テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ネアンデルタールの夕暮れ ~

2017-09-10 21:55:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 げきそうゥしましたでス!」
「がるる!ぐるがるー!」(←訳:虎です!魂の走りー!)

 こんにちは、ネーさです。
 ブエルタ・ア・エスパーニャ2017は第20ステージを消化、
 総合優勝者もほぼ確定、
 ちょうど今はマドリードでの最終ステージが行われている頃……
 選手さんたちのゴール風景を想像しながら、
 さあ、今日も読書タイムですよ♪
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~
 
  



         ―― 歴史はバーで作られる ――



 著者は鯨統一郎(くじら・とういちろう)さん、2017年7月に発行されました。
 『History is made at the bar』と英語題名が付されています。

「むふふゥ! でましたでスねッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:例のスタイル!)

 ええ、そうね、
 著者・鯨さんが得意とする、
 《バーでお酒を飲みながら》の
 安楽椅子探偵ミステリ、
 しかもテーマは歴史!という形式の新シリーズが、
 こちらの御本なんですよ。

 舞台となるのは、
 カウンター7席に、テーブル席も2つだけの小さなバー、
 《シベール》。

 登場人物も、
 女性バーテンダーのミサキさん、
 常連客の村木春造(むらき・しゅんぞう)さん、
 そして、
 新進歴史学者の喜多川武(きたがわ・たけし)さん、
 喜多川さんの弟子である語り手の僕=安田学(やすだ・まなぶ)さん。

 と、4人だけです。

「たッたのォ、よにんッ?」
「がるるるるる!」(←訳:コンパクトだ!)

 或る日曜日、喜多川先生に呼び出された僕=安田くんは、
 先生の祝杯に付き合うことになりました。

 学会誌に掲載された論文の評判が上々で気分も上々な先生と、
 世間知らずな安田くん、
 なんとなく目に入った電飾看板に釣られ、
 《シベール》の扉をくぐります。

「♪のんびりィ~♪おさけをォ~♪」
「ぐるるるる^♪」(←訳:飲みたくて~♪)

 そうよねえ、のんびり祝杯の予定だったんですけどねえ。

 気付けば、なぜか、歴史問答の只中に?

「それッてェもうゥ~」
「がるぐるぅ!」(←訳:運命でしょ!)

 バーテンダーのミサキさんに乗せられたのか、
 喜多川先生と村木さんとミサキさん、
 ひとつのテーマを巡り、
 ああだこうだと話し合う事態になりました。
 すなわち。

   ネアンデルタール人は、
   クロマニヨン人に滅ぼされたのか?

「えんだいィなァ、てーまでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:最先端だよね!)

 ネアンデルタール人がなぜ滅んだのか、
 大いに注目されながら
 現在も研究が続けられているその理由を、
 酒杯を傾けつつ突き詰めてゆけば……

 このお話の題名が
 『ネアンデルタールに花束を』
 であることに、
 深く頷いてしまうんです。

「うむゥ、なるほどォ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:深読みしないと!)

 その次のお話が
 『九町は遠すぎる――八百屋お七異聞』、
 さらに
 『マヤ……恐ろしい文明!』、
 『誰がために銅鐸は鳴る』、
 『論理の八艘飛び――源義経異聞』
 と、ミステリ好き&パロディ好きな方々の
 好奇心が疼く連作短編5作品が収録されています。

「ついついィ、にやりィ!」
「ぐるぐるっ♪」(←訳:くすくすっ♪)

 重たくなりすぎない、
 けれど、さりげなく考えさせられる歴史ミステリ譚を、
 秋の夜の読書タイムに、
 皆さま、ぜひ♪


 
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春信さん、帰省中です。

2017-09-09 22:06:41 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ついかァじょうほうゥ~でスゥ!」
「がるる!ぐぅるるるがるるる!」(←訳:虎です!にゃんこに会えます!)

