テレビのドラマや映画を観る事は、いつの時期からか苦手となった。2時間の長時間、ストーリーが自分の思いや感性と異なるところにあるので、なるほどという思いから外れてしまい、どうも最後まで観ることができないのである。その本質的なことは現実離れであり、世の中の実態と乖離しているのが、観ていてドラマ作りの軽薄さと思ってしまうところか。30年前の映画『居酒屋兆治』がBSで放送されていた。皆で助け合うセピア色の昭和のくらしには、時代遅れのその主人公みたいな男がいたようで最後まで好感を持って観ていた。一方、評判高い『半沢直樹』は、あまりにも誇張しすぎたところ、時間的制約のもとに、事が展開していくのが急激であることにそんなはずはないと苦笑してしまう。放送時間内に、人と人との関係や考えが徐々にすれ違っていく様をもっと丁寧に伝えていって欲しいなと思う。今の時代にふさわしいドラマではあるが、最も大切な人間の本質的なこころの変化を表現できていないと感じた。