:その謎が解けるかっ?)

 思えば近年、
 SF/ファンタジーの分野では、
 科学だの理屈だのを優先する作品が主流となっています。
 ナントカ理論?
 ナントカ定理?
 時代考証?
 そんなの二の次!な御本があってもいいじゃありませんか。
 
 気負わずに、楽しく読めるファンタジックな、
 敢えて《荒唐無稽》な物語が。

「おうじさまッ、おひめさまッ!」
「がるぐる!」(←訳:剣と魔法!)
「まじゅつしさんもねッ!」

 いわゆるライトノベルの、
 その“軽さ”が心地よいエンタな一冊です。
 じめじめを追い払いたい活字マニアさんは、ぜひ♪



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タマゴとピヨピヨ。

2015-06-13 21:38:33 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 すいかにィ、ぶどうッ!」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!桃もね!)

 こんにちは、ネーさです。
 初夏はサクランボの季節……と思ったら、
 お店にはもうデラウェアが?小玉スイカが?白桃が?
 うわあ、大好きなアメリカンチェリーはもうなくなっちゃうの?
 と焦ってしまう週末です。
 本日は、こちらの美味しい果物、じゃなくて、
 展覧会情報を、どうぞ~!

  



           ―― 絵の始まり 絵の終わり ――



 東京都小平市の武蔵野美術大学美術館 展示室3、4、アトリウム2にて、
 会期は2015年5月25日~8月16日(日曜と祝日休館、ただし6/14、7/20、8/16は特別開館)、
 『下絵と本絵の物語』と日本語副題が、
 『Paintings Beginnings and Endings』と英語題名が付されています。

「したえェ、ッていうのはァ~」
「ぐるるがる!」(←訳:下書きだね!)

  

 下書き、よりも、もう一歩進んで、
 本絵の構成を確定したものが下絵、でしょうか。

 この、下絵ってヤツがね、
 実に怖ろしいものなのよ。

「おッ、おそろしィ……?」
「がるるぐる?」(←訳:恐怖のモト?)

 下絵の怖ろしさは、
 絵画の制作の過程が分かっちゃう、ということろにあります。

 仕上がった作品とは、
 線の位置がわずかに違う。
 人物の顔の角度が、
 髪型が違う。
 
 もともとは、こうじゃなかった。
 それを画家さんは、試行錯誤しながら、
 少しずつ整え、或いは大きく変更していった。

 そういう過程が、全部見えてしまうのが、下絵の怖ろしさ。

「いちもくゥりょうぜんッ?」
「ぐるぐるっ!」(←訳:バレバレっ!)

  

 日本画における本画とされるもの以外の下図・素描・草稿などを
 展示の主題とするこの展覧会では、
 狩野家模本、
 河鍋暁斎さん、
 竹内栖鳳さん、
 村上華岳さん他、
 16世紀末から近世、現代の画家さんの下絵が展示されます。

 完成された作品だけじゃ満足できない!
 立派なニワトリになる以前のピヨピヨちゃん、
 そのもっと前のタマゴちゃんも観たい!
 そうお考えのアートマニアさんに
 おすすめの展覧会ですよ♪

「ぴよぴよッ?」
「がるるぅ?」(←訳:たまごぉ?)

 西武国分寺線『鷹の台』駅より徒歩18分、
 もしくは、
 JR中央線『国分寺』駅からバスで20分、と
 都心からはちょっと離れておりますので、
 時間に余裕をもってお出掛けを♪




    では、ここで週末のオマケ画像を、じゃじゃん!
   
    JR八王子駅改札そばで出会ったのは、
    東京の北多摩にある
    秋川渓谷をPR中のゆるキャラちゃん、
    《森っこサンちゃん》たち。
   「おおッ? かッぱちゃんッ??」
   「ぐるるがるる!」(←訳:笑顔が眩しい!)
   秋川渓谷は、キャンプ場があることで知られています。
   アートよりもアウトドアだ!という御方は、
   こちらへお出掛けしましょ~♪♪


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“君知るや南の国”へ。

2015-06-12 21:33:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こぱあめりかァ、はじまりましたでス!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!開催国はチリ!)

 こんにちは、ネーさです。
 メッシさんやネイマールさんたちトップスターズが
 母国のために戦うコパ・アメリカ。
 優勝候補はブラジル?アルゼンチン?もしやコロンビア?
 遠くここ日本から見守りつつ、
 読書タイムも忘れずに、さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



             ―― イタリア建築紀行 ――



 著者は渡辺真弓(わたなべ・まゆみ)さん、2015年3月に発行されました。
 『ゲーテと旅する7つの都市』と日本語副題が、
 『con Goethe,ma non troppo』と伊語題名が付されています。

「げーてさんッ、というとォ~…」
「ぐるがーるるる?」(←訳:あのゲーテさん?)

 はい、あのゲーテさんです。 
 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテさん(1749~1832)、
 『若きウェルテルの悩み』『ファウスト』他の作品で
 現代でも“文豪”とされる、あの御方です。

 ゲーテさんはまた、
 ヴァイマール公国の大臣さんでもありました。

「ほほゥ! せいじかさんッ!」
「がるぐるるがるる!」(←訳:大臣なんてすごい!)

 すごい!んですが、
 はたして、ゲーテさん本人はどう感じていたのか――

 頑張ってお仕事をしても目に見える成果はなくて、
 外交政策の助言をしても無視されたり、
 農地の改良も進まない。

    ……あ~あ、なんだか疲れちゃった。
    もう宮廷に行くの、やだ。

「ふァ? あッ、あのゥ??」
「ぐるるるがっるる!」(←訳:おじさんしっかり!)

