あいよっこの旅ログ:::Part2:::

「女性のひとり旅は冒険の始まり!」

おじいのロマンで造られた「パラダイスの島」

2008-01-15 16:43:49 | あいよっこの島々模様

 

  由布島は周囲2Kmあまり、海抜1.5mの砂でできた小さな島です。大潮の時とか温暖化による海面上昇は大丈夫なのかな?でも地面を1m程度掘るだけで、真水が湧き出るという不思議な島です。水道が引かれるまで、住民は井戸の湧き水で生活していました。<o:p></o:p>

 ここは昭和44年のエルシー台風で大被害を受け、ほとんどの住民が西表島に移りました。しかし島に残った西表正治おじいの夫婦だけは、「パラダイスの島」にしたいというロマンを描き、一頭の水牛(大五郎?)で土や堆肥を運び、ヤシや花を植え続けて手作りの庭園をつくりあげたそうです。<o:p></o:p>

今では島全体が亜熱帯の植物と小動物の楽園になっています。動物はヤギやいのしし、カモの仲間のガチョウやバリケン、うこっけいなどの鳥類が多いです。1mほどに近づいても全く人を警戒しない(野生と思える)カラスを、初めて見ました。

 

写真:沖縄地域で一般的に見られるオオゴマダラ。蝶園では必ず飼育されているほど人気。<o:p></o:p>

蝶々園はその一角にあり、日本で最大の蝶オオゴマダラがふわふわとたくさん舞っています。成虫は白地に黒の模様入りですが、さなぎが黄金色に輝いていることで有名です。それより小さいけれど、美しい瑠璃色のリュウキュウアサギマダラ(たぶん)も少数派ながら飛んでいました。

 

写真下:同じマダラチョウ科のリュウキュウアサギマダラ。本州・四国に生息するアサギマダラは茶色が混じる。<o:p></o:p>

 

 

 

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 由布島を出てしばらく進むと左手に「西表野生生物保護センター」があります。島の生物のパネルやイリオモテヤマネコの剥製などが展示されています。貴重な生物が多いので、住民からの情報提供や観光客への呼びかけなども積極的に行っています。「ヤマネコ緊急電話0980-85-5581」は24時間受け付け。ただ奄美大島でもこの種のセンターはありましたが、訪れる人は少なくとっても暇そうなのが残念です。もっと活かしたいものです。

 

 

  道路に大きな標識「古見のサキシマスオウの木群落」があったのですが、それらしい場所がなく通り過ぎてしまいました。引き返すと道路わきに車が止まれるわずかなスペースがあり、すぐ石の鳥居と案内板があります。天然記念物に指定されている群落は、古見地区の「御嶽(ウガン)」の中にあるのです。<o:p></o:p>

サキシマスオウの木群落はその裏手に広がっています。でも腐ったり、倒れ掛かったりしている木が多く、すべての木の幹が白っぽくささくれだって、なんだか荒れている感じを受けました。前述した沖縄離島を巡っている<st1:MSNCTYST w:st="on" AddressList="34:広島県広島市;" Address="広島市">広島市</st1:MSNCTYST>のT夫妻は「昔はとてもりっぱな木ばかりですばらしい群落だったけど、何度も洪水・浸水などの災害にあって弱ってきている」と話していました。根が浅いので洪水に弱く、すぐ倒れたり立ち枯れたりするそうです。<o:p></o:p>

 

写真:群落は昼でも薄暗く、腐ったり倒れそうになっている木が多い。1人だとちょっと不気味で怖い。


「水牛車にのって由布島(ゆぶじま)へ」

2008-01-12 14:03:14 | あいよっこの島々模様

                                       

  行きは由布子(ゆうこさんで、帰りはおすぎさん。何って?水牛の名前です。西表島の観光でポピュラーなのは「仲間川クルーズ」とこの「水牛車にのって由布島(ゆぶじま)へ」のコースですが、あいよっこはどちらかというと水牛車に乗りたくて由布島に渡りました。一度竹富島で乗って、水牛さんの力強さとのんびりさに魅せられたのです。<o:p></o:p>

 たった一頭でたくさんの人々を乗せ、しっかりとふんばりながら水中を一歩一歩進む姿に、「重くてごめんね」と自らの体重を責めつつも、つい身を委ねてリラックスしてしまうのです。

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 写真:イケメンってやはりあるのでしょうか?何頭かの中で選んだ水牛が、ガイドブックでも登場していた「由次郎(ゆうじろう)くん」でした。