 こんにちは、ネーさです。
 前々回記事で御紹介しそびれたのですが、
 現在、二子玉川の蔦屋家電さんBOOKフロアにて
 ヒグチユウコさん著『いらないねこ』原画展が開催中です。
 タイミングによっては
 お店にサイン本が並ぶこともありますので、
 ヒグチさんファンの方々はお出掛けしてみてくださいね。
 さあ、ではここからは読書……をサボり、
 週末恒例の展覧会情報を、どうぞ~♪

  



         ―― 江戸の恋―― 鈴木春信 ――



 千葉県千葉市の千葉市美術館にて、
 会期は2017年9月6日~10月23日(休館日は10月2日)、
 『Harunobu from the Museum of Fine Arts,Boston』と英語題名が、
 『ボストン美術館浮世絵名品展』と日本語副題が付されています。

「わほほゥ! うきよえェ~♪」
「ぐるがるる~!」(←訳:色が渋いね~!)

 そうね、春信さんの画は独特の
 “くすみ感”がありますが、
 この色合いの渋さには理由があるのよ。

  

 鈴木春信(すずき・はるのぶ)さん(1725?~1770)は
 享保10年?生まれ、
 明和7年に没した画師さんです。

 つまり、幕末に近い時代に活躍した北斎さんたちと違って、
 春信さんが生きたのは、
 江戸中期の時代でした。

 なので、当然といえば当然なんですけど、
 画材が異なっています。

 春信さんの時代に使われていた顔料は
 植物由来の顔料が主流だったと言われていて、
 これがね、
 色褪せしやすいのよねえ……。

「じゃあァ、もともとはァ~?」
「がっるぐるっる?」(←訳:もっと濃かった?)

 おそらく、
 刷り上がったばかりの頃は、
 画面全体がもっと華やかで艶やかで、
 キラキラしていたと思うわ。

  

 とはいえ、
 この展覧会で展示されるのは、
 米国ボストン美術館が所蔵する名品です。

 世界でも第一級の浮世絵コレクションを誇り、
 最良の保存状態にある春信さんの作品と、
 春信さんと同時代の画師さんたちの作品も併せ、
 約150点が一挙公開!

 春信さんの作品の多くは
 海外に流出してしまっているので、
 貴重なこの機会を江戸アート好きさんは
 どうかお見逃しなく~♪

「いべんともォ、ありまスゥ!」
「ぐるぐるがるる!」(←訳:どんどん行こう!)

 講演会、ワークショップ、市民美術講座、
 ギャラリートークなどのスケジュールと
 申し込み方法については
 美術館HPを御参照くださいね。




    では、ここでオマケ画像も、パクリ!と。
   
    『ハーゲンダッツ』さんの
    《クラシック・コレクション》は、定番の美味!
    「ばにらァ、だいィすきィ!」
    「がるーるるぅーるる!」(←訳:グリーンティーもね!)
    季節の変わり目にさしかかり、
    マスクをしている人も増えているようですね。
    皆さま、ご自愛しつつ、
    ゆったりと穏やかな休日を♪

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地球サイズの、謎解きを。

2017-09-08 22:04:02 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぎんもくせいィのォ~よいィかおりィ~♪」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!咲いたねえ!)

 こんにちは、ネーさです。
 窓を開ければ、銀木犀の香り♪
 秋なのよねえとウットリ……してたら
 意外にも気温が上昇したのでエアコンをONにしながら、
 さあ、読書タイムも秋パワーで!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



         ―― 海に沈んだ大陸の謎 ――



 著者は佐野貴司(さの・たかし)さん、2017年7月に発行されました。
 『最新科学が解き明かす激動の地球史』と副題が付されています。

「むむッ? しずんだァたいりくゥ~? それッてェ~」
「ぐるるるがるるぅ?」(←訳:トンデモですかぁ?)

 まぁそう思っちゃうのも無理はないところよね。
 海中に失われた大陸、と聞いて
 多くの活字マニアさんが思い浮かべるのは……

 プラトンさんが記したアトランティスの伝説や、
 そのアトランティスはどこにあったかの論争、
 幻の大陸に栄えた古代文明の超技術などなど、
 話がトンデモないい方向へ
 スッ飛んでいってしまうのが常なんですけど。

 そこを、グッと堪えて、軌道修正。

 そもそもの基本に戻って考えてみましょう。
 すなわち。

 《海に没した大陸はあったのか否か》

「え~とォ、たぶんッ!」
「がるるぐるるがるぐるるる!」(←訳:確率上では否定できない!)