 1785年、ゲーテさん37歳の夏。

 いざ、出奔!
 ていうか、ほとんど家出!

「えええェ~ッ??」
「がるぅ??」(←訳:家出ぇ??)

 行政職を辞し、保養地カールスバートに滞在していたゲーテさんは
 ヴァイマール公国のカール・アウグスト公と知人に手紙を残し、
 偽名を使って郵便馬車に乗り込みます。

 行く先は、南!
 ずっとずっと憧れていたイタリアへの旅に
 よぉし、出発だ~♪♪

「おしごとをォ、ほうりだしてッ??」
「ぐるるるる!?!」(←訳:イタリアへ!?!)

 これが、のちに『イタリア紀行』として御本になる旅の、始まり始まり。

 そして、
 21世紀の現代、著者・渡辺さんは
 ゲーテさんの旅程をもとに、
 イタリアの7つの都市を巡ります。

 ヴィチェンツァ、パドヴァ、ヴェネツィア、
 アッシージ、ローマ、ナポリ、パレルモ。

 幸いなことに、
 世界遺産だらけの国・イタリアには、
 200年以上も昔にゲーテさんが訪ねた建物、庭園、街並みが、
 ほぼそっくり残っています。

「にほんじんにィとッてはァ~」
「がるるる!」(←訳:羨ましい!)

 実を申しますと、私ネーさ、
 少々怖気づいておりました。
 なんだか難しそうな御本だなぁ、と。

 ですが!
 思いの外に楽しく読めたのです!

 ゲーテさん、《再生》の旅。
 見るもの、聞くもの、味わうもの、
 すべてが彼の細胞に生気を注ぎ込む。
 この旅がなければ、
 『ファウスト』も『ヴィルヘルム・マイスタージンガー』も
 数々の詩集も、生まれることはなかった――

「けッかァ、よければッ」
「ぐるがる!」(←訳:旅もよし!)

 終章『旅の余韻』で描かれる、
 旅のあとのゲーテさんの日々が、
 読み手のこころをさらにギュッとつかみます。

 家族三代、
 ゲーテさんのお父さんが、
 ゲーテさんが、
 そしてゲーテさんの息子さんが、
 イタリア旅行で得たものは……?

「きみしるやァ、みなみのくにィ♪」
「がるるるるぐるるがるる♪」(←訳:レモンの花咲くところ♪)

 皆さまもぜひ、旅の伴走を。



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最高の贅沢って?

2015-06-11 21:40:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 つゆどきはァ~、どくしょたァ~いむゥ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!晴耕雨読だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 外出しにくい梅雨シーズンは、実は年末年始や夏休みよりも
 お家で読書をしよう!という人が増えるのだそうです。
 ならば、本日の読書タイムは、
 “本屋さん案内”の御本を、どうぞ~♪

  



           ―― 絵本とであえる楽しい散歩 ――



 取材と文は野呂由香里さん、上島佳代子さん、呉玲奈さん、
 2014年4月に発行されました。
 『東京・鎌倉・関西のかわいいスポット76件』と副題が付されています。

「おおォ♪ ほんもののォ、ほんやさんでスゥ!」
「ぐるるるがぅるるるる!」(←訳:電子書籍じゃなくてね!)

 別に電子書籍全否定ってわけでもないのですが、
 地方の本屋さんが減っていっていると聞くと、
 やっぱり、本は実店舗の本屋さんで買わなくちゃ!
 って気持ちになります。
 それも、

    大事にしたい一冊はここで買うのに限る!

 そんな思い入れを抱ける本屋さんで。

「じゃあァ、ここでス!」
「がる、がる!」(←訳:ここ、ここ!)

 この御本で紹介されている書店さん&ギャラリーさんは、
 『絵本とであえる』と題名にあることから
 絵本専門店ばかりなのか、と
 思われる方々も多いでしょうけれど、
 そんなことはなく、
 どのお店も、さまざまなスタイルで
 《本》を販売しています。

 神保町の神田古書センター5F、
 『こどもの本 みわ書房』さんには
 児童文学と絵本の古書が並んでいて、
 お客さんは大人が中心。

 昭和どころか、
 明治時代に出版された御本も扱っているそうです。

「もはやァ、あんてィーくゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:神保町らしいね!)

 都心の銀座でこどもの本、ときたら外せないのは、
 『教文館 子どもの本のみせ ナルニア国』さん。

 ギャラリーを併設するお店の品揃えは
 8割近くがロングセラーの定番商品なのだとか。

「とうきょうのォ、つぎはァ~」
「がるるぐるぐる!」(←訳:鎌倉の本屋さん!)

 絵本と、本棚やキャビネットなども販売する
 『syoca(ショカ)』さん。

 日本初のしかけ絵本専門店、
 『しかけえほんshop&工房 Meggendorfer(メッゲンドルファー)』さん。

「かんさいィならばァ~」
「ぐるがる!」(←訳:あの名店!)

 全国の活字マニアさんの憧れ、
 京都の『恵文社 一乗寺店』さん!
 絵本もアート本も文学も!の有名店ですねえ♪

 他にも、
 東京、大阪、軽井沢などの
 絵本カフェ、
 絵本を収集する図書館や美術館、美術館が、
 ずら~っと76♪♪

「あれもォ~これもォ~」
「がるるるるるぅ!」(←訳:買いたくなるぅ!)

 散歩がてら、本屋さんへ。

 これ以上の贅沢は、ちょっとないかも?
 活字マニアの皆さま、
 自宅の近くの“いい店”を、
 この御本を読んで
 開拓してみてくださいね。
 
 
 
 

 
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