テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 宵の街に、ほのかな灯 ~

2020-10-21 22:11:07 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうはァ~ひさしぶりィにィ~!」
「がるる!ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!展覧会ネタです!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい! 
 本日は、久々に読書をスパッとサボっての
 展覧会情報をお送りしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  


 
   ―― 紅葉とたてもののライトアップ ――



 東京・小金井市の江戸東京たてもの園では、
 2020年11月22日(日曜日)と23日(祝日)の2日間、
 16:30~20:00に
 『夜間特別開園』が予定されています。

「すいッちィ、おんッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:照らし出すぞ!)

  

 多くの美術館に続いて、
 博物館など公的施設も、
 手探り状態ではありますけれど、
 企画展やイベントが
 開催される動きになってきましたね。

 江戸東京たてもの園でも、
 今週末の10月24日からは
 企画展の

 《ぬくもりと希望の空間~大銭湯展(2期)》

 が開幕いたしますよ。

「おふろやさんッ!」
「がっるるるる~る!」(←訳:あったまりた~い!)

 そして、
 11月後半の連休には、

 《紅葉とたてもののライトアップ》

 で、夜のたてもの園を楽しもう!という次第ですね。
 
  

 私ネーさ、ようやく最近、
 本気を出してTVドラマを観るようになったのですが、
 少し調べてみましたら、
 ここ『江戸東京たてもの園』で
 撮影をしているドラマ番組って
 けっこうあるらしくて。

 NHKでは
 『純情きらり』『とと姉ちゃん』といった朝ドラ、
 先日はBSテレ東の
 『名建築で昼食を』にも登場していました。

「ふんいきィ、いいかんじィ~なのでス!」
「ぐるがるるぐる!」(←訳:壁や屋根の質感!)

 《紅葉とたてもののライトアップ》企画は、
 荒天時は中止となりますので、
 お出掛け前には
 空模様と、博物館HPを
 チェックしてくださいね。

 東京は遠いわぁ~…という御方は、
 見るだけでも充分に楽しい
 『江戸東京たてもの園』のHPを
 ぜひ、覗いてみてくださいな。
 
「けんちくゥ、だいすきなァ~かたがたにィ!」
「がるるるぐる!」(←訳:おすすめです!)





    では、ここでオマケ画像も!
   
    『森永製菓』さんの
    《ホワイトチョコチップクッキー》は
    期間限定の新製品です♪
    「かふェおれェにィ、あいまスゥ!」
    「ぐるるるぅーるるる!」(←訳:ミルクティーにもね!)
    おやつタイムに、ぜひ♫

  
 
 
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~ 若君に 知恵ありや ~

2020-10-20 23:43:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おかえりィなさいッ、みゅうじッくゥてィ~!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!華麗なる転職!)

 こんにちは、ネーさです。
 NHK朝ドラ『エール』の大人気キャラ、
 ミュージックティーチャーが
 タロットティーチャーへと変身して帰ってきました♪
 明日以降も大活躍してくれることを願いながら、
 さあ、ここからは読書タイムです。
 本日は、“華麗”つながりで、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

    ―― 探偵は御簾(みす)の中 ――



 著者は汀こるもの さん、2020年5月に発行されました。
 『検非違使と奥さまの平安事件簿』と
 副題が付されています。

 表紙はコミック風のイラストで、
 題名・副題からは時代背景や設定もわかりやすくて、
 全体にポップなデザインの文庫で、
 となると、
 ああ、これってライトノベルなのね、と
 思われる御方もおられましょうが……

「だまされてはァ、いけないィのでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:クセ者だよう!)

 著者・汀(みぎわ)さんの
 メフィスト賞を受賞したデビュー作
 『パラダイス・クローズド』は
 堂々たる本格ミステリでした。

 なので、私ネーさ、邪推いたしましたよ。

 あの怪作をモノした作家さんが、
 フツーの平安王朝ミステリを書くはずはないわ!

「そしたらァ、やぱりィ!」
「がるる!」(←訳:来たね!)

