テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

あれもこれも新展開?

2018-04-10 21:10:56 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おおォ~♪ あざやかァ~むらさきィいろッ♪」
「がるる!ぐるるっるがるるるるぅ!」(←訳:虎です!フジ色って言わなくちゃ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ここ東京・八王子では藤の花が咲き始めました。
 いつもの年よりずいぶん早い気がしますが、
 風に揺れる花房を見上げながら、
 さあ、今日も読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



         ―― スティール・キス ――



 著者はジェフリー・ディーヴァーさん、
 原著は2016年に、画像の日本語版は2017年10月に発行されました。
 英語原題は『THE STEEL KISS』、
 著者・ディーヴァーさんの代表作《リンカーン・ライム》シリーズの、
 第12作目です。

「らいむゥおじさんッ、おかえりィなさいィ!」
「ぐっるるがる!」(←訳:待ってた新作!)

 12――
 すなわち“ダース”という単位を重視する西洋の社会では、
 この御本は記念すべき節目にあたる作品、と言えますね。

 シリーズ第一作『ボーン・コレクター』原著が刊行されたのは
 1997年のことでした。

 事故によって車椅子の捜査官となった、
 いわゆる“安楽椅子探偵”の
 リンカーン・ライムさんを中心に、
 相棒のアメリア・サックス刑事、
 ロナルド・プラスキー巡査、
 メル・クーパー捜査官ほかの面々が
 リンカーンさんの“手足”代わりとなって
 難事件を解決してゆく様子は、
 警察小説であり、
 群像劇でもあり、
 相棒(バディ)ストーリーでもあり、
 読み手はいつもハラハラドキドキ……させられていたのが?

「あれれッ? こんかいィはァ~?」
「がるるぐる!」(←訳:空気がヘン!)

 犯罪現場で犯人を追い、
 鑑識捜査をするアメリアさんに
 いつも的確な指示を送り、
 叱咤していたリンカーンさんの声が途絶えている……?

 まさか病気?
 手足の麻痺が進行しちゃったの?
 高血圧で入院とか?と
 私たちが心配になりかけたところで、
 ふっと現れるのは。

 刑事司法大学の、
 リンカーン・ライム教授です。

「きょッ、きょうじゅゥ??」
「ぐるるるがるる!」(←訳:ホントに教授だ!)

 現場鑑識基礎、
 そして、
 先端化学および凶悪事件現場に共通する物質の電子顕微鏡を含む機械分析、
 という講座を受け持つ教師となったライムさん、
 もはや警察の顧問ではなく、
 アメリアさんとともに
 事件の捜査に乗り出すことはありません。

 ありません、が、しかし――

「じけんのォほうゥがァ~」
「がっるるるるる!」(←訳:放っとかないよ!)

 アメリアさんはいつものように警官として事件を、
 リンカーンさんは
 なんと民事事件の訴訟に係わることになって、
 ふたりはそれぞれの道を行く……と思いきや?

「なぞがァ、きゅうゥせッきんッ?」
「ぐるるがるる?」(←訳:もしや犯人も?)

 もどかしさに溜め息させられる前半から、
 物語が後半にさしかかると、
 はい、事件は急展開の連続!
 
 未詳40号。
 アメリアさんが追跡する犯人は、
 その居所は――

「きたいどおりのォ~?」
「がるるるぐる?」(←訳:ワクワク再開?)

 ハズレくじのない宝くじを引く気分で、
 ミステリ好きの皆さん、
 ぜひ、一読を~♪

 
 
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~ 糸のメモワール ~

2018-04-09 22:15:19 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥ~きィ~とォ~ばァ~さァ~るゥ~ッ!」
「がるる!ぐるがるるぅ!」(←訳:虎です!春の嵐だよぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 昼間は吹き荒れた暴風もようやく止んで、
 肩のチカラをホッと脱き、
 サッカー日本代表の監督解任のニュースにおののき、
 MLBの大谷くんの偉業にまたも驚かされたりしながら、
 さあ、一日の締めくくりは読書タイムです♪
 本日は、こちらの短編小説集を、どうぞ~!
 
  



         ―― 口笛の上手な白雪姫 ――



 著者は小川洋子(おがわ・ようこ)さん、2018年1月に発行されました。
 多くのファンさんが待望していた小川さんの新刊には
 短篇8作品が収録されています。

「ふァ~! こんかいィのォ、だいめいィもォ~…」
「ぐるるるるるぅ!」(←訳:ミステリアスぅ!)

