モスクワのテロのIS─Kが次はアメリカを狙っているようです。本当でしょうか。と言うか、ありそうなだけに恐ろしい。
宮崎さんが取り上げてくれています。やはり、テロが終わることは無いのでしょうか。世界はますますテロの時代になるのでしょうか。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和六年(2024)3月25日(月曜日)
通巻第8189号
モスクワの惨劇、IS─Kはタジキスタンの偽造パスポートで入国か
犠牲者の大半は火事による窒息死。イランにおける一月の自爆テロと関連
クロカスシティ・ホールはコンサート会場、となりには五千人収容の劇場、数万収容のスタジアムが立ち並ぶ一大アミューズメント・コンプレックスで、アゼルバイジャンの大金持ちが建てた。
2013年の「ミスユニバース大会」もここで開催され、主催者は誰あろう、ドナルド・トランプだった。
3月22日に起きたコンサートホール襲撃はIS─K(イスラム国ホラサン派)のテロ集団が機関銃を乱射し、ガソリンか、なにかの液体を撒いて火を放ったため トイレに隠れていた市民が窒息死したのが犠牲の大半だという。
プーチンはウクライナとの関連を示唆したが、どうやら背景にウクライナの謀略機関は関与していないようだ。
さてIS─Kである。シリア、イラクを拠点にアサド体制に戦いを挑み、一時はシリアの半分近くを占領していた。ロシア、ならびにイランによって撤退を余儀なくされたIS─Kはロシアとイランを敵視するようになった。
かれらが格好の避難場所として選んだのはアフガニスタンだった。
治安の乱れ、無法地帯と化していたアフガニスンに潜入し、当時の反政府組織タリバンと連携し、秘密基地をアフガニスタンに構築した。
アフガニスタン首都のカブールの教育施設で2020年5月に自爆テロで24名が死に、11月にはカブール大學で、イランに関するイベントが開催されたと き、IS─Kが襲撃し、教師と学生22名が犠牲となった。カブール大學は2018年にも同様なテロが起こり警戒を強めていた。
いずれも米国撤退前のテロで、米国傀儡のガニ政権への反乱。タリバンは関連を否定していた。
2024年1月3日、イランのケルマンで開催されていたイラン革命防衛隊のソレーマン司令官(米軍がイラクでドローンより殺害)の追悼会にIS─Kは自爆テロを敢行し、84名の死者と287名の負傷がでた。1979年のイラン・イスラム革命以来、最大の惨事となった。
ロシアと同様にイランはIS─Kを敵視している。
今回のテロリストはタジキスタンの偽造パスポートで入国した可能性がある。タジキスタンはソ連のアフガニスタン侵略のときにはソ連の前線基地。いまも数百 のロシア兵が駐屯している。この国も治安はなきに等しく、くわえて中国がプロジェクトを請け負い、多数の中国人がウイグル独立運の地下組織を瞠っている。
タジキスタン政府はパスポート照合の結果、無関係と発表した。
米国は偵察衛星やネットの監察などで秘密通信を解読していたと見られ、モスクワ襲撃でも、事前に在留アメリカ人に警告を発していた。
アメリカが知っていたというのも恐ろしいことです。それだけに次はアメリカと言うのも間違いないのかも。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和六年(2024)3月26日(火曜日)弐 通巻第8191号
「モスクワの次は米国だ、IS─Kは既にメキシコ国境からもぐり込んだ」
マルコ・ルビオ上院議員:『バイデンの無様なアフガン撤退が元凶』
「モスクワの悲劇、次は米国の何処かが標的となるだろう」とマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)はABCテレビの「ジス・ウィーク」(3月24日)に出演して吠えた。
「メキシコ国境から不法移民の波に紛れ込んで、米国内にテロリストが潜入した可能性がある。不法移民無策により昨年だけでも900万人が米国に這入り込んだのだ」
ルビオ議員は共和党内タカ派、トランプ候補の有力な副大統領候補としても名前が取り沙汰されている。