 名家の次男坊ちゃまであるせいか、
 のんびりと優しい性格の、
 祐高(すけたか)さん。

 同じく名家のお姫さまの、
 頭脳明晰、文才も豊かな、
 忍(しのぶ)さん。

 このおふたりは、
 大恋愛の末……ではなく、
 それぞれのお家の都合で、
 結婚するに到りました。

「つまりィ~…」
「ぐるがる!」(←訳:政略結婚!)

 オトナたちの駆け引きで
 仕立て上げられた婚姻、ではあったものの、
 若君・祐高さんと
 姫君・忍さん、
 意外にも相性が良かったようです。

 結婚以来、8年。
 家の内に波風が立つこともなく、
 祐高さんは順調に出世して、
 いまや、都の平穏の守り手――
 検非違使のトップ!

 朝廷の重鎮のひとり、
 と言える立ち位置です。

「わおゥ! はくしゅゥ!」
「ぐるっるるる!」(←訳:頑張ってるね!)

 検非違使のお仕事はハードワーク。

 忍さんの出産を祝って宴三昧したくとも、
 呼び出されれば
 事件現場に急行しなくてはなりません。

 そして、
 厄介な人間関係を上手に捌きつつ、
 犯人を特定し、
 人びとの不安を取り除かなくては。

「でもォ、このォじけんッ!」
「がるるるるるるぅ~…」(←訳:入り組んでるなぁ~…)

 忍さんの知恵を借り、
 自分自身でも頭脳をフル回転させ、
 祐高さんは事件の解決……というより、
 “穏便な着地点“を探し求めます。

 都の平穏平和を守り抜くためには、
 裏ワザの一つや二つ、
 使いこなさねば……!

「つかいィこなせてるゥ?」
「ぐるがるるるるるる!」(←訳:いや振り回されてる!)

 姫とふたりで、
 ときには独りで、
 祐高さんが見る平安朝の物語とは。

 《王朝ロマン》あるいは《王朝ミステリ》の
 パロディ作品とも取れる
 “変調安楽椅子探偵物語“は、
 歴史ミステリ好きさんに
 おすすめですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
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~ これが、本の《本》! ~

2020-10-19 22:21:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 かさかさのォ~よかんッ!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!保湿しないと!)

 こんにちは、ネーさです。
 冬将軍さんの足音が聞こえてくるここ数日……
 良いリップクリームはないかなぁ~と探すうち、
 ハッと気付けば、いつの間にか本屋さんに?
 という訳で、はい、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



    ―― デザインのひきだし 41 ――



 編者はグラフィック社編集部の皆さん、
 2020年10月に発行されました。
 デザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌
 『デザインのひきだし』第41号の特集は、
 《写真と図解でよくわかる製本大図鑑》です。

「だァ~いィにんきィなのでスゥ~!」
「ぐるるがる!」(←訳:いつも完売!)

 刊行される度、
 たちまち売り切れてしまう人気誌『デザインのひきだし』。

 今回は、私ネーさ、
 めでたくもゲットすることが出来ました♫
 いそいそと表紙を捲ってみれば……
 《製本》に関する基礎知識、
 さまざまなバリエーション、
 技術開発の最前線取材まで、
 どこまでも《本》尽くしな一冊です♪

「おまけもォ、ついてェまスよゥ!」
「がるぐるるるるるる!」(←訳:これカワイイんだ!)
 
  

 ↑上の画像は、
 『デザインのひきだし41・特別記事』の
 《豪華造本に驚き!『100年ドラえもん』ができるまで》。

 2020年12月1日に発売予定の
 『100年ドラえもん』は、
 豪華愛蔵版・全45巻セット、
 『タイムふろしき』付きで
 お値段は¥70000+税、というだけあって、
 細部まで凝りに凝っています。

 その豪華愛蔵版『ドラえもん』の、
 インクの調色、スクリーン印刷、
 撥水・防汚処理、裁断といった作業や、
 見返し用に
 《ドラえもんの透かし入り和紙》を作る様子、
 天金加工を施す制作現場なども
 詳しく解説されていて……
 さすがはドラえもんくんの御本だわ!
 と唸らされますよ。

「にほんのォ、とッぷあいどるゥ!」
「ぐるるがるるぅる!」(←訳:それがドラちゃん!)