 『口笛の上手な白雪姫』――

 この題名に、私たち読み手の脳裏には
 どんなイメージが湧いてくるかというと……

 ディズニー映画の、白雪姫でしょうか。
 図書館の児童書コーナーに置かれている
 幾種類もの絵本でしょうか。

 それとも、お姫さまや魔女の図像ではなく、
 七人の小人たちが住んでいた小さな家、
 白雪姫の避難場所となった
 森の奥の小屋の様子でしょうか。

「ありそうでェ、ないィのでス!」
「がるるる!」(←訳:小さな家!)

 もしも、そんな小屋があったなら。

 ディズニーの物語を知っている女の子たちは
 憧憬の眼差しを向けちゃうわよね。

 アーチの扉、
 赤レンガの煙突、
 鎧戸月の窓に、三角の屋根。

 ついつい扉のノッカーをコンコンとしたくなるけれど、
 その小さなお家に実際に暮らしているのは……?

「ふしぎなァ、じんぶつゥ!」
「ぐるがるるるるぐっるがる!」(←訳:音楽みたいなひとだね!)

 目にはさだかに見えぬとも、
 わずかな隙間から忍び出て、
 いちしか四辺に満ちる音楽のような、
 小さな家の住人のものがたり
 『口笛の上手な白雪姫』は、
 本文の8番目――御本の最後に収められています。

 読後、ずしりとこころに残るこの表題作品は、
 そのまま映像にしたいほど
 完成された《画》を有していますが、
 私ネーさが激おすすめしたいもう一作は、
 
 『亡き王女のための刺繍』。

「ごほんのォ、にばんめッ!」
「がるるるぐるがるるるる!」(←訳:2番目に収録されてます!)

 こちらは、アイロンがけの匂いと、
 規則正しいミシンの音と、
 指に最初はひんやりと冷たく、
 少しずつ肌の熱になじんでゆく針の感覚が手に甦るような、
 《糸》のメモワールです。

 洋裁や和裁、
 布仕事に愛着を持つ御方にとっては
 素通りできない、
 さまざまな記憶を呼び起こす回想と、
 悲嘆のカケラと。

「こッちはァ、えいがァじゃなくてェ~」
「ぐるるるるるるがるる!」(←訳:ラジオドラマがいいな!)

 読み手の想像力を
 大きく掻き立てる語りのちから。

 発表時のものに加筆修正、
 再構成した、といいますから、
 雑誌に載ったときにもう読んだわ!という御方も、
 どうかぜひ、
 あらためて単行本を手に取ってみてくださいね♪
 
 
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必然の光。

2018-04-08 22:20:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうはァ、はなまつりィ~♪」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!静かな祝祭!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日4月8日はお釈迦さまの誕生日――花祭り。
 ならば読書タイムも
 古代の偉人さんに登場していただきましょう。
 こちらを、どうぞ~♪

  



      ―― ギリシア人の物語Ⅲ 新しき力 ――



 著者は塩野七生(しおの・ななみ)さん、2017年12月に発行されました。
 第1巻『民主政の始まり』
 第2巻『民主政の成熟と崩壊』に続く
 《ギリシア人の物語》第3巻は、
 表紙のお写真から、いえ、御本の雰囲気からも判りますね。

 マケドニアの若き王、アレクサンドロス。

「じつざいのォ、じんぶつゥでスけどォ~…」
「ぐるるるがる!」(←訳:ほとんど神話!)

 ええ、そうよね、
 確かにこの世に存在した、
 ノンフィクショナルな存在――
 それがアレクサンドロスさん、なのですが。

 伝えられているその偉業の、
 凄まじさゆえか、まばゆさゆえか、
 私たちはなかなか実感できません。

 彼は、どんなひとであったのか。

 もちろん賢く、
 もちろん武勇に長けた超一流の武将であり、
 もちろん好奇心あふれる科学者であり、
 もちろん、
 歴史に類例なき征服者であった……けれども。

 そのこころを、誰が知ろう?

「しおのさんにはァ~…」
「がるぐる!」(←訳:解るかも!)

