団塊の世代のつぶやき

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★警官隊、実弾を六発発射。二人が危篤状態に

2019年10月04日 | 中国

  宮崎さんが、昨日の香港からの帰国直後の動画に続いて何時ものメルマガで詳しく書いてくれています。それにしてもタフですね。一つ違いとは思えません。と言うか、全く歩かずネット三昧では足腰の衰えは仕方ないでしょう。

 それにしても、香港デモも複雑なようですね。全体が一致するなんてことは不可能なのでしょうが、このあたりの綻びをChinaに突かれて総崩れなんてことは無いのでしょうか。 

  宮崎正弘の国際ニュース・ 早読みより  令和元年(2019)10月2日(水曜日)弐 通算第6213号 

 「香港大乱」、これからどうなるのか
  警官隊、実弾を六発発射。二人が危篤状態に

 10月1日の国慶節、北京では軍事パレード、政治局常務委員のトップセブンを率いて雛壇の習近平はご満悦の様子だった。
江沢民はよたよたと両脇を抱きかかえながらも登壇し、胡錦涛もめっきり白髪。朱容基・元首相の出席は確認できなかった。
 前日の烈士献花祭典でも、同じトップセブンが先陣を切ったが、その後にのろのろと足取り怪しき人物。誰かと思えば王岐山国家副主席だった。

 天安門広場は招待客だけが集合、長安街のビルはシャッター通り、学校は休校。つまり国民を排除して、こそこそと演出効果だけが狙いの式典だった。
建軍パレードには最新鋭武器を並べ立て、「栄光の中国軍はアメリカと並んだ」などと虚勢を張った。

 香港では「全民黒衣日」と銘打たれ、国慶節を「恥」と定義した民主派は祝賀ムードではなく、「共産党よ地獄へ落ちろ」の掛け声をあげた。朝から数万人のデモ隊は中国国旗「五星紅旗」をあちこちで燃やし、国慶節慶祝の大看板を剥がして道路に投げ捨て、これも燃やした。

 10月1日を「決戦」と位置づけてきた民主派は、地下鉄がとまった所為もあって、定例の銅鑼湾や金鐘ではなく、旺門を含めての随所で、それこそ北辺の屯門や全湾、ベットタウンの沙田など13ケ所に集結し、これまで被害のなかった地下鉄駅を破壊し、段ボールを集めて燃やし、国旗を踏みつけ、駆けつけた警官隊と激しく衝突した。
 
 全湾の駅前「大河道」での衝突では警官隊の一人が実弾を発砲した。18歳の高校生ツァン・チ=キン(音訳不明)君が撃たれて重体となった。実弾で始めて重傷者がでたのだ。ただちにマーガレット病院に担ぎ込まれたが手術ができずエリザベス病院で四時間の手術が施され、様態がようやく安定し、病院関係者「生命はとりとめた」と発表した。
 結局、10月1日だけで、66人(警官隊を含めると74人)が重軽傷を負い、180名が逮捕された。

 さて暴力を推奨する香港のメディアはないが、民主派の行為を「暴徒」を決めつけているのは中国共産党系の「東方日報」「文わい報」などで、民主派の味方である「リンゴ日報」は、警官の暴力を非難し続けている。

 ▲暴力を行き過ぎとする市民は過激派と距離を取り始めた

 しかし、政庁への度重なる襲撃、火焔瓶、警官隊との衝突を繰り返し、地下鉄の駅を破壊する行為はさすがに学生、若者らのやりかたは行き過ぎと、デモ参会者の多くも武闘派にはついて行けない。
 この時点での民主派の諸相と言えば、相変わらず統一組織がなく、各派がバラバラ、リーダーがいない。最大動員を誇る「民間陣戦」は、穏健派で、デモ禁止令が発令されれば、デモを中止する。法治を守る立場を堅持しているため、こうした穏健路線に飽き足りない人々が無許可集会に馳せ参じる。

 なにしろSNSで動員が可能な時代であるため、自然発生的にそれぞれが独自の呼びかけを行い、また時間的に集合場所が移動したりするが、ツィッターによる相互連絡で、蝗の大群のように人が集まる。

 夥しい傘は、市民に呼びかけると傘の収集場所にはどっと傘が投げ入れられるという、自然発生的な支援体制や、救護班の確約も目立つ。
催涙弾が発射されれば消火隊、看護斑が出動し、付近ではマスクなどが配布される。変わっているのは紛れ込んだ警官のスパイの妨害電波や盗聴を防ぐために器具の設置を呼びかけるビラも。

 共通しているのは五本指を掲げ、「五大訴求、一欠不可」。学生らは「時代革命」、「光復香港」を叫ぶが、多くの一般学生、市民は武闘になると現場を離れ、遠巻きに見物することになる。
 
そのうえ警官とデモ隊の間に無数のカメラが流れ込むので、一種の防御壁にもなる。ただし香港市民の九割近くは依然、民主派の行動を支持している。

 この時点で、香港市民が四分裂状態にあることも鮮明になった。
 一、香港独立を求める思想過激派(陳浩天ら「香港独立党など)
 二、完全自治の達成(黄之峰、周庭、ダニー・ホーら)
 三、穏健派、もしくは日和見主義(殆どの一般が区営と市民)
 四、香港脱出組も急増(これまでの英豪加米などが移民枠を規制したため、昨今はマレーシアを筆頭に台湾、くわえて、アイスランド、ポルトガルなど欧州の抜け道。さらにはバヌアツ、フィジーなどへも移住する)。

 国慶節がおわり人民解放軍の香港駐屯はいつのまにか、一万二千品に膨れあがっていた。
しかしながら軍事介入は想定しにくい状態にあることも確かだ。

 この間に、米国連邦議会は「台湾防衛」を鮮明にした「台北法」を可決し、「香港人権民主法」の可決へ向けての審議に入った。
ビジネス界が神経を尖らせるのは香港経済が未曽有の落ち込みを示し、株安、不動産暴落が始まったことだ。金融都市機能に不安感が拡がっており、加えて観光業界は悲鳴を揚げている。 

 香港大乱、収拾の気配はまだない。 (註 全湾の「全」には「草冠」)

  それにしても習皇帝の地位は盤石なのでしょうか。長老が歳というのは有利でしょう。下から地位を狙うようなのも居ないようですし、こうなるといよいよ習皇帝がChinaの幕引きをするのは間違いないのじゃないでしょうか。
  それは、アメリカにとっても有利なのじゃないでしょうか。下手に有能なのが出てきて達直す恐れもないということですから安心して叩き潰せるというものです。
  こうなると、やはりトランプさんのやる気次第ですが、妙に選挙に拘って手を緩めそうなのが気になります。

ここは、一気に崩壊させて欲しい!


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