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 現在活躍中の40あまりのほとんどが、偉大なるご先祖「大五郎」の血を引く一家で、台湾からの開拓団とともに来たということです。そのりっぱな角はレストランの一角に展示されています。でも近年よそ者が入ってきました。それが「おすぎ」と「ピー子」の2頭で、こちらはタイなどの東南アジア系ということです。どうしてそんな名前をつけたのかな?あるいは水牛にもそんな「性的指向」が?<o:p></o:p>

※「性的指向」は「好きになる相手の性。異性愛と同性愛に大別される」のですが、「嗜好」「志向」とは表現しないように、単なる自分の好みだけでは決まらないとされています。<o:p></o:p>

もちろん水牛にそんな指向はないでしょう。多分「タイ→ニューハーフショー→おすぎ」といった連想からかな、と想像をたくましくしたのでした。 

 

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 写真:前の車(おすぎさん)を追い越さんばかりの勢いで迫ってくる 由布子さん。やはり大五郎の血か?

 

 

 ここの水牛たちは一目見てとても元気そう。往復1Kmたらずの道のりの浅瀬は、通行しやすいようにある程度平らに固めてあります。この1往復に必ず数回のおしっこと1回のウンチタイムがあるそうです。まっ、彼らにはちょっとしたご休憩なのでしょう。水牛とはいえプライベートタイム(ウンチ)には、それ用の板カバーをさっと出して、お客様たちの興味津々の視線をさえぎるのです。というより汚物をみせない配慮なのでしょうが・・・。

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 さて島に上陸するとすぐの右手奥に「水牛の池」があり、たくさんの水牛たちが思い思いのオフを楽しんでいるようです。首まで水につかってうっとりと目を細め、口だけを一時も止まることなくもぐもぐもぐもぐ・・・。牛だから反芻してるんだなあ、と思いつつもどちらかというとカバに近いくらい、ほんとうに水の中が好きなんです。<o:p></o:p>

                    

 

写真:水牛の池では、仕事の合間の充実したオフタイムを楽しむ

 

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 突然遠くの空から「ゴロゴロゴロー!」と雷鳴が鳴り響きました。にわかに池の周辺もざわめいて、緊張感が漂ってきます。陸上の水牛たちはいっせいにその方向を見つめ、じーーっと様子を窺っています。池の中にいた水牛たちはのんびりながらも急いであがり、同じ態勢となりました。(写真)たった一度だけの音にこれほど反応するとは!あるいは雷の時には水中にいてはヤバイ、という認識があるのでしょうか?動物たちの生きていく知恵を垣間見た思いです。(でも実際には雷時の水中って危険なのでしょうか?誰か教えてください)<o:p></o:p>


東経123度45分6.789秒!経度おもしろ地点

2008-01-09 23:35:57 | あいよっこの島々模様

 

       展望休憩所から由布島(ゆぶじま)をのぞむ。海が美しいしましま模様

 

 東経123度45分6.789秒。実はこんなにびっくりの地点だとは思わなかったです。世界中でたったひとつしかない地点です。あたりまえか?しかも経度って、分の下は秒という単位になるのですね、これも初耳。祖納から上原港に向かう道に突然天文台のようなモニュメントが出現します。でもこれがどんなものなのか、の看板らしきものはありません。敷地内にある平屋の建物には「子午線ふれあい館」とありますが、もう長く休館しているようです。

 

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写真:子午線モニュメント。ここはとっても貴重な地点なんです。

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 「子午線モニュメント」と資料館は、当地が特別な地点であることから平成10年に作られたそうです。夜7,8,9時には15分間のレーザー光線の照射がある、とガイドブックにはありますが・・・。(どうもそんな感じには見えませんでしたが?)なんだかせっかくのものがあまり生かされていないと感じてしまいました。できれば旅行者にも一見してわかるような看板とか説明版が欲しいし、資料館も開館して欲しいです。<o:p></o:p>

 そのためにもまずネーミングなどを工夫して、「東経おもしろ地点」とか「経度びっくり地点」とか大々的にアピールしてはどうでしょう?それだけの価値がある地点なのですから。知らない観光客も多いと思うのですが・・・?<o:p></o:p>

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 ジャングルクルーズで有名な浦内川を経て、主道をそれて北に入ったところに「星砂の浜」があります。名前はとってもポピュラーですが、海岸線までペンションが迫っているので(宿泊に人には素晴らしい眺めですが)、すこし失望。でもガラス張りのレストランやショップもあるので景色を楽しめます。砂の色は茶色がかっていますが水はとってもきれいです。<o:p></o:p>