 著者・佐野さんが選択したのは、
 ファンタジーの視点ではなく、
 地学(地質学)の視点です。

 地球内部の構造や地球の歴史を探る、
 それが地学。

 そして、地学で重要なのは、
 大地をつくる岩石の種類によって
 大陸と海洋底を区別する、という点です。

 その考え方でゆくと、
 たとえ現在は波の下になっていても、
 組成組織が大陸の岩盤である場所は、
 大陸、と呼びます。

「ほぺッ? うみのなかでもォ?」
「ぐるがる?」(←訳:大陸認定?)

 御本の本文は、まず徐に
 第1章『ムー大陸は本当にあったのか?』
 から始まります。

 それは、笑い飛ばしていい中身ゼロの伝説なのか、
 或いは一片の真実を内包しているのかを、

 第2章『南太平洋の失われた大陸』
 第3章『そもそも大陸とは何か』
 第4章『大陸形成の歴史』で
 問いかけてゆきます。

「あはァ! ぷれーとてくとにくすゥ!」
「がるるぐる?」(←訳:地殻の移動?)

 でね、第5章の題名はけっこう衝撃的なのよ。

 『第七の大陸は存在する!』

 ですって!

「えええェッ? そうなのでスかッ?」
「ぐるるー???」(←訳:どこにー???)

 その答えは、
 第7章『超巨大火山と巨大隕石』
 で示唆されます。

 はるかな昔、
 地球で何が起きたのか――

 その痕跡を、私たちは何処に見出すことが出来るのか。

「ふゥむッ! ここがァ、たいりくゥ!」
「がっるるぐるる!」(←訳:びっくりでした!)

 理系ノンフィクショナルな
 “地球サイズの謎解き”を、
 大人さんも子どもさんも、
 文系活字マニアさんもお楽しみあれ!
 地学好きさんは図表の数々も必見です。
 ぜひ、一読を~♪
 


 
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《ねこ》をめぐる世界へ。

2017-09-07 22:14:31 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しょうぶにィ^でたのでス!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!首位に迫れ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 ブエルタ・ア・エスパーニャ2017も早や第17ステージ!
 最終日となる日曜日のゴール地・マドリードを目指し、
 乾坤一擲のアタックが展開されています。
 いいなぁ~現地で観たいなぁ~と顔をニヤけさせつつ、
 さあ、読書タイムも張り切りましょう♪
 本日は、こちらの御本……じゃなくて、
 雑誌を、どうぞ~!

  



        ―― MOE 2017年10月号 ――



 編者は月刊MOE編集部の皆さん、2017年9月に発行されました。
 《絵のある暮らし》をテーマとする人気誌の、
 10月号の特集は!

「にゃんこォ!」
「ぐるる!」(←訳:ネコだ!)
「ひぐちさんッなのでスゥ!」

 はーい、そうです。
 御本の表紙を見れば分かりますよね、
 作家ヒグチユウコさんが大きく特集されていますよ。

 今春には画集『BABEL』が、
 そして新作絵本『いらないねこ』が
 刊行されたばかりのヒグチさん。

 ゴールデンウィークには東京で、
 夏休み期には京都で『BABEL』原画展も開催され、
 大人気&大盛況でしたが、
 この『MOE』特集号も一見の、
 いえ、一見以上の価値があります。

「すごいィのはァ、これでスッ!」
「がるぐるる!」(←訳:全力Q&A!)

 書評誌などでは、
 読者さんから寄せられた質問に著者さんが答える、
 といった企画がありますけれど、
 ヒグチさんが
 読者さんからの30の質問に答えた方法というのが。

 描き下ろしの、絵と文!

 これがまた、
 絵本的であり、マンガ風でもあり、
 メモ用紙に記された本音のようでもあり、
 実にインパクト大!

「よみごたえもォ~」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:見応えもあります!)

 私ネーさ、
 2016年のBESTBOOKとして
 ヒグチユウコさん著『好きになったら』を推しました。

 同じくらいおすすめしたかったのが
 やはりヒグチさんの作品の
 『ふたりのねこ』
 『せかいいちのねこ』です。

   あたし猫は好きじゃないんだけど?