 アレクサンドロス王に捧げるこの一冊を、
 しかし、著者・塩野さんは
 不穏な気配を漂わせながら語り始めます。

 ギリシアの、都市(ポリス)体制が
 崩壊しようとしている――

 政治・軍事・経済・文化、すべての点で
 アテネは沈み、
 スパルタは次代の覇権国家足りえず、
 テーベは勝者になり切れない……。

「でもォ、うまれたのでスゥ!」
「ぐるるるるるがるるぐるる!」(←訳:マケドニアに新しい生命が!)

 崩壊の後に射す
 一条の光――

 ギリシアの北方にあるマケドニアは
 王政の国家でした。

 同じギリシア語を話してはいても、
 都市国家ではないマケドニアを
 アテネやスパルタの人々は“後進”の国と
 見做していたかもしれません。

 そのマケドイア王国の、
 フィリッポス二世を父に、
 隣国エピロスのオリンピアス王女を母に、
 紀元前356年7月、
 男児が誕生します。

 黒色の巻き毛を持つ少年が
 初陣を飾ったのは17歳のとき。

 そして、20歳。

 彼は、父王を喪いました、が。

「おうざがァ!」
「がるぐるる!」(←訳:すぐそこに!)

 そう、王座が空となっても、
 そこにひょひょいっと座れるとは限りません。

 自力で勝ち取り、
 自力で維持し、
 自力で治めねばならない――

 まだ見ぬ自分の王国を。

「せかいのォはてまでッ!」
「ぐるるるー!」(←訳:遠征の旅ー!)

 短くも濃く、
 余人に為し得ない《王の夢》を
 塩野さんは一字一字に思いのたけを託し、
 問いかけます。

 彼は、何者だったのか?

「ゆいいつのォ、おうさまッ!」
「がるぐっるるるるがるるるる!」(←訳:誰も会ったことのないような!)

 御本の巻末には、
 アレクアンドロス王の年表、
 ヘレニズムの彫刻の写真と、
 塩野さんによる
 『十七歳の夏――読者に』
 と題された短い文章も収録されています。

 塩野さんのファンの方々にとっては
 涙腺をじわじわと刺激されるこの“最後のページ”まで、
 どうか皆さま、
 一読ならぬ熟読を、ぜひ!
  

 
 
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看板が輝く、20世紀。

2018-04-07 22:10:15 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しゅうまつゥなのにィ~??」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!お片付けです!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、真夜中のことでございました。
 突如、本棚で部分的な崩落!
 というか、ちょっとした雪崩が発生したのです(涙)。
 なので、朝から片付け作業にアタフタしている本日は、
 読書をサボり、こちらの展覧会情報を、どうぞ~!

  



            ―― 看板建築 展 ――



 東京・小金井市の江戸東京たてもの園 展示室にて、
 会期は2018年3月20日~7月8日
 (月曜休園、ただし月曜が祝日の場合は翌日が休園し、4/9と5/1は臨時開園)、
 『Signboard Architecture』と英語題名が付されています。

「なづけおやはァ、ふじもりィさんッ!」
「ぐっるるるがるぐるる!」(←訳:きっかけは震災でした!)

  

 1923年(大正2年)、9月1日。
 
 関東の南部と周辺地域を
 マグニチュード7.9の地震が襲いました。

 その後、灰燼に帰した東京の街には、
 仮説の住宅や、商店が立ち並んで――

「うむッ? みなれぬゥ、たてものがァ??」
「がるるるるぐるるる?」(←訳:お店であり家であり?)

 真っ平らな建物の正面(ファサード)には、
 銅版やタイルが張られ、
 お店の名前(屋号)や、
 扱う商品を表わす図像やロゴなどが
 絵が描かれることもありました。

 それが、看板建築!

「さいきんはァ、しょうすうはァ~でスけどォ」
「ぐるっるるる!」(←訳:頑張ってます!)
 
  

 江戸東京たてもの園には、
 東京の歴史を語る看板建築6棟が移築・復元されています。

 この展覧会では
 看板建築が誕生するきっかけとなった関東大震災、
 震災後に建てられた仮設住宅の姿などとともに
 看板建築の特徴を詳しく紹介しています。

「こうえんかいィ、ありまスよゥ!」
「がるるるるー!」(←訳:申し込もうー!)

 建築家さんにして建築史家さん、
 江戸東京博物館の館長さんでもある
 藤森照信さんが講師をつとめる講演会
 《看板建築発見記録》(仮題)が
 6月16日の14:00~15:30に開催されます!

「わほゥ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:ステキな企画!)