写真:海岸線からすぐ近くでシュノーケルやゆったりとカヌーを楽しむことができる。<o:p></o:p>

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 西表島の地域区分は大きく西部と東部に分かれていて、祖納・浦内川・ヒナイ川などが西部、仲間川・南風見田浜地域が東部で、それぞれの港が「上原港」と「大原港」となります。私などは「北部と南部に分けるほうがわかりやすいのでは?」と思ってしまいます。理由はよくわかりませんが、南北より東西のほうが重要だったのでしょうか?太陽が昇ったり沈んだりするほうが基準になったのかもしれません。「西表」という名前にもそれが感じられます。<o:p></o:p>

 

沖縄では、東が「あがり」、西が「いり」、南が「はい」、北が「にし」(ややこしいです)というそうです。そして「あがり」は太陽が上がることであり、「いり」は入ること。だから西表には「太陽が入る」の意味が含まれているのですね。「西表はそもそも最初の、祖納をさす」という説明に納得。前回ブログの写真にあるように、祖納では目の前の海に太陽が沈むのです。

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さらに東部に向かうと左手に由布島(ゆぶじま)が見えてきます。この日の海はとても美しい縞模様でした。(上の写真)次回は水牛に乗って由布島に渡ります。<o:p></o:p>

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「女性のひとり旅は民宿などがおすすめ」

2008-01-08 02:20:29 | あいよっこの島々模様

 

 西表島の主要な道路は海岸線に沿って、西部地区の「白浜」から東部の「南風見田(はえみた)まで約55Kmあります。その西部の端に白浜港があり、そこからは近年、船でしか行けない陸の孤島として有名になってきた「船浮地区」「イダの浜」に向かう船が出ています。この奥西表と呼ばれる秘境の地にも行きたかったのですが、ダイビングやシュノーケルなどマリンスポーツ関係が含まれるツアーは冬季催行されないことが多いようです。ガイドブックに「通年」とあっても問い合わせるほうがいいでしょう。<o:p></o:p>

南の南風見田の浜では泳いでいる人を見ましたが、亜熱帯といっても冬に海に入る機会は限られるようです。<o:p></o:p>

 島唯一の白浜トンネルを抜けると租納(そない)地区があります。ここは西表島で最も古く、少なくとも14世紀くらいからあるといわれます。国の重要無形文化財で500年以上の伝統を持つ「節祭(シチ)」のお祭りでは、ユークイ(世ごい)儀式のひとつ「舟くい」(たぶん船を使って五穀豊穣や無病息災をお祈りする行事なのでしょう)で、「まるまぼんさん」を回る競漕(きょうそう)なども行うようです。写真はその「まるまぼんさん(丸島盆山)」と沈む夕日。シルエットは帽子そのままです。<o:p></o:p>

 1月6日(日)午後6:30から毎日テレビ『夢の扉』で「離島の医師急病発生」という番組を偶然目にしました。ここにある「西部診療所」で孤軍奮闘する岡田医師を追ったドキュメンタリーです。映し出される映像が懐かしく、「そんな日常があったんだ」とか「強風で上原航路が欠航なので、一時間かけて大原港まで搬送しなければ」などの状況に「わかる、わかる。そうだよね」などと1人納得していました。そして岡田医師は村民として「節祭」の儀式に参加し、とても上手に大役を果たしていました。

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 写真:ホテルの玄関先で遭遇したやもり?くん。動物好きですが、両性類・爬虫類はちょっと苦手です。特にやもりは手の吸盤の感じが・・・。(なら撮るな!)

 

 

 当然ながら西表島はじめ沖縄諸島には夏に訪れる人が多いです。暑いときに暑いところに行って、暑いツアーをするのはどうなん?寒いときに行くほうがいいでしょう?と思って12月に行きましたが、期待どおり人は少なく、のんびりした旅が楽しめました。偶然ながらお天気に恵まれたことは前述したとおりです。しか~~し誤算もあったのですよ。やはり海に入るのは少し無理だし、参加人数も少ないので催行されないツアーもあります。<o:p></o:p>