 ↓こちらは、
 初回限定実物見本の、
 製本見本6種類、ですが――
 
  

 この6種類の見本や、
 本文の写真・イラストを見比べながら
 各ページを読んでゆくと、
 書物の構造の奥深さが
 ひしひしと見に迫ってきます。

 練り上げられた製本の方法と、
 職人さんたちの技術、
 デザイナーさんたちのこだわり……。

「ありがたやッ!」
「がるるるるる!」(←訳:嬉しくなるよ!)

 紙の本が大好きな方々には
 嬉しくて楽しくて、
 これからコミケのために冊子を作ります!という方々にも
 大いに参考になりそうな『デザインのひきだし41』、
 ネット書店さんでは売り切れているようですが、
 まだ在庫有り!な実店舗の書店さんも
 あるようですよ。

 機会があれば、
 活字マニアの皆さま、
 ぜひ、《本》の図鑑を手に取ってみてくださいね♪


 
 
 
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~ 流浪の旅のはてに ~

2020-10-18 23:21:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わァおッ! いしょうゥがァ、あたらしィ~のでス!」
「がるる!ぐるるるるる!」(←訳:虎です!華やかだねえ!)

 こんにちは、ネーさです。
 新章に突入した大河ドラマ『麒麟がくる』は、
 あらら♪ 明智十兵衛さんのお衣装が豪華になって、
 見応え度もアップ!
 カッコいいぞ~!と声援を送りながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



   ―― 源氏かたな旅 刀剣聖地巡礼ガイド ――



 刀剣画報BOOKS003号は、2020年7月に発行されました。
 『源氏のかたなとゆかりの地を巡る 京都・鎌倉・箱根』
 と副題が付されています。

 前回記事では、
 小川糸さんのエッセイ集『旅ごはん』を御紹介いたしました。
 対してこちらは、
 同じ《旅》の本でも、
 日本国内、
 さらには《源氏の刀》をテーマにしています。

「にんきィ、つづいてまスゥ!」
「ぐーるがるるるる!」(←訳:ブーム冷めやらず!)

 一時的なブームを超え、
 刀剣への興味と人気はすっかり定着した、と
 思われる昨今、
 刀剣ファンの方々の目線は、
 名刀の歴史的背景に向けられているようです。

 この御本で特集されているのは、
 源氏の諸将が所持した名刀、
 そして
 名刀の中でも抜きん出て名高い
 《髭切・膝丸》。
 
「とくべつゥなァ~でんせつゥ、でス!」
「がるるぐるる~る……」(←訳:それは昔むか~し……)

 《髭切(ひげきり)》と
 《膝丸(ひざまる)》誕生の経緯は、
 『源平盛衰記』の
 《剣の巻》で語られています。

   天下を守る者には
   よい太刀が必要だ――

 と神さまの示現を得て、
 清和源氏の祖・源満仲(みなもとのみつなか)さんは、
 二振りの刀を作らせました。

 罪ある者を切らせたとき、
 髭まで断ち切る鋭い切れ味を示したことから
 《髭切》。

 もう一方も、
 膝まで切ったことから《膝丸》。

「でもォ、むずかしィのでスゥ!」
「ぐるがるるぐる!」(←訳:名刀ゆえの流浪!)

 天下を守る者の刀、
 とは、
 悪鬼妖鬼をも切り伏せる刀、
 という意味合いも持ちます。
 
 つまり《ドラゴンスレイヤー》――
 龍さえも倒す魔剣の類、ってことですね。

 そして、
 洋の東西を問わず
 魔剣というものは
 流浪の運命を背負うもの。

 《髭切》《膝丸》もまた、
 幾度も持ち主が替わったり、
 改名させられる憂き目を見つつも、
 しぶとく時代を乗り越えてゆきます。

 現在、
 《髭切》は
 《鬼切丸(おにきりまる)》として北野天満宮に、
 《膝丸》は
 《薄緑(うすみどり)》として大覚寺に所蔵され、
 大切にされていますよ。

「これからもォ~」
「がるるぐるる!」(←訳:大事にします!)