 定員80名、
 申し込み方法は事前申込制、
 申し込み多数の場合は抽選、というこの講演会、
 もちろん大人気になること間違いなしですね。
 藤森さんのお話を聴きたい御方は、
 さあ、早目にお申込みを!
 
 
 

    では、ここで本棚整理の疲れを癒すオマケ画像も。
   
    『ネスレ』さんの
    《WONKA エディブルガーデン》は、
    活字マニアさんにもお馴染み、
    あのチョコレート工場から送られてきた
    期間限定味のチョコレートです♪
    「とろけるゥ~?」
    「がるぐる?」(←訳:抹茶風味?)
    甘いチョコをかじりながら、
    お片付けはまだまだ続きます……
    ハナミズキとボタンがほころび、
    タンポポの黄色が野を覆う春の休日を、
    皆さまは、どうか穏やかに過ごしてくださいね~♪


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散歩の先には、ミュージアム。

2018-04-06 22:10:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あうゥ、あさからァ~しょんぼりィ~…」
「がるる!ぐるがーる!」(←訳:虎です!高畑さーん!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日4月6日朝、飛び込んできた高畑勲さんの訃報……
 『ルパン三世』を、そして
 『アルプスの少女ハイジ』を創った高畑さんの功績を
 私たちは決して忘れません。
 偉大なクリエイターさんの魂を見送りながら、
 さあ、本日の読書タイムは
 きっと高畑さんも大好きになってくれたに違いない
 こちらの御御本を、どうぞ~♪

  



         ―― ぶらぶらミュージアム ――



 著者は大田垣晴子(おおたがき・せいこ)さん、2018年1月に発行されました。
 雑誌『散歩の達人』に2013年春~2017年秋にかけて連載された
 大田垣さんの“ミュージアムさんぽ”の記録が
 この一冊になりましたよ。

「あれれッ?? ないィでスねッ??」
「ぐるるがる!」(←訳:写真がない!)

 ええ、この御本には
 著者・大田垣さんが巡った45のミュージアム探訪記が
 収録されていますが、
 一般的なガイド本とは異なって、
 美術館の外観写真、
 建物内部を撮った写真も
 まったく載っていません。

 でも、そこがいいのよね~♪

「あはァ! きょうりゅうゥ~!」
「がるるるぅ!」(←訳:がいこつぅ!)

 本文13ページから24ページにかけては
 東京国立博物館や、
 国立科学博物館地球館、
 国立科学博物館日本館が紹介されています。

 土偶、根付、
 ダイオウイカ、ティラノサウルス、アンモナイト、
 旧石器人の化石、日本最古の地球儀(レプリカ)など、
 写真だと“ありきたり”になってしまうモノたちが、
 大田垣さんのイラストで表現されると
 本当に活き活きとしていて、
 可愛らしい!

「ふうけいィもォ、すてきィでス!」
「ぐるがるる!」(←訳:光の具合が!)

 根津美術館のお庭を描いた99ページ、
 東洋文庫ミュージアムの書庫を描いた178ページも
 イラストならではの愛らしさ、親近感が
 私たち読み手のココロをぐいっと掴みます。

 いい感じだなぁ~、ここ。
 こんな場所でのんびりしたい、
 絵画や古書に夢中になってみたい……。

「ぷらねたりむゥもォ、いいなッ♪」
「がっるるーるるぐるる!」(←訳:カップヌードル作りも!)

 45のミュージアムは

 【一日遊べるミュージアム】
 【体験するって素晴らしい】
 【人類の挑戦!】
 【ある芸術家の人生】
 【和に浸る一日】
 【建物も美しいのです】
 【現代美術はおもしろい!】
 【おいしいミュージアム】
 【学校へ行こう!】
 【下町でリラックス】
 【本とその周辺へ】

 というパートに分けられ、
 各館の特長や見どころ、グッズ、
 豆知識なども描き込まれています。

 どんなにヘソマガリな活字マニアさんも、
 45のミュージアムのどれかは、
 きっと……お気に召すはず?

「たとえばァ~!」
「ぐーるるがるるるぐるる?」(←訳:ビールの記念館はいかが?)

