今日も引き続き太陽光発電の話題です。こんなに続くのは久し振りです。話題も第4127回の酸化鉄化合物に次いで新しい太陽電池です。こちらは原材料はお馴染みのシリコンですが製造方法が画期的なものです。
CIS(銅・インジウム・セレン)薄膜系太陽電池の昭和シェルも新しいCZTS(銅・亜鉛・スズ・硫黄・セレン)薄膜太陽電池セルをIBMと共同研究するそうです。こうして新しい太陽電池の話題が出てくると言うことは大きな波が来ているのでしょうか。
SankeiBizより 2011.2.7
水のような液体シリコンを塗布して半導体の膜を作り、太陽電池を発電させることに北陸先端科学技術大学院大の下田達也教授らが世界で初めて成功した。太陽電池に限らず、半導体の低コスト化や利用範囲の拡大につながるといい、国内メーカーと共同で早期の実用化を目指す。
携帯電話や液晶、太陽電池などに欠かせない半導体のもととなるシリコン材料は従来、固体と気体に限られていた。これに対して下田教授らは、これまでに光と特殊な溶媒を用いた安定的な液体シリコンの作製に成功。高速なトランジスタも作製し、平成18年に英科学誌「ネイチャー」で発表していた。
そこで今回は、液体シリコンの詳しい性質を明らかにした上で、基板上に塗布する技術の開発に挑戦。液体シリコンから不純物を除き、ガラスの基板を用いて製造時間を短縮することなどで、半導体としての性能を持つ安定した膜の製造技術を確立した。
具体的には、まず窒素が充満した装置内で基板上に液体シリコンをたらし、1分間に約3000回の高速で回転。次に約400度で数十秒ほど加熱するだけで半導体の薄膜ができる。
このプロセスを3回繰り返して3層の薄膜を作り、電極を加えた太陽電池を作製したところ、既存品の20%程度の発電能力を実現できた。
下田教授は「液体シリコンは簡単なプロセスで半導体を作れる。将来性は非常に高い」と話している。
参考: 独立行政法人 科学技術振興機構より → 世界で初めて液体シリコンを用いた塗布プロセスにより高性能の太陽電池の作製に成功
これもなかなか面白そうです。印刷タイプと似ていますが今までなかったと言うことは違うのでしょうね。と言うより液体シリコンというもの自体が初めてなんですね。
これは、酸化鉄とどちらが実用化が早いのでしょうか。こうした研究の中から想像もしない画期的なものが出来上がれば一気に太陽光発電の時代が来そうです。
そうした時代がそこまで来ているのか、それとも今までのように製品化までには長い年月を必要とするのか。期待して待つしかなさそうです。
早く実現して欲しい!