 そして一泊目は「西表島シティホテルパック」(J-TAP主催)に含まれている、祖納のIホテルだったのですが、30室・定員80名の建物に宿泊者はたった1名! これはあまりにも寂しすぎました。シティホテル(田舎なのになんでシティなんだ?とつっこみたくなります)とはいえ、林間学校風の建物の雰囲気、日が落ちるとあたりは真っ暗で、ひとつふたつぼんやりした灯りがあるだけ。部屋の片隅にはなにやら魔よけ風の紙のお札が張ってあったりして、「おーい、それが必要なお部屋なのかあ?」とちょっと背中に冷たいものが・・・・。

 しかし夜が更けるとどんな魔物より「睡魔」のほうに負けてしまうあいよっこ、そんなの問題ねぇー、とばかりに無事朝を迎えることができました。宿のお食事は美味しく(写真)、ある程度人がいればそれこそ問題ないことなのです。女性の一人旅の場合は、人の気配が身近に感じられるこじんまりとした民宿などがお勧めかもしれません。<o:p></o:p>

 

 

 


[ETV特集:里山保育が子どもたちを変える」

2008-01-06 00:03:13 | あいよっこの島々模様

昨年末12241030過ぎTVチャンネルを回していると、子どもたちのいきいきとした映像が飛び込んできました。それはNHK教育テレビ「ETV特集:里山保育が子どもたちを変える」で、HPを調べると10月に放映された再放送らしいです。

 

写真:西表島ピナイサーラの滝の近くで。カヌーがすぐそばを通っても 知らん顔で立ったままお昼寝をしているしらさぎ。

 

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千葉県の木更津社会館保育園(私立)を舞台に繰り広げられる「里山保育」の5歳児たち40人を一年間追い続けた力作でした。園を中心とした自然豊かな環境の中で、子どもたちはパンツ一丁でどろんこ遊びをしたり、伝統遊びをしたり、動植物と親しんだりと、心身を精一杯使って過ごしているのです。<o:p></o:p>

入園した当初動きが激しく、すぐに手がでるやんちゃ坊主のしゅうや君は友達とトラブルばかり。でも彼は昆虫や小動物が大好きで採るのも上手。自然のなかでそして友達との交流のなかで次第に成長していく姿に、子どもってみんな一人ひとりが主役なんだなあ、と感じないではいられませんでした。<o:p></o:p>

印象的だったのは、カナヘビを捕まえたしゅうや君に「そんな風に持っていたら死ぬから逃がせ」と詰め寄るまさのり君との緊張感あふれるやり取りの場面です。ふっきれたように逃がしたあと、そっとまさのり君に近づいて「ごめんね」というしゅうや君。そしていつのまにか友達と手を握り合ってお話に夢中になっているしゅうや君。大人が介入しない子どもたち同士のケンカやふれあいの大切さを感じます。<o:p></o:p>

指導する直井洋司さん(50)は「はだかで直接体感することで、感覚を会得し心が解放される。世界や他のものを受け入れることは、つまり自分自身を受け入れること」と言っていました。休耕田のぬかるみで転び足をすりむいた志保ちゃんですが、「また入りたい。足が気持ち良かった。土が温かい」と言っていたのも心に残ります。<o:p></o:p>

こうした保育で一番問題になるのは「危険とのかねあい」「保護者の理解」です。子どもたちの身体がおかしい、といことは随分前から言われています。「まっすぐ歩けない」「転んでもとっさに手がつけない」など基本的な身のこなしさえできない子が増えているのです。たぶん危険と身体感覚の獲得は常に隣り合わせなのでしょう。極論すれば命をかけたような行動・行為を通してこそ、人は命の大切さを実感できるのだと思います。伴うリスクにかかわらず、里山保育が実施されていることは本当に嬉しいことで、経営者のかた、指導者のかた、保育士のかた、そしてそれをカメラで追って伝えてくれたスタッフにありがとうを言いたくなりました。いうまでもなく主役であるすばらしい子どもたちにも。<o:p></o:p>

あいよっこがたいへん共鳴したのは、近年の子育て環境に危機感を持っているからだと思います。自分自身の時代はこんな里山保育的な子育ちが普通で、いわば放任主義の、今風に言えばのびのび教育でした。危険も相当ありましたが、それと引き換えに得るものも多かったと感じています。そして今ブログ「一人旅」で書いているように、野山や海・川を巡ることが本当に嬉しいのは、こうした経験が影響しているのかな、と思い至っているのです。<o:p></o:p>

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写真:見えにくいでしょ?眼を凝らしてみてね。干潟の丸い砂はカニさんのふん。しおまねきや小さなカニはパドルをさっと振ると、「あっ!」の十分の一秒くらいで穴に隠れます。サギや鳥たちだと思うらしいです。