 美しいもの、
 楽しいもの、
 美味しいものの誘惑には逆らえませんよね。

 アート好きさんも
 お出掛け好きな御方も、
 大田垣さんのミュージアム散歩案内、
 ぜひ、一読を♪ 

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~ 夢幻の水晶 ~

2018-04-05 22:14:59 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでッス!
 ふわわァ! おおたにィくんがァ、すごいィ~!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!映画みたいだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 日頃はあまり野球に興味を持てぬ私ネーさをも引きずり込む、
 MLBエンゼルスの大谷さんの活躍に
 もうポカ~ンとなってます。
 今日だけではなく、
 明日も明後日も大谷さんが活躍することを祈りながら、
 さあ、本日の読書タイムは
 こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



           ―― 闇の虹水晶 ――



 著者は乾石智子(いぬいし・ともこ)さん、
 画像の単行本は2012年12月に発行されました。
 現在は文庫化(2018年3月刊)もされていますよ。

「おおッ? ふぁんたじーでスねッ!」
「ぐるるるるぅ!」(←訳:お久しぶりぃ!)

 はい、この御本はジャンルでいうなら、ファンタジー。
 それも、日本人作家さんによる
 “別世界”型のファンタジー作品をご紹介するのは
 とても久しぶりのような気がします。

「べつのォせかいィ??」
「がるぐるがるるる!」(←訳:日本とはまるで別!)

 日本の気候や地理的条件と
 かけ離れたそこは、
 砂漠があり、
 オアシスがあり、
 ラクダと馬が都市をつなぐ世界――

 そこに、ひとりの青年がいます。

「ぜんとォ、ようようゥ?」
「ぐぅっるがるるるるぐるる!」(←訳:ちょっと変わり者だけど!)

 その青年、
 ナイトゥルさんは創石師。
 
 『ナイア』と称される創石師は
 特別な上に特別な存在です。

    心に水晶の鉱脈を持ち、
    一世代に一人現れるという、
    大地から祝福を受けた者。

 ひとの想いを、石に創り変えることが出来る、
 痛みを石に変えたりするのはもとより、
 優れた創石師は
 病気の原因を石に変えて
 命を救うことさえ可能だ、と
 言い伝えられている存在なのです。

「まほうゥのようでェ~」
「がるぐぅるるるる?」(←訳:魔法じゃないんだ?)

 魔法とはまったく異なるこのチカラは
 能力、とも言い切れません。

 ナイトゥルさん、
 自分の能力をコントロールできません。
 人の想いを石にすることは出来ても、
 それがどのような石になるのか、
 見当もつかないのですから。

 そして、
 こちらもやはりコントロール不可能な、
 大きな出来事が、或る日、
 彼の頭上に降ってきました。

「こッこれはァ、だれにもォ~!」
「ぐるるるーるがるぅ!」(←訳:コントロール無理ぃ!)

 その大きな出来事とは、戦争。

 ナイトゥルさんの家族も、国も、
 すべてが戦争の渦に呑みこまれ、
 消えてゆこうとしています。

 ただ彼だけを残して。

「ええッ? ひとりィだけッ??」
「がるるるぅっるる?」(←訳:残されちゃったの?)

 創石という能力を有するゆえに生命を拾い、
 またそのために
 一族の最期を見届けねばならぬ不運、不幸。

 ひたすら自分を呪いながら、
 創石師のつとめをこなしてゆく彼の身に、
 またしても苦難が降りかかります。

「ううゥ、またァでスかッ?」
「ぐるがるー!」(←訳:勘弁してー!)

 戦乱の中、
 創石師ナイトゥルさんの、生きる道は?
 どこかに、あるのか――
 細く、今にも闇に埋もれそうな、
 光の一筋が?
 
 ネタばれ回避のため、
 残念ながら
 ストーリーに関してこれ以上はお話しはできませんけれども、
 著者・乾石さんが構築する豊かな別世界へ、
 どうか、皆さまもぜひ!!

 
 
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ふたりそれぞれ、織り成す美。

2018-04-04 21:49:59 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうはァ~ひどすぎィまス!」
「がるる!ぐるがるるー!」(←訳:虎です!発熱レベルー!)

 こんにちは、ネーさです。
 花粉が……花粉が飛びまくって……
 それにユーヴェがコテンパンに負かされて……
 ええ、私ネーさ、ドン底です。
 涙がポロポロと止まらないこんな春の日は、
 ぐすん、読書をサボり、
 ↓こちらの展覧会情報を、ぐすん、どうぞ~!
 
