第 4946回の 「50年目振りの戦艦大和」などで書いてきたように、ラジコン模型を作ったほど戦艦大和には思い入れがあります。時代遅 れの大艦巨砲主義などと批判されて いますが、当時のどこの国だってそれを見越したところは無かったのですから誰にも非難される筋合いはないと思ってます。
と言うか、大和の凄さは、あれだけの装備をあれだけコンパクトに作ったところにあると言われています。それは、その 姿が他のどんな戦艦と比べても素晴らしいことで分かるのじゃないでしょうか。
ゼロ戦といい、日本の戦前の技術は想像を絶するものがあったのじゃないでしょうか。やはり、戦前の日本はもっと正当 に評価されるべきじゃないでしょうか。
大和の影に隠れたように表舞台には出てきませんが姉妹艦の戦艦武蔵も脚光をあびても良いのじゃないかと思っていた ら、とうとうその時が来たようです。
NHKニュー スより 3月7日
戦 艦「武蔵」の映像 “ほぼ間違いない”
太平洋戦争末期、フィリピンのレイテ湾に向かう途中に撃沈された、当時世界最大級の戦艦「武蔵」とみられる新たな映 像や画像がインターネット上で公開され、専門家は、武蔵であることはほぼ間違いないとしています。
旧日本海軍の戦艦「武蔵」は昭和19年10月、フィリピンのレイテ湾に向かう途中、アメリカ軍の攻撃を受けて撃沈され、行方が分からないままとなっていま したが、武蔵を探す活動を続けてきたアメリカのIT企業マイクロソフトの共同創業者ポール・アレン氏が今月、沈没した武 蔵だとする映像などを公開し、国際 的に関心が高まっています。
日本時間の7日、アレン氏はさらに新たな映像と画像をインターネット上に公開しました。
このうち映像は1分ほどの長さで、音声の解説が付けられていて、巨大な艦橋の一部や、「測距儀(そっきょぎ)」と呼ばれ る相手の船との距離を測る測定装置とみられるものが映っています。
また、画像には日本語が書かれた金属製の板も映っていて、「射出状態」や「緩衝器」といったことばを確認することができ ます。
広島県呉市にある大和ミュージアムの相原謙次統括によりますと、この板は「カタパルト」という航空機の発射装置に関 する説明だとみられます。
相原さんは「今回新たに公開された映像などから、見つかったのは武蔵であることはほぼ間違いない」と話しています。
公開された映像や画像を巡っては、フィリピンの国立博物館が日本政府などと協力して、武蔵であるかどうかの確認を進 めたいと発表しています。
それにしても、戦後70年の今、こうした発見がされたことも何か因縁めいたものを感じますね。いよいよ、日 本の復活が近いのかも。
そんな感慨を持たれた方も多いのじゃないでしょうか。何時もの世迷言も日本造船界の復活と関連付けて感慨深 く書かれています。
世 迷言 2015年03月08日 付
戦艦武蔵が70年 の沈黙を破って居場所を明らかにしたというニュースを聞いて日本海軍が陥ってしまった「大艦巨砲」幻想が生んだ犠牲 を惜しんだが、そんな巨艦を作り得た日 本の造船技術が今再び脚光を浴びているという巡り合わせは不思議だ▼日本が世界のトップを走る造船大国として一時的 ではあっても君臨できたのはやはり大和 や武蔵を造りあげた技術が脈々と受け継がれてきたからであろう。出光興産の超大型タンカー「日章丸」が進水してその 巨体を現した時の圧倒的な迫力に驚かさ れ、誇らしく思った当時はまさに造船大国として順風満帆な船出をした頃にあたる▼その大国が安値受注で市場に参入し た中国、韓国の猛烈な追い上げに太刀打 ちできず、その後塵を拝すようになったのは信じられぬ思いだったが、いくら優秀な技術を持っていてもその技術を必要 としない分野での競争では安値攻勢に抗 うすべを持っていなかったのも事実だろう▼ところが、ようやく長年の鬱積が晴れる時がついに到来したのである。国内 最大手の今治造船が16年 ぶりに超大型ドックの新設を発表、さらに今年1月の船舶受注量で日本が韓国と中国を追い抜き1位に返り咲いたのであ る。円安が追い風になった部分もある が、造船各社の構造改革が効果を現してきたのだろう▼これまで1万8000個積み以上の超大型コンテナ船は中韓が独 占してきたが、今回、今治造船が2万個 積みのコンテナ船を11隻も受 注、造船大国復活ののろしを上げたの だ。そろそろ実力の出番か。
いよいよ本物が評価される時代に戻ってきたようです。長い間斜陽産業として低迷して来た日本の造船界がもう一度世界 を席巻する姿を見たいものです。
やはり、この武蔵の発見は日本復活の象徴なのかもしれません。