 《髭切・膝丸》の伝説を中心に、
 この御本では、
 京都・鎌倉・箱根の源氏と縁深い名刹、
 源氏の家系図、
 曽我兄弟の物語、
 『源家ゆかりのかたな10選』解説など
 日本史のエピソードが紹介されています。

 刀剣のことは
 よく分からないんだけど~…という御方も、
 図版が豊富ですし、
 京都・鎌倉・箱根の観光情報も掲載されていますので、
 旅のデータを集めるような気分で、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
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~ 遠く、近く、旅ゆけば ~

2020-10-17 23:20:02 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おはながァ~むずむずゥ?」
「がるる!ぐるがるるる?」(←訳:虎です!目がヒリヒリ?)

 こんにちは、ネーさです。
 近くの河川敷で満開となっているのは、
 ブタクサの大群……
 見ないふりをして急いで通り過ぎたら(ホッ)、
 さあ、安全な室内で、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
        ―― 旅ごはん ――



 著者は小川糸(おがわ・いと)さん、
 2020年3月に発行されました。
 月刊誌『MOE』2017年11月号~2020年3月号に
 連載されたエッセイを書籍化したものです。

 テーマはもちろん、御本の題名にもありますように、
 旅!
 ごはん!
 
「たびィ~! りょこうゥ~!」
「ぐるるがるる~!」(←訳:お外でごはん~!)

 旅にでかけること、
 何の杞憂もなく外食できること。

 この御本で描かれているのは、
 世界中がコロナ禍に覆われる前の
 旅の記録です。

 『食堂かたつむり』や『キラキラ共和国』で大人気の
 著者・小川さんが向かうのは、
 ラトビア、インド、エストニア、
 ドイツ、イタリア、フランス……

「そんなにィ、たくさんッ?」
「がるぐるるるるる~!」(←訳:旅の上級者さんだ~!)

 それらの国々の中でも印象的なのは、
 リトアニアでしょうか。

 本文75ページの、
 『リトアニアの砂糖漬け松ぼっくり』
 に登場するのは、
 バルト海に面したリトアニア共和国の、
 内陸部にあるカウナス。

 カウナスにある
 杉原千畝(すぎはら・ちうね)さんの記念館を訪ね、
 庭に実った青りんごをかじり、
 その夜、
 レストランでいただいた忘れられない一品とは……

 チョコレートムースに添えられた、
 砂糖漬けの
 小さな松ぼっくり。

「たッ、たべちゃうゥのでスかッ?」
「ぐるっるるる?」(←訳:松ぼっくりを?)

 松ぼっくりを食べることは、
 リトアニアの伝統とのこと、と
 小川さんは記しています。
 
 松ぼっくりの味って、
 ううむ、いったいどんな……?

「みすてりあすゥ、でス!」
「がるるるぐるる!」(←訳:不思議な伝統食!)

 また、異国の旅ごはんだけではなく、
 日本の旅ごはんも紹介されていますよ。

 『崎陽軒のシウマイ弁当』は、
 東京・神奈川にお住まいの方々には
 お馴染みですね♪

 そして、銀山鉱泉の
 『野川とうふや』さんの
 《生揚げ》は、
 小川さん絶賛のご当地グルメ♫

「いいなァ~!」
「ぐるがるるるる!」(←訳:お腹すいてきた!)

 土地と、
 そこから生まれる食べもの。

 旅とごはんを愛する方々に
 おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪





    では、ここで週末のオマケ画像も!             
   
    『SHARP』さんの
    国産不織布マスクを入手しました~!
    「ちゅうせんにィ、あたッたのでス!」
    「がるるぐるがる!」(←訳:機能に期待です!)
    急に寒さが増してきました。
    むくむくに重ね着をして、
    皆さま、穏やかな休日を♫
    


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~ 腕により!な傑作集 ~

2020-10-16 23:46:31 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふわわッ! まんせきィでスかッ?」
「がるる!ぐるるがるーるーる!」(←訳:虎です!早くもリピーターが!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日10月16日から劇場版『鬼滅の刃』無限列車編が公開されて、
 大人気&大好評のようですね。
 そこで、本日の読書タイムは、
 これ映画化して欲しいんです!
 と映画会社さんにお願いしたくなる
 名作が詰まったこちらの御本を、
 さあ、どうぞ~♪

  


 
      ―― 事件の予兆 ――



 編者は中央公論社の皆さん、2020年8月に発行されました。
 著者は収録順に、
 井上靖さん、大岡昇平さん、小沼丹さん、
 山川方夫さん、遠藤周作さん、野呂邦暢さん、
 吉田知子さん、野坂昭如さん、
 大場みな子さん、田中小実昌さん、
 『文芸ミステリ短篇集』と副題が付されています。

「ううゥ~むゥ! つぶぞろいィ~なのでス!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:どれから読もう?)