 日頃はそう思っている御方の世界観を
 あっさり、すっぱり変えてしまう
 はてしなくうつくしく、
 また怖ろしくさえある絵ものがたりを、
 続刊『いらないねこ』とともに、
 どうか、ぜひ一読を!

 そして、
 ヒグチさんの御本をもっと読みたい!と感じた方々は、
 この『MOE』を手掛かりに、
 ヒグチさんの数々のお仕事についての知識を
 ググッと深めてくださいな♪

「おまけもォ、ついてまスゥ~!」
「がるるるるる!」(←訳:可愛いんだよ!)

  

 ↑貴重な付録は
 とじこみの『《いらないねこ》シール』と、
 『かわいい形の猫便箋』。
 これはもう、可愛すぎて完全保存版です♪
 
 
 
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~ 朝顔のひと ~

2017-09-06 22:02:32 | ミュゼ
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♪きぶんはァ~♪おかいものォ~♪」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!秋物の服!)

 こんにちは、ネーさです。
 ブエルタ開催中のスペインはまだ暑いようですが、
 日本の、特にここ関東は急速に秋めいてきました。
 駅ビルの本屋さんへ行くつもりが、
 ついフラフラとファッションのフロアへ……
 ついでに、読書タイムもサボって、
 本日は、こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪
 
  



           ―― 藤島武二 展 ――



 東京都練馬区の練馬区立美術館にて、
 会期は2017年7月23日~9月18日(月曜休館)、
 『生誕150年記念』と銘打たれた企画展ですよ。

「ふァ~…きれいィ~…」
「ぐるるがる~…」(←訳:きれいだね~…)

 ↑上の画像の、
 展覧会のチラシ(フライヤー)を飾っているのは、
 藤島さんの代表作
 《婦人と朝顔》(1904年)です。

 もうね、こういう“美”を前にしたらね、
 言葉なんて無用だわ、
 皆さま、あとはよろしく!ってことで
 今日の記事はもうお終いにしようかと――

「ぶゥー! だめェでス!」
「がるぐるがるる!」(←訳:もう少し説明を!)

 う? わ、わかりました、えーとね……
 
  

 藤島武二(ふじしま・たけじ)さん(1867~1943)は
 薩摩藩士の三男として
 鹿児島県に生まれました。
 
 17歳で上京し、画塾に学んだ後、
 中学校の教員さんを3年間勤めます。

 ひとつの転機となったのは、
 1896年(明治29年)、
 当時の画壇の実力者・黒田清輝さんの推薦を得て
 東京美術学校西洋画科の助教授になったこと、でしょうか。

「だいばッてきィ~!」
「ぐるる!」(←訳:だよね!)

 さらに、藤島さんは、羽ばたきます。

 フランス、そしてイタリアへも留学!
 帝展に話題作を発表し続け、
 後進の育成に力を注いで、
 第1回文化勲章受章、
 また、佐伯祐三さん、小磯良平さん、猪熊弦一郎さん他
 次世代の画家さんたちに
 大きな影響を与えました……

「ふァ~、けいれきィもォ~」
「がるっ!」(←訳:すごっ!)
 
  

 この展覧会では、
 藤島さんが留学先で師と仰いだフェルナン・コルモンさん、
 恩人とも言える黒田清輝さんの作品を含めて
 初公開となる作品や資料を含む約160点が紹介されます。

 明治の洋画がお好きなアートマニアさんにおすすめの
 練馬区独立70周年記念展は、
 残すところあと僅か――18日まで。

「もよりのォえきはッ?」
「ぐるるるるがる!」(←訳:西武池袋線です!)

 ええ、美術館最寄りの駅は、
 西武池袋線の中村橋駅になります。
 
 晩夏、いえ、初秋の休日に
 皆さま、ぜひ、お出掛けを♪
 



   では、今日はオマケ画像も秋仕様で!
   
   『ロッテ』さんの
   《パイの実 シロノワール》は
   ホットドリンクと一緒にいただきたいお菓子ですね。
   「あッぷるてィ~♪」
   「がるぅぐる!」(←訳:カフェオレ!)
   ほうじ茶にも合う……かな?