2021年8月に米軍はアフガニスタンを去った。
あまりに無様な撤退に多くの非難があった。しかも多くの最新兵器は、それまで供与してきた米傀儡のガニ政権の『正規軍』を経て、タリバンにわたったと考えられる。『アフガニスタン政府軍』はたちまち蒸発した。給与を当てにした雑兵が殆どだった。
米軍基地などに残した大量の兵器・弾薬や武装ヘリコプターなどは破壊して撤退したと米軍の公式見解だが、ガニ『大統領』なんぞは真っ先に逃亡してしまった。
米国務省にあって撤退の指揮を取ったのはジョン・パス(現国務次官。ヌーランド退任後、国務次官の職域にヌーランド分も代行中。だからウクライナ戦争からの撤退準備人事といわれる)。
ジョン・バス国務次官はシラキース大学卒、クリントン政権下で国務副長官だったタルボットの首席補佐官を務めた。バスはネオコン人脈で、札付きの問題児、 ひょっとしてヌーランドより『悪質』かもしれない。グルジア大使(2009~12)の時はサアカシビリ大統領(当時)が仕掛けたオセチアとの戦争で、ロシ アとの対決を煽り、結果的にはしごを外した。サアカシビルはウクライナへ逃げた。
トルコ大使時代はエルドアン追放の軍事クーデター側に立ったため、エルドアン大統領から追放され、コソボ独立では、そのシナリオを描いた。とくにジョン・バスのトルコ大使時代が問題なのだ。
2016年7月、軍事クーデター未遂事件では、背後にアメリカがいたと大半のトルコ人は信じている。なぜならクーデターを扇動したとされるギュラン師は米国亡命中であり、トルコ軍の動きをエルドアンの静養先に通報し危機を救ったのはロシアだった。
通信網を傍受しているアメリカはエルドアンに動きを知らせなかった。オバマ大統領(当時)はエルドアン政権の転覆が好ましいと考えていたフシがあり、エルドアン大統領はジョン・バス大使を「このましからざる外交官」と非難した。バスはトルコを去った。
以後、米土関係はドナルド・トランプの登場により友好関係が戻った。
2017年から2020年、バスはアフガニスタン大使となった。これはトランプ政権下の指名である。アフガニスタンの戦争の泥沼化はジョン・バスにも相当の責任がある。
さてネオコンの女闘士=ヌーランドはホワイトハウスや党内からも評判が悪かったため、シャーマン副長官退任後の副長官代行だったが、結局、バイデンは彼女 を副長官に指名せずカート・キャンベルを指名した。このときジョン・バスの副長官昇格の噂もあったが、流れた。指名公聴会で承認を得られない可能性があっ たからだ。
いまなお、タリバンに戦いを挑むのはパンジシール渓谷に盤踞する「北部同盟」くらいである。他の地域も山賊、蕃族に近い少数派武装集団が群雄割拠している。「北部同盟」は嘗ての英雄マスードの息子とサーレハ前副大統領がリーダーで、現在は「民族抵抗戦線」と改称した。
バス在任中にアフガニスタンへの支援金の不正流用が問題となった。米政府「アフガニスタン復興担当特別監察官」(SIGAR)事務所はタリバン暫定政権の関係者らがNGOを設立し、米国の教育援助資金から不正に利益を得ているという報告書を公表した。
米国は2021年8月のタリバン復権以降、学校設立や給食、教材の提供などに、約1億8500万ドル(約277億円)を投じていた。この善意の行為が悪に利用されていたことになる。
冒頭のルビオ議員に戻ると、「だからIS─Kは安心してアフガニスタンに這入り込み、拠点を再構築したのだ」と続けた。
シリアとイラクを追われたIS─K(イスラム国ホラソン派)はアフガニスタンに基地を確保した。タリバンは結果的に黙認したことになり、この拠点からアフガニスタンばかりか、イランとロシアの攻撃目標へ出動した。
こうしたテロも裏では金の亡者達が蠢いているじゃないでしょうか。そうであればやはりテロが無くなることを期待するのは無理なのかも。
つまりは、金の亡者の退治が必要なのかも。つまりは、マネーゲームの廃止です。となると、トランプさんの復活にその可能性があるかも。
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