  



             ―― 光琳と乾山 ――



 東京・港区の根津美術館にて、
 会期は2018年4月14日~5月13日(月曜休館、ただし4/30は開館)、
 『Korin and Kenzan:Brother Artists,Resonating Aesthetics』
 と英語題名が、
 『―芸術家兄弟・響き合う美意識―』と日本語副題が付されています。

「ふァいッ! おがたァこうりんさんッとォいえばァ~…!」
「ぐるがるぐ!」(←訳:これだよぅ!)

  

 『燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)』(18世紀)。

 尾形光琳さん(1658~1716)の代表作にして、
 国宝に指定されている傑作ですね。

 そして、光琳さんの弟さん、
 尾形乾山(おがた・けんざん)さん(1663~1743)さんもまた、
 日本美術史上に名高いアーティストさんです。

「やきものォ、わんだふるゥ!」
「がるる!ぐるる!」(←訳:この色!かたち!)

  

 4月14日から根津美術館で開催される特別展では、
 第1章『光琳の絵画』
 第2章『乾山のうつわ』
 第3章『乾山の書画』
 の三部構成をもって
 光琳さん&乾山さん兄弟の名品多数を展示します。

「かきつばたのォ、びょうぶゥもォ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:もちろん出展!)

 なお、
 前期(4/14/~4/27)と
 後期(4/28~5/13)で
 一部作品の展示替えが行われます。
 スペシャルトーク(4/28)や、
 モーニングレクチャー(4/17と4/27の午前11時~)、
 イブニングレクチャー(5/8の午後5時30分)など
 イベントの詳細については
 美術館HPを御覧くださいね。

「おにわもォ、きれいィでスよゥ!」
「がるるるるぐるるるる!」(←訳:カキツバタ咲くんです!)

 美術館庭園のカキツバタの見頃は、
 毎年4月末から5月の上旬頃まで。

 お出掛けの折は、お花見物も、ぜひ♪
 
 


    さて、今回のオマケ画像なんですが……
   
   「たいへんッ! とけちゃうゥ~!」
   「ぐぅるるがるるぅ!」(←訳:チョコが溶けるぅ!)
   
    チョコレートも溶けてしまいそうな初夏の陽気は
    今日で終わり……だといいのですが。
    ショコラマニアの皆さま、
    大好物の温度管理は、念入りにー!


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出逢いがオシャレじゃなくたって。

2018-04-03 20:49:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うんッ? いまッてェ~、ごがつゥ?」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!6月かも!)

 こんにちは、ネーさです。
 暑さのあまりアイスクリームをぱくぱくと平らげつつ、
 一日目は京都ガイド、
 二日目はエッセイ作品、と進んできた新年度の読書タイム、
 三日目の今日にしてようやく、
 ↓こちらの小説作品を、さあ、どうぞ~♪

  



            ―― アナログ ――



 著者はビートたけしさん、2017年9月に発行されました。
 活字マニアの皆さまには今さら説明の必要もない、
 ビートたけしさん(=北野武さん)による恋愛小説として
 大きな反響を呼んだ御本ですね。
 
「れんあいィしょうせつゥ??」
「ぐるるるがぅるる?」(←訳:任侠モノじゃなく?)

 映画監督・北野武さんの作品の傾向が
 バイオレンス物に偏っている印象が強いせいか、
 小説家・ビートたけしさんにも
 私たちは勝手に期待してしまいます。

 たけしさんが本気で書く小説なら、
 北欧ミステリのような警察小説や、
 R・チャンドラーさんのようなハードボイルド、
 エンタなギャング小説だよね!と。

「でもォ、あえてッ!」
「がるるぐるー!」(←訳:期待をスルー!)

 寄せられる期待を、
 たけしさんが薄々察していなかったはずはありません。
 いえ、おそらくは重々承知していたに違いなく。

 それでいて、たけしさんが選んだのは。

「ぼうりょくゥ、なしィ!」
「ぐるがる!」(←訳:純情あり!)

 主人公の水島悟(みずしま・さとる)さんは
 インテリアデザイン会社に勤務するデザイナーさんです。
 
 独身、30代、仕事もデキる、と来れば、
 悟さんのPCやスマホには
 ガールフレンドの連絡先がずら~り……?

「あれれッ??」
「がるるぐぅるる??」(←訳:ずらりじゃない??)

 悟さん、SNSに興味なし。

 あ、お仕事の関係のメールにはきちんと応対できますし、
 自分からデータを送信したりも出来るんですけど。

 ネットが私生活の細部にまで侵入してくるのは、
 どうも好きになれない。

「ふむむゥ、だからァでスねッ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:出逢いは喫茶店で!)