   
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《ひみつ》を予習?

2017-09-05 22:07:32 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 またしてもォ、ふんばりィどころッ!」
「がるる!ぐるがるー!」(←訳:虎です!TTだぞー!)

 こんにちは、ネーさです。
 ブエルタ・ア・エスパーニャ2017は、
 移動を兼ねた休息日を挟んで、今日火曜日は個人タイムトライアル!
 勝負の最終週、王手をかけるのは誰だ?
 栄冠の行方に思い馳せながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



         ―― 怖い絵のひみつ。 ――



 著者は中野京子(なかの・きょうこ)さん、2017年7月に発行されました。
 現在、神戸の兵庫県立美術館で開催されている
 《怖い絵展》の公式スペシャルブックでもあります。

 拙ブログでも度々ご紹介しております、
 著者・中野さんの《怖い絵》シリーズ――

 日本の美術評論に大きな影響を与え、
 いまや翻訳されて外国でも出版されているという《怖い絵》たちが、
 実体験、いえ、実観賞できる企画展となって
 日本の各地を巡回するとは……

「ゆめェみたいィでスねッ!」
「ぐるがるるるる?」(←訳:狐に化かされた?)

 いえ、化かされてはいないようですよ。

 この御本では、
 《怖い絵展の見どころ》として
 17点の絵画に関する資料や由来が語られています。

 その中には、
 書籍《怖い絵》シリーズで取り上げられた作品もあれば、
 おそらく多くのアート好きさんが
 えっ?
 と目を瞠るに違いない
 新たな《怖い絵》もここで初登場いたしますよ。

「むゥ? えェとォ、それはァ~…」
「がるぐる?」(←訳:これかな?)

 私ネーさが、
 ええっ?誤植じゃないわよね?と驚いたのは、
 御本の本文50ページから55ページにかけて
 作品の背景が詳しく解説されている
 ポール・セザンヌさんの某作品。

 作品の題名は、ここには敢えて記しません。

 題名を書いてしまいますとね、
 一種のネタばらしになってしまいますので、
 どうか皆さんが御自身で、
 このページの、この作品の、
 題名と題名が意味するものへと
 辿り着いていただきたいのですけれど……

 セザンヌさんが!
 あのセザンヌさんが、
 こういう画も描いていたとは!

「きッとォ、おおぜいィのォひとがッ」
「ぐっるる!」(←訳:びっくり!)

 御本の後半には、
 30周年を記念する大作『この世の春』上下巻が刊行されたばかりの
 作家・宮部みゆきさんと
 著者・中野さんの対談や、
 《怖い絵》を収蔵ずる美術館のMAP、
 展覧会の会場で販売されているグッズの数々も
 掲載されています。

「ぽすとかーどォ♪」
「がるるるぐるるる!」(←訳:お菓子やアロマも!)

 《怖い絵展》が、
 神戸での展示を終え、
 東京に巡回してくるのは
 10月になります。

 関東圏にお住まいの《怖い絵》ファンの方々は、
 展覧会開催前の予習に、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
  
 
 
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ミュージアムの秘密?

2017-09-04 22:22:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くさかりさんッ、かッこいいィ~!」
「がるる!ぐるるーがる!」(←訳:虎です!ブラボーです!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日9月3日放送のNHK『美の壺』で
 小泉八雲さんにふんした草刈正雄さんが素晴らしかった~!!!
 あまりの素晴らしさに
 八雲さんのドラマを草刈さん主演で撮ってほしいわ!
 脚本は三谷幸喜さんでどうかしら?
 と空想を暴走させている私ネーさです。
 おっと、妄想にブレーキをかけ、さあ、ここからは読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



         ―― ぐるぐる博物館 ――



 著者は三浦しをんさん、2017年6月に発行されました。
 『GURUGURU♥MUSEUM』と英語題名が付されています。

「たァのしィ~いィ、はくぶつかんッめぐりィ!」
「ぐるがぅるるぅるぐる!」(←訳:ノンフィクションです!)