 大岡昇平さんの『春の夜の出来事』……
 井上靖さんの『驟雨』……
 もいいんですけれど、
 私ネーさのイチ推し、
 どうしても読んでいただきたい作品は、
 ええ、↓こちら!

 遠藤周作さん著『生きていた死者』。

「じだいィはァ、げんだいィ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:語り口も現代的!)

 遠藤周作さんの、
 まずいちばんに挙げられる代表作は、といえば、
 やはり映画化もされた
 『沈黙』でしょうか。

 しかし、この御本の87ページから始まる 
 『生きていた死者』
 の舞台は現代の東京、
 それも、どこかで見聞きした覚えがあるような……?

「おおぜいィがァ、まちくたびれてェまスゥ!」
「ぐるがるる?」(←訳:まだかなあ?)

 そこは、都心の料亭の一室。

 記者さんたちカメラマンさんたちは、
 ビールを飲みながら発表を待っていました。

 今回の、
 《鷗外賞》と《久米賞》を
 受賞するのは誰だ?

「おうがいィしょうゥ??」
「がるる?」(←訳:久米賞?)

 すぐれた純文学の作品に与えられる《鷗外賞》、
 久米正雄さんを記念して設けられた大衆文学賞《久米賞》。

 カメラマンである語り手の《私》と
 週刊誌『新時代』編集者の中山さん、
 何人もの報道陣は、
 長びく選考会に
 うんざりしていました。

 が、結果が発表されるや、
 室内には、どよめきが!

「ざわざわッ!」
「ぐるるる!」(←訳:ひそひそ!)

 《鷗外賞》の受賞者は、
 予想通り。

 他方、《久米賞》の受賞者は……
 ええと、
 芙蓉美知子さん……って?

「ううゥ~んッ??」
「がるるぅ??」(←訳:それ誰ぇ??)

 ほとんど無名の新人が受賞者!
 しかも、美人!
 某大学の文学部大学院で学ぶ
 23歳の現役学生さん!

「それはァ、すごいィ~!」
「ぐるーがるるぐる!」(←訳:スター誕生の予感!)

 ええ、そうなんです。
 メディア受けするルックスと言動で、
 芙蓉さんはたちまち“時のひと“に。

 世の老若男女と同様、
 編集者の中山さんも、
 大胆発言連発の芙蓉さんに夢中です♫
 ただし……

 中山さんの上司である
 編集長の久保さんは別でした。

「にらんでェまスよッ?」
「がるるぐるる!」(←訳:彼女の写真を!)

 《私》が撮った芙蓉さんの写真に、
 久保さんが読み取った小さな疑問とは。

 そして疑問は、
 やがて疑惑へ……?

「ふゥ! このおはなしィはァ、えにィなりまスゥ!」
「ぐるるがる~!」(←訳:映画化希望~!)

 遠藤周作さんのすばらしい筆捌きに
 ただもう感服!な快作をはじめ、
 名匠さんたちが腕によりをかけた10篇は
 全活字マニアさんにおすすめですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

  
 
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~ その日、霧の彼方で ~

2020-10-15 22:39:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さらばッ、なぽれおんッ!」
「がるる!ぐるるるるるるがる!」(←訳:虎です!セントヘレナへ行け!)

 こんにちは、ネーさです。
 何気にウィキペディアを覗いてみたら、
 今日10月15日は、
 《ナポレオン・ボナパルトがセントヘレナに流刑になった日》
 だとありました。
 世界史の岐路の一つとなった日にちなみ、
 本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  



      ―― ドタバタ関ヶ原 ――



 著者は長谷川ヨシテルさん、2020年8月に発行されました。
 慶長5年(1600年)9月15日――
 美濃国・関ヶ原に集った武人たちの、
 はたまた集いたくとも集えなかった武人たちの、
 “それぞれの闘い“を追う
 歴史ノンフィクションです。

「ひがしとォ、にしィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:天下はどちらに!)