 オシャレなカフェ、じゃないところが
 悟さんの悟さんらしさでしょうか。

 けれど、悟さんはこの出逢いに満足しているのです。

 喫茶店『ピアノ』で会った、
 みゆきさん。

 連絡先を知らない――訊ねなかった。

 住所も知らない――訊くなんて思いもつかなかった。

 職業も、生まれた場所も、
 その他の何も知らなくても、
 彼女に対する想いは変わらない。

「がんばッてェ、さとるさんッ!」
「がるるぐるがるる!」(←訳:周りも絶賛応援中!)

 友人、いえ、悪友さんたちは、
 悟さんの純情な交際ぶりを笑いのネタにしながらも
 全力で応援してくれています。

 はたして、悟さんに一途な、
 アナログな恋の行方は……?

「みのるとォいいなァ~♪」
「ぐるるがるる~♪」(←訳:実るといいね~♪)

 あまり考え過ぎず。
 余分な情報に惑わされず、
 素直に、真っ直ぐに。

 そうすれば、著者さんの思い描いた物語が
 すとん、と心に入ってくるでしょうか。
 悟さんの眼に見えたものが
 私たちの目にも見えるでしょうか。

 春の読書タイムに、
 皆さま、ぜひ♪
 
 

 
 
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― 窓辺の星 ―

2018-04-02 22:09:04 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ひゃわわァ? ちゅーりっぷのォ、あらしィ~!」
「がるる!ぐるがるぐるる!」(←訳:虎です!色も形も多彩!)

 こんにちは、ネーさです。
 サクラを気にして目線を上にばかり向けていましたが、
 あらら~道路際の花壇ではチューリップが元気に咲いています。
 赤が目立つなぁ~ピンクと白も可愛いなぁ~と
 ほっこりな心地にさせられながら、
 はい、今日もそろそろ読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



       ―― 思えば、孤独は美しい。 ――



 著者は糸井重里(いとい・しげさと)さん、2017年12月に発行されました。
 『Lonely is beautiful.』と英語題名が付されているこの御本は、
 う~む、何と言ったらいいんでしょう?
 エッセイ集? 詩集?

「おしゃしんもォ、のッてまスゥ!」
「ぐるるるがる?」(←訳:イラストもね!)

 著者・糸井さんが
 『ほぼ日刊イトイ新聞』上に毎日発表している
 “エッセイのような”文章、
 『今日のダーリン』を中心にセレクトして
 一年に一冊ずつ、
 本にしている《小さいことば》シリーズ。

 この御本は《小さいことば》シリーズの最新刊であり、
 実は私ネーさ、
 3月下旬に御紹介しようと考えて、
 準備をしていたのですが。

 アクシデントが発生しました。

「びッくりィしましたでス!」
「がるるるるるぐる……」(←訳:どうしたものやら……)

 この御本は、『孤独』と題されてはいますが、
 決して、さびしく孤立しているのではありません。

 表紙の、ページの、
 あらゆる端々に、濃く強く刻印されているのは、
 糸井さんが愛犬ブイヨンちゃんに注ぐ愛情です。

 ヒグチユウコさんが描く表紙画の主役は、
 ブイヨンちゃん。

 糸井さんと一緒に散歩するブイヨンちゃんの写真。

 部屋で糸井さん――おとうさんに寄り添い、
 甘え、くつろぐ、
 ブイヨンちゃんの寝姿。

 そのブイヨンちゃんが、
 先頃、虹の橋のたもとへと旅立ちました。

「あんまりィ、とつぜんすぎてェ~…」
「ぐるがるるるるる~…」(←訳:今も信じられない~…)

 ジャックラッセルテリアのブイヨンちゃん
 (愛称はブイちゃん)、
 この御本の中では、
 人間のおとうさんおかあさんとの楽しい日々を過ごしています。

 楽しく幸せそうなブイちゃんの写真は、
 『ほぼ日』ファンの方々には
 喜びであり、
 しかし同時に寂寥をおぼえずにはいられないものでしょう。

「ぶいィちゃんッ……!」
「がるぐるるる……?」(←訳:もう会えない……?)