 ええ、この作品は小説ではなく、
 ノンフィクション……ていうか、
 アート評論の範疇に入るんでしょうか。

 《旅先で博物館を発見したら、とりあえず入ってみる》

 と、御本の『はじめに』で記している著者・三浦さん、
 本当に博物館がお好きなようで……
 
 本文は、第一章、第二章と区切る代わりに
 第1館から第10館、という具合に
 博物館10館の訪問記で構成されているんですが。

 その第1館が、
 土器ですよ、土器!

「ふァ~…どきィ~…」
「がるるぅ~…」(←訳:土器かぁ~…)

 歴史的にも美術的にも
 土器は重要なんだってこと、分かってます。

 分かってますけどね、
 色合いが地味なせいでしょうか、
 素材のせいでしょうか、
 博物館の土器展示コーナーは
 つい急ぎ足で通り過ぎてしまうんですよね。

「ふつうゥはァ、ねェ~…」
「ぐるるるがる~」(←訳:そうなるよね~)

 そんな、“地味の頂点”=土器が一杯な
 『茅野市尖石縄文考古館』を、
 三浦さんは第1館に選びました。

 尖石(とがりいし)移籍の出土品をベースとした
 この博物館がまた、
 予想以上に土器土器土器だらけで、
 学芸員さんの解説も面白くて……

 読み手の私たちにも、
 三浦さんの熱が伝わってくるんです。

 土器って、もしかしたら
 すっごく面白いものかもしれない!――と。

「ふむむゥ、なるほどォ~!」
「がるぐぅるるるる~!」(←訳:地味じゃないのか~!)

 縄文土器の魅力を語る第1館に続き、
 三浦さんが巡るのは
 
 第2館『国立科学博物館』
 第3館『龍谷ミュージアム』
 第4館『奇岩博物館』
 第5館『大牟田市石炭産業科学館』
 第6館『雲仙岳災害記念館』
 第7館『石ノ森萬画館』
 第8館『風俗資料館』
 第9館『めがねミュージアム』
 第10館『ボタンの博物館』。

 オマケ的な寄り道も含めながら、
 それぞれの博物館が背負ってきたもの、
 未来へ伝えてゆかねばならぬ事々を、
 しっかり、見届けてゆく――

「みなさんッ、かッこいいィ!」
「ぐるるがるぐるるー!」(←訳:博物館にもブラボー!)

 博物館好きな御方に、
 ノンフィクション好きな御方にも
 おすすめしたい《ミュージアムの秘密》を、
 皆さま、ぜひ、一読してくださいね~♪
 
 
 
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霧の道を抜けて。

2017-09-03 22:16:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうはァ、おひさしぶりにィ~どらまちッくゥ!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!劇的展開!)

 こんにちは、ネーさです。
 ブエルタ・ア・エスパーニャ2017は佳境に入っておりますが、
 本日の読書タイムもブエルタに負けぬハラハラドキドキの
 長編小説作品を御紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



         ―― 秋霧 (しゅうむ) ――



 著者は大倉崇裕(おおくら・たかひろ)さん、2017年7月に発行されました。
 現在放送中のTVドラマ『警視庁いきもの係』の原作者である
 著者・大倉さんが描く“山岳サスペンス”!です。
 
「ふむゥ? いきものがかりィとはァ~…」
「ぐるるがるる!」(←訳:雰囲気違うね!)

 動物たちへの共感とともに
 ユーモアもしっかり織り込まれている『いきもの係』とは異なり、
 こちらの御本は冒頭からサスペンス全開です。

 お掃除、車の運転など、
 いろいろな“代行業”が定着しつつある現代で、
 もっとも万能な“代行業”といえば。

 便利屋さん、でしょうか。

「なんでもやさんッ!」
「がぅるるぐるる!」(←訳:ジャンル問わず!)

 倉持(くらもち)さんは
 東京の月島をホームタウンとして活動する
 地域密着型の便利屋さんです。

 買い物代行、電気製品の修理、
 トラブルの解決他、頼まれれば何でもやり、
 徐々に評判が広まった今は
 便利や稼業も軌道に乗っておりました、が。

 今回の依頼は、
 いささか特殊で、
 気持ちも滅入る……。

「じゃあぁ、ことわればッ?」
「ぐるるるる?」(←訳:断れないの?)