 現代の私たちは
 当然ながら既に結果を知っておりますけれど、
 現場の武将さんたちは、
 おそらく悩みに悩みまくったに違いありません。

 そんな武将さんたちを、
 著者・長谷川さんはじ~っと観察いたします。

 まず、
 第一部『東軍武将列伝』で取り上げられているは、
 徳川家康さんを総大将と仰ぐ
 武将さんたち。

「かてるゥかなッ?」
「がるるるる!」(←訳:勝たないと!)

 第二部は『関ヶ原場外乱闘』。

 ここでは、
 関ヶ原に参戦できなかった武将さんたちを
 丁寧に拾い上げています。

 例えば、
 伊達政宗さん、
 上杉景勝さんと直江兼続さん、といった
 “地理的に参戦はムリ!”
 “フクザツな事情があって参戦できず!”な方々ね。

「せきがはらァはァ、とおいんでスゥ!」
「ぐるがるる~!」(←訳:心配だなあ~!)

 そして、
 第三部は『西軍武将列伝』です。

 豊臣家に忠誠を誓う、
 太閤秀吉さん子飼いの武将さんたちと
 西国の武将さんたちの連合軍を指揮するのは、
 石田三成さん。

「かつよねッ?」
「がるる!」(←訳:勝つさ!)

 勝ちたい!勝つ!
 という思いは東西両軍に共通しています。

 が、“戦力”とは、ただの数字ではありません。
 何万人もの”人間“です。

 となれば、
 腹に秘めた思惑も、何万の数に上る訳で。

「あちこちィでェ、どたばたッ!」
「ぐるっるぅる!」(←訳:起こっちゃう!)

 歴史的な一戦に臨んだ武将たちは、
 何を考え、
 どう行動したか。

 著者・長谷川さんに拍手を送りたいのは、
 そんな大決戦の描写とともに、
 小さなエピソードも
 しっかり掬い上げているところです。

   最高齢の参戦者は、
   “弓術のマエストロ”大島雲八さん、
   驚異の93歳!

   真田家と同じように、
   親と子で東西に分かれて戦ったファミリーは
   他にもいた!

 なんていうお話は、
 歴史好きな方々の好奇心を
 くすぐるんじゃないかしら。

「きゅうじゅうゥさんさいィ??」
「がるる!」(←訳:鉄人だ!)

 いまとなっては、
 どこまでが真実で、
 どこまでが伝説なのか、
 時間の霧の彼方を見晴るかすのは
 容易なことではありませんが。

 そのとき、
 その場所で、
 運命を分けたのは
 何であったのか。

 長谷川さんの楽しくも真剣な語りに、
 活字マニアの皆さま、
 ぜひ、耳を傾けてみてくださいね~♪

 
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~ 愛すべき《本格》クラシック ~

2020-10-14 23:11:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むむゥ! あッとうゥ~されましたァでス!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!朝から愕然!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日10月14日の朝ドラ『エール』は、
 インパール作戦の惨状を真正面から描く渾身の15分でした。
 放送後は言葉を失くし、
 ただただもう、戦争はイヤだ!平和がいい!と
 痛感いたしました……
 その思いを何度でも新たにしながら、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの五本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― エラリー・クイーンの新冒険 ――



 著者はエラリー・クイーンさん、
 原著は1940年に、画像の日本語版は2020年7月に発行されました。
 英語原題は『THE NEW ADVENTURES OF ELLERY QUEEN』、
 9篇の短編ミステリ作品が収録されています。

「ぱぱとォ、じゅにあァ!」
「ぐるがるるるぐるがる!」(←訳:父子ふたりで謎を解決!)

 ニューヨーク市警のクイーン警視と、
 その息子・エラリーさん。

 体格は小柄ながら
 ニューヨーク随一の機動力を有する警察官のパパと、
 引きこもり系ながらも
 東海岸随一の探偵・エラリーさんの父子は、
 いわば、“米国きっての知性派”ですが、
 実は、ふたりとも。

 ちょっぴり肉体派に
 羨望を抱いている……?

「そこでェ、やッてきましたでス!」
「がるるるるる!」(←訳:スタジアムへ!)