 御本の冒頭には、
 レヴィ=ストロースさんの言葉

  《世界は人間なしに始まったし、
   人間なしに終わるだろう》

 をイトイさん的にヒネった一文が掲げられています。

  《じぶんが生まれてくる前にも、世界はあったし、
   じぶんが死んでしまった後にも、世界はある。
   そのことが、なんだかさみしくてしょうがない。》

「ふァいィ、さみしィ~でスゥ~…」
「ぐるるるがるぐるるるるぅ~…」(←訳:さみしいでは足りないよぅ~…)

 ブイちゃんと、おとうさんを取り囲む毎日。
 おとうさんが撮る、ブイちゃんの笑顔。

 愛犬――いえ、そこにいるのはもはや、愛する家族。

 ブイヨンちゃんに捧げられたこの美しい本を、
 ワンコ好きな方々、
 活字マニアの皆さまも、
 どうか、ぜひ、一読を。

 
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今日から、京都マニア♪

2018-04-01 22:12:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 しんねんどォ~はじまりましたでス!」
「がるる1ぐるがる!」(←訳:虎です!4月だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 桜吹雪が春の空に舞い、
 スミレやスイセン、
 ユキヤナギの花々が美しい4月の読書タイムは、
 さあ、先ずは、こちらの御本から、どうぞ~♪

  



        ―― 京都人の密かな愉しみ ――



 監修はNHK『京都人の密かな愉しみ』制作班の皆さん+源孝志さん、
 2018年3月に発行されました。
 『Le Charme discret des gens deKyoto』と
 仏語題名が付されています。
 
 2015年から2017年にかけて
 NHK・BSプレミアムで放送されたドラマ
 『京都人の密かな愉しみ』――

 現在も時折り再放送されたり、
 シーズン2ともいえる
 『京都人の密かな愉しみ Blue 修行中』が
 ポツポツと放送されたりしていますから、
 TVドラマ好きな方々は御存知でしょうかしら。

「ふァいッ! テディちゃッ、はいけんッしましたでス!」
「ぐるるるるがるるる……!」(←訳:観ているとだんだん……!)
「きょうとォまにあァにィ、なッちゃうゥ!」

 この御本は、
 『京都人の密かな愉しみ』のドラマ案内のパートと、
 京都の街ガイド&知識ガイドのパートから
 構成されています。

 放送時間は30分、
 ドラマの合間には突然ドキュメンタリータッチの解説や、
 京料理や歴史、豆知識が紹介されたり、と
 なかなかにヘンテコっぷりを発揮していた作品でしたが、
 書籍化されても、やっぱりヘンテコ……いえ、ユニークで。

「きょうとォはァ~、じつにィ~」
「がるる!」(←訳:奥深い!)

 ドラマの主人公のひとりであり、
 また狂言回し的な役どころでもある
 人類学者のエドワード・ヒースローさんは
 ことあるごとに独白します。

  《この国には二種類の人間がいる。
   日本人と、
   そして京都人だ。》

 ですから、ヒースローさんの眼は、
 京都人ではない私たちの眼でもあるわけで、
 そこに映る京都人さんの言動とは……?

「まかァふしぎィ!」
「ぐるるるぅ~」(←訳:難儀やなぁ~)

 そんなヘンテコドラマを、
 制作者さんたちはどう発想し、
 作っていったのか。

 ドラマ制作に携わるのは
 脚本家さん、俳優さんたちばかりではありません。

 京ことばを指導する御方、
 料理を監修する御方、
 主演の常盤貴子さんがまとう和服・和装品を担当する御方、
 京都出身の助監督さんなど、
 時代劇とも
 普通のTVドラマとも微妙に異なる
 《京》の専門家さんたちが結集して
 一話一話が練り上げられてゆく――

「えいがもォ~てれびィどらまァもォ~」
「がるるぐるるぐるがるる!」(←訳:知識と知恵の結晶だねえ!)

 ちなみに、
 『京都人の密かな愉しみ』の中で
 私ネーさが大好きなのは

 『真名井の女』と
 『木屋町 珈琲夢譚』という御話です。

 BSでの再放送にぶつかったら、
 活字マニアの皆さまも御覧になってみてくださいね。
 特に『真名井の女』は、
 小泉八雲さんや泉鏡花さんが好きな方々に
 おすすめですよ。
 
  

 なお、書店さんでは、↑こんな風に
 帯が掛けられています。
 旅行ガイドのコーナー、
 映画TV関連本のコーナーで、
 ぜひ、お探しを♪

「よみおわればァ、きッとォ~」
「ぐるるがるぐるる!」(←訳:貴方も京都マニア!)


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