 依頼人の男性は、
 経済界でも有名な、
 大企業の会長さんです。

 依頼の内容も、
 八ヶ岳へ行って、
 登山の過程を撮影してきてほしい、というもの。

 学生時代、
 何度か八ヶ岳に登った経験を持つ倉持さん、
 軽快しつつも
 さして難しいことではなかろうと、
 依頼を受諾します。

 ……それが、
 こんな事態になってしまうとは!

「ただのォやまのぼりィがッ?」
「がるるぐるぅ!」(←訳:大事件だよぅ!)

 便利屋・倉持さんとほぼ同時に、
 ものがたりの始まりから登場するのは、
 元自衛隊特殊部隊に所属していた
 離島防衛のエキスパート、という人物です。

 サスペンス度を加速させる彼の存在が、
 倉持さんの身を危険な目に――?

「ううゥ! そのさきィはァ~」
「ぐるがる!」(←訳:秘密です!)

 ストーリーをバラしちゃう訳には参りませんので、
 これから先は、
 御自身の眼で文字を追い、
 倉持さんは放り込まれた《謎》の本丸を
 追いかけてくださいね。

 時間を忘れて夢中になれる小説を探してます!という
 ミステリ好き&サスペンス好きな活字マニアさんに
 おすすめの力作、
 ぜひ、一読を~♪
 

 
 
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~ 虫たちのパラダイス ~

2017-09-02 22:10:19 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おにわでェ~♪りィ~んッりィ~んッ♪」
「がるる!ぐるるる~♪」(←訳:虎です!チルルル~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 不思議なことに、9月に入った途端、
 庭の主役はセミくんからコオロギくんたちへ急変?
 ならば、活躍ついでに、
 本日お送りする読書……じゃなくて展覧会情報も、
 虫くんたちにタイトルを背負っていただきましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



           ―― 虫尽くし 展 ――



 静岡県三島市の佐野美術館にて、
 会期は2017年9月9日~11月5日(木曜休館)、
 『アートはいつだってムシであふれている』と副題が付されています。

「あはァ♪ これェ、かわいいィ~!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:花と蝶と蜻蛉!)

 ↑上の画像の、
 チラシ(フライヤー)表面上部に印刷されているのは
 葛飾北斎さんの『南瓜花群虫図』(天保14年/1843年制作)です。

 それに、北斎さんは『北斎漫画』の中でも
 虫たちを描いていますね。

 ↓下の画像の、上部に写っているのが『北斎漫画』の
 ムシのページですよ。
 
  

「おッ! こッちのはァ、しぶいィ~でス!」
「がるるるる!」(←訳:刀剣にも虫!)

 上の画像下段の
 刀の拵(こしらえ)にも、虫、虫、虫……
 なんと31匹もの虫が意匠の中に潜んでいるのだそうよ。
 
「ほんとうにィ、むしめがねェ、ひつようゥでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:極小の虫世界!)
 
  

「うごくゥかまきりィもッ?」
「がるるぐるがる!」(←訳:関節も羽も動く!)

  

 “勝ち虫”としてお武家さんに好まれたトンボ、
 昔は虫の同類とされていたガマガエル、
 バッタにミノムシ、蜘蛛、ムカデ……

 季節と呼応する虫尽くしの企画展は、
 前期が9月9日~10月4日、
 後期が10月6日~11月5日、と
 2期に分けて展示が行われ、
 一部作品の入れ替えが予定されています。

 北斎さんの『北斎漫画』は前期、
 『南瓜花群虫図』は後期に出展されます
 (詳細については美術館HPを御参照ください)。

「いべんともォ、ありまスゥ!」
「ぐるるるるがっる!」(←訳:虫かご作りだって!)

 大人を対象としたイベント、
 《駿河竹千筋細工の虫かごをつくろう!(*有料です)》へ、
 手先の器用さにかけては負けないわ!という御方は、ぜひ!
 また、同趣旨の小中学生対象講座も開催されますので、
 ムシ好きチビっ子さんたちも、
 美術館へ、お出掛けを~♪
 
 
 
 
    では、9月最初のオマケ画像も、ここでドン! 
   