 当夜のメーンイベントは、
 ヘビー級世界チャンピオンのマイク・ブラウンさんと、
 挑戦者のジム・コイルさんの一戦です。

 街で評判の、
 大人気カードとあって
 チケットはとうに売り切れ。

 ガッカリしていたクイーン警視さんに
 救いの手を差し伸べたのは、
 有名なスポーツ記者と友人に持つ
 旧知の女性でした。

 こうして、首尾よくチケットを手に入れ、
 リングサイドの席に着いた父子ですけれど。

「なんだかァ、へんッ??」
「ぐるるる!」(←訳:どこか変!)

 観衆から拍手と熱狂的な声援を送られている
 挑戦者のコイルさんは、
 あら、なかなかの色男ですよ。

 一方、
 チャンピオンのブラウンさんは、
 えーと、まあその、
 ゴリラ系……って言ったらいいのかしら。

「たいしょうてきィ!」
「がるるぐる!」(←訳:真反対だね!)

 2人の筋骨隆々ボクサーに降りそそぐ
 拍手とブーイング。
 公然と囁かれる賭けのオッズと、
 入り組んだ人間模様。

 クイーンさん父子の目前で、
 世界チャンピオンの座を賭け、
 王者ブラウンさんと
 挑戦者ブラウンさんが
 激闘した結果は、
 はたして……?

「はらはらッ!」
「ぐるるる!」(←訳:ひやひや!)

 20世紀前半の、
 ボクシング興行を活写した
 『正気にかえる』(1939年発表)、
 野球や競馬、
 アメリカンフットボールを題材にした作品など、
 スポーツ連作を含む
 クイーンさん父子大活躍の一冊は、
 ミステリ好きな活字マニアさんに、
 スポーツ小説好きな方々にも
 おすすめです。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 
 
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― 実録!《室町パワーゲーム》 ―

2020-10-13 22:33:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 またもォ、へんてこォなァばんぐみィ、たんじょうゥ!」
「がるる!ぐるるるるがるる!」(←訳:虎です!攻めてるねNHK!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日10月12日からNHK総合で始まったのは、
 『光秀のスマホ』。
 “もしも明智光秀さんがスマホを持ってたら?”
 をテーマとする5分ほどのミニプログラムに
 くすくすニヤニヤしながらの本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



      ―― 新九郎、奔る! 5 ――



 著者は ゆうきまさみ さん、2020年10月に発行されました。
 北条早雲さんの若き日を描く
 《新九郎、奔(はし)る!》シリーズの第5巻です。
 いやあ、これがねえ、もうねえ……

「おもしろォかッたでスゥ~!」
「ぐるるるがる!」(←訳:一心不乱読破!)

 伊勢新九郎盛時(いせ・しんくろう・もりとき)さん、
 16歳。

 後代、北条早雲を名乗って
 小田原に城を構えることになるとは、
 つゆ知らぬ新九郎くん、
 この5巻では、
 戦争シーンは無いし、
 母上からきつ~く叱られる失態もなく、
 とても平和な毎日を……

 過ごせるワケがないわよね。

「だッてェ、じだいィはァ~…」
「がるるる!」(←訳:応仁の乱!)

 第4巻では、
 権力者たちの思惑が渦巻く京の都を離れ、
 父の所領地へやって来た新九郎くんの苦難が
 た~っぷり描かれました。

 この第5巻でも、
 新九郎くんの受難が終わる兆しは
 いっこうに見えてきません。

 知らない土地。
 好意的ではない人々。
 腹黒そうな親族。
 領地の境界線争い。
 
 ……そして、
 新九郎くんの身にも危険が迫る……!

「ひいいィッ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:逃げ出したい!)

 逃げ出す? どこへ?

 京にいる父のもとへ、
 と言いたいところですが、
 その京で異変が。

「こッこれがァ、いわゆるゥ~?」
「がるぐる!」(←訳:権力闘争!)