    こちらは『森永製菓』さんの
    《ステラおばさんのチョコチップクッキー》!
    「さッくりィ~なのにィ~」
    「がるる!」(←訳:濃ゆい!)
    晩夏と秋が同居する9月初旬は
    寒暖差が大きくて早くも風邪流行の兆し?
    皆さま、薄着にならぬよう用心しながら
    どうか穏やかな休日を♪


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トラか?ネコか?

2017-09-01 22:00:47 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 わーるどかッぷゥへェ、とつげきィ~でス!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!切符獲得~!)

 こんにちは、ネーさです。
 めでたくも日本代表はロシアW杯予選を勝ち抜けましたが、
 欧州各国の予選は大変なんです。
 9月2日はスペインとイタリアが激突!
 勝者はどちらだ?とハラハラしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアートブックを、どうぞ~♪
 
  



     ―― かわいい こわい おもしろい 長沢芦雪 ――



 著者は岡田秀之(おかだ・ひでゆき)さん、2017年7月に発行されました。
 題名にあります『長沢芦雪(ながさわ・ろせつ)』は、
 『長澤芦雪』と表記されることもありますが、
 日本美術好きな方々は既に御存知ですね、
 江戸中期、京都を中心に活躍した画家さんです♪

「えッとォ~、これはァ……にゃんこォ??」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:違うよトラだよ!)

 そうね、そうなのよね、
 御本の表紙になっているのは
 《水呑虎図》(天明6年/1786年以前に制作?)。

 個人の所蔵品となっているため
 ほとんど公開されていない“虎”なんですけど、
 これと似ていなくもない“虎”ちゃんがいます。

 和歌山の南部、
 串本無量寺のために描かれた、
 芦雪さんの代表作として名高い
 《虎図・龍図襖》(天明6年制作)の《虎図》は、

 顔だけ見れば虎……
 いや、ヒゲが猫っぽい……
 爪は虎だよね……
 全体のバランスはトラ縞ネコだわ……

 と、以前からウワサになっているんです。

 はたして芦雪さんは、
 ネコをモデルにしてトラを描いたのか?
 それとも、
 わざとトラと見間違えるようなネコを描いたのか?

「むむゥ~んッ!」
「がっるるぐるるるる!」(←訳:どっちも有り得そう!)

 かようにユーモアあふれる画を描いた芦雪さんですから、
 現代でいうなら
 “キャラ系”の可愛い画と申しますか、
 グッズ化したなら大好評を博すこと確実の
 仔犬ちゃんたち、
 ネズミくん、
 スズメちゃんも
 しっかり画題にしております。

 芦雪さんのお師匠さんの
 丸山応挙さん(1733~1795)も
 仔犬ちゃんの画を得意とされていましたが、
 芦雪さんのワンコたちはもっとモフモフしていて、
 手触り良さそうなのよね。

「うさぎもォ、かいてまスゥ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:お猿さんやオウムも!)
「がまがえるゥもッ!」

 そしてもちろん、
 ニャンコ&ワンコだけではありません、
 日本画に於ける大テーマ《富士山》、
 中国の故事に題をとった神仙さんたち、
 禅画も描いておりますけれど。

 芦雪さんの生涯、
 画業の全貌は、まだまだ、謎に包まれています。

 芦雪さんの宝暦4年(1754年)に生まれ、
 寛政11年(1799年)に没しました。

 45年という短い生涯……
 その最後はどういうものだったのか、
 いまも判然としていません。

「ふしぎなァ、おかたでスゥ!」
「がるるるるる!」(←訳:ミステリアス!)

 伊藤若冲さんが大ブレイクした余波で、
 江戸期の画家さんたちに
 あらためて視線が注がれている中、
 若冲さん大好きなアート好きさんは
 芦雪さんにも注目してみてくださいな。

 この御本はそんな“芦雪さん入門”に
 ぴったりの一冊です。

 トラなのかネコなのか、
 正体不明なかわいいトラネコ?ちゃんを、
 ぜひぜひ、御覧あれ
 

 
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