 権力闘争というか、政争というか、
 パワーゲームというべきか。

 新九郎くんの父・盛定(もりさだ)さんは、
 まさにその、都(みやこ)の権謀術数に呑み込まれ、
 空前の窮地に。

 応仁の乱の時代、
 すなわち室町幕府の土台が
 日に日に軋みと歪みを深めてゆく時代とは
 こういうものであったかと、
 嘆息ばかりが重なります。

   国をより良く、豊かにしよう。
   民びとが飢えることのないよう、
   天災に怯えることのないよう、
   確固として揺るがない政府を作ろう。

 なんていう志を持つ者が
 幕府の上層部にひとりでもいたら……。

「もしかしたらァ?」
「ぐるるるるがるっるるる?」(←訳:戦国時代はなかったかも?)

 はたして、
 新九郎くんの、
 伊勢家の未来は?

 なまじの《応仁の乱研究書》を読むよりも、
 足利将軍家の実態、
 幕府運営方法の欠陥、
 有力武将たちの相関関係などが
 格段に理解できる
 《新九郎、奔る!》1~5巻は、
 歴史好きな活字マニアさんに
 激おすすめです。

 当時の衣装、所作、慣例なども
 しっかり描き込まれているので、
 時代劇&ドラマファンの方々も、
 きっと大満足できますよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♫ 
 
 

 
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~ クルミわりから、つながる世界 ~

2020-10-12 22:28:48 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 らなッ、がんばれェ!!」
「がるる!ぐるるがっるる!」(←訳:虎です!コナンしっかり!)

 こんにちは、ネーさです。
 NHK総合で放送中の『未来少年コナン』が、
 ああ、あと3回で終わってしまいます……
 本日の読書タイムは、
 もっと観ていたいよう~!の願いを込めて、
 こちらの雑誌を、さあ、どうぞ~♪

  



     ―― MOE 2020年11月号 ――


 
 ちょうど現在発売中の月刊誌『MOE』の11月号は、
 《ムーミン75周年 ムーミンといる幸せ》を大特集していますし、
 ↓特別ふろくの《ムーミンダイアリー2021》も可愛くて。

  

 なれど、
 とりあえず今は、
 そのあたりはスッ飛ばし、
 本文61ページへ!

「わァ~おゥッ♫」
「ぐるるるがる!」(←訳:宮崎さんだあ!)

 61ページから67ページにかけて
 特集されているのは、

 《岩波少年文庫70周年 宮崎駿と児童文学》。
 
 10年前のこと、
 宮崎駿さんは
 著書『本への扉――岩波少年文庫を語る』の中で、

   “読み直して、これはやっぱり
   読むに値する本なんだなと思った“
 
 という50作品を
 『岩波少年文庫の50冊』
 として選びました。

 そして、この特集内では、
 今夏のジブリ美術館の展覧会でも展示された
 宮崎さんの『岩波少年文庫の50冊』直筆推薦文が、
 61~64ページにわたって
 紹介されています。

「でもォ、そのつぎィ!」
「がるぐるがーる!」(←訳:次の次のページ!)

 ええ、そうです、
 見ていただきたいのは、
 67ページの上段のコーナーの!

 《スタジオジブリと宮崎駿が
  描くかもしれなかった物語》。

 そこには、
 かつて宮崎さんが描き下ろした
 『クルミわりとネズミの王さま』の
 ブックカバー画が!!

「はじめてェみましたでスゥ!」
「ぐるるがるるるっる!」(←訳:これは知らなかった!)

 E.T.A.ホフマンさん作『クルミわりとネズミの王さま』……
 別名の『くるみ割り人形』の方が
 日本では知られているでしょうか。

 細かく描き込まれ、
 彩色された『クルミわりとネズミの王さま』の画からは、
 物語に注ぐ宮崎さんの愛情が伝わってきます。

 そう、もしかしたら、
 ネズミの王さまと闘う
 クルミ割り人形(実は王子さま)&少女クララの物語は、
 『カリオストロの城』や
 『未来少年コナン』の世界に
 つながっているのかもしれません……。

「これェ、いいなァ~♫」
「がるるるる~!」(←訳:欲しいよう~!)

 岩波さんでも他の出版社さんでもいい、
 このカバー画と、
 宮崎さんの挿絵つきの『クルミわりとネズミの王さま』を
 販売していただきたいものです。

 宮崎さんのファンの方々は、
 『MOE11月号』の67ページを
 ぜひ、ご覧になってくださいね。
 一目惚れすること請け合いですよ~♪
